【申告書の7項目つき】ジムの誓約書と健康状態の申告書の作り方
ジムの入会時の誓約書は、「会員規約を読んで守ること」「体調や持病を正直に申告すること」「施設のルールに従うこと」を会員に確かめてもらう書類で、健康状態の申告書とセットで用意するのが一般的です。厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の資料では、運動を始めるときに疾病の有無・普段の活動量・やりたい運動を確かめ、必要に応じて運動前の健康チェックを行うことが示されています(2026年10月23日確認)。病歴などは個人情報保護法の「要配慮個人情報」に当たるため、取得には本人の同意が必要です。
入会時に用意する3つの書類
誓約書と健康状態の申告書の役割の違い
誓約書と申告書は似ていますが、目的が違います。誓約書は「会員が守ること」を確かめる書類、申告書は「会員の今の体の状態」をジムが知るための書類です。役割を分けておくと、どちらの書類にも何を書けばよいかがはっきりします。
| 書類 | 目的 | 書く内容 | 更新のタイミング |
|---|---|---|---|
| 誓約書 | 規約・ルールを守ることの確認 | 規約の遵守、申告の正確さ、施設の使い方、迷惑行為の禁止 | 規約を大きく変えたとき |
| 健康状態の申告書 | 安全に運動してもらうための把握 | 持病、服薬、手術歴、症状、医師の運動制限 | 年1回や、体調が変わったとき |
| 同意書(個人情報) | 病歴などを取得する同意 | 利用目的、保管の方法、共有する範囲 | 利用目的を変えるとき |
誓約書に「事故が起きてもジムの責任を問わない」と書いてもらう例を見かけますが、個人の会員との契約には消費者契約法が適用され、第8条により事業者の責任をすべて免除する条項は無効です(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。誓約書は、ジムを守るための書類というより、会員と安全のルールを共有するための書類として作るほうが実際の役に立ちます。
健康状態の申告書に入れる項目:厚労省のチェックシートを参考に
厚生労働省の「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の参考情報、2026年10月23日確認)は、運動や身体活動を勧める立場の人に向けて、運動開始前の確認の考え方を示しています。資料では、指導者が自己申告の「病気がない」をそのまま受け取らず、健診結果や治療中の病気を共有してもらうなどして健康状態を把握すること、家族歴にも注意することが挙げられています。また、PAR-Q+を参考に作られた「運動開始前の健康チェックシート」が載っています。
この資料の考え方を参考に、ジムの申告書の項目を整理すると次のようになります。質問の文面は、資料のチェックシートをそのまま使うか、医師や専門家の確認を受けて作りましょう。
| 確かめる項目 | 申告書での聞き方(例) | 「はい」のときの対応(例) |
|---|---|---|
| 心臓病・高血圧 | 医師から指摘されたことがあるか、運動制限はあるか | 制限の範囲で行う。わからなければ受診をすすめる |
| そのほかの慢性疾患・手術歴 | 既往を含めてあるか、運動制限はあるか | 同上 |
| 服薬 | 慢性疾患などで飲んでいる薬があるか | 運動時に注意が必要な薬か、医師に確かめてもらう |
| 症状 | 胸の痛み、めまい、意識を失ったことがあるか | 運動を始める前に医療機関の受診をすすめる |
| 骨・関節・筋肉 | 運動で悪化しそうな問題があるか | 医師に相談してから、負荷の小さい運動から |
| 医師の指示 | 医学的な監視の下で運動するよう言われたか | 医療機関と連携した施設を案内する |
| 普段の活動量 | 運動習慣の有無、やりたい運動 | 強度を徐々に上げる計画にする |
同じ資料は、こうした安全対策を行いながら「病気があると運動施設の会員になれない」というイメージをなくしていくことが大切だとしています。申告書は入会を断るための書類ではなく、その人に合った始め方を決めるための書類として扱いましょう。運動してよいかの判断は医師の領域で、ジムのスタッフが診断のようなことをしてはいけない点にも注意が必要です。
入会申込書・健康状態の申告書・誓約書は、開業前にWebの申込画面と紙の両方で用意しておくと受付がぶれません。開業準備チェックリストで、書類と個人情報の準備を確かめられます。
開業準備チェックリストを無料で使う誓約書の項目と、申告情報の扱い方
誓約書に入れる項目の例です。会員規約と内容が重なる部分は、規約の条番号を示して「規約に従う」とまとめると、書類どうしの食い違いを防げます。
- 会員規約・施設利用のルールを読み、守ること
- 健康状態の申告を正確に行い、変化があればすぐに申告すること
- 体調が悪いとき、医師から運動を止められているときは利用しないこと
- 器具は説明・表示に従って使い、わからないときはスタッフに聞くこと
- 無人の時間帯の利用ルール(1人で高重量を扱わない、緊急時の連絡方法)を守ること
- 他の会員への迷惑行為をしないこと、違反時の利用停止の手続きに同意すること
申告書で集める病歴や服薬の情報は、個人情報保護法第2条第3項の「要配慮個人情報」に当たります。同法第20条第2項は、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで要配慮個人情報を取得してはならないと定めています。また第21条第2項では、契約書などの書面で本人から直接個人情報を取得するときは、あらかじめ利用目的を明示する必要があります(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。
| 扱い方 | 具体的にすること |
|---|---|
| 同意をもらう | 申告書に「安全な運動の提供のために健康状態を取得すること」への同意欄を設ける |
| 利用目的を書く | 「トレーニング内容の調整と緊急時の対応のため」など、目的を具体的に書く |
| 見られる人を絞る | 担当トレーナーと責任者だけが見られるように、紙は鍵付きの場所、データは権限を分ける |
| 緊急時の扱い | 救急要請のときに伝える情報と、誰が伝えるかを決めておく |
| 退会後の扱い | 保存期間を決め、期間が過ぎたら廃棄・削除する |
よくある質問
健康状態の申告書は義務ですか?
一律に作成を義務づける法律は確認できていません。ただし、安全に運動してもらうための確認として、厚生労働省の資料でも運動開始前の健康チェックの考え方が示されています。業態や会員の年齢層に合わせて用意しておくのが現実的です。
持病がある人の入会を断ってもよいですか?
一律に断るのではなく、医師の運動制限の範囲で利用してもらう、医療と連携した施設を案内するなど、その人に合った方法を考えるのが厚生労働省の資料の考え方に沿った対応です。断る場合の基準は、規約に書いたうえで弁護士に確認してください。
誓約書に署名があれば事故の責任は問われませんか?
個人の会員との契約には消費者契約法が適用され、事業者の責任をすべて免除する条項は無効です。誓約書は、会員とルールを共有し、申告の正確さを確かめるための書類と考えましょう。
Webの申込画面だけで誓約書の代わりになりますか?
同意のチェック欄と、同意した日時・規約の版を記録できれば、Webで受け付ける方法もあります。健康状態の申告は内容が変わるため、更新の方法もあわせて決めておきましょう。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」(PDF)(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」第2条・第20条・第21条(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「消費者契約法」第8条(2026年10月23日確認)
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