【総務省の手引きで確認】ジムのWi-Fiは会員用と運営用をどう分ける?
ジムのWi-Fiは、会員が使う「会員用」と、入館・決済・カメラなどをつなぐ「運営用」を必ず分けて作ります。総務省「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き(令和7年2月版)」も、業務用のネットワークと来訪者向けのネットワークを物理的・論理的に分けることを求めています(2026年10月23日確認)。会員用はWPA2以上で暗号化し、端末どうしが通信できない設定にしておくのが基本です。
ジムのネットワークを2つに分ける
- 入館システム・スマートロック
- 決済端末・受付のパソコン
- 防犯カメラ・録画機
- BGM・空調・照明の制御
- 会員のスマートフォン
- トレーニングアプリ・動画
- 端末どうしの通信は禁止
- 運営用には届かない設定
ジムのWi-Fiを分ける理由:入館も決済もネットに乗っている
いまのジムは、入館・会費の決済・予約・カメラの録画など、営業に欠かせない仕組みの多くがネットワークにつながっています。会員と同じネットワークに運営の機器があると、会員のスマートフォンがウイルスに感染していた場合や、悪意のある人が入り込んだ場合に、運営の機器まで届くおそれがあります。
総務省の手引きでは、業務用のネットワークを使って公衆Wi-Fiを提供することは避け、物理的に別のネットワークを作るか、VLANなどで論理的に分けるよう書かれています(2026年10月23日確認)。手引きには、業務用と宿泊者向けのネットワークが分かれていなかったため、業務用機器に不正にアクセスできる状態になっていた例も載っています。
| つなぐ機器 | どちらに入れるか | 止まったときの影響 |
|---|---|---|
| 入館システム・スマートロック | 運営用 | 会員が入れない。無人の時間は大きな問題になる |
| 決済端末・受付のパソコン | 運営用 | 入会・物販の決済ができない |
| 防犯カメラ・録画機 | 運営用(できればさらに分ける) | 録画が残らない・外から見られない |
| 有酸素マシンのモニター | メーカーの指定に合わせる | 動画やアプリ連携が使えない |
| 会員のスマートフォン | 会員用 | 会員の不満。退会の理由にもなりうる |
入館システムは、回線が止まったときにどう動くか(オフラインでも開くか、閉じたままか)を、システム会社に確かめておきます。無人の時間帯がある店舗では、モバイル回線の予備を付けることも考えます。
会員用Wi-Fiのセキュリティ設定:手引きの要点
総務省の手引き(令和7年2月版)から、ジムで使いやすい項目を抜き出しました。どれもWi-Fiルーター(アクセスポイント)の設定でできることが多いので、工事業者や回線業者に「この設定にしてほしい」と伝えるときの一覧として使えます。
| 項目 | 手引きに書かれていること(2026年10月23日確認) | ジムでの使い方 |
|---|---|---|
| 暗号化 | 暗号化する場合はWPA2またはWPA3。WEPは短時間で解読する方法が知られており使用を控える | 会員用もWPA2以上に。パスワードの掲示は覗き見のリスクを下げる効果が弱まる点に注意 |
| 端末どうしの通信禁止 | 同じアクセスポイントにつないだ端末どうしの通信を止める機能(プライバシーセパレータなどと呼ばれる)を、利用目的に応じて使う | 会員用は有効にする |
| 業務用との分離 | 物理的に分けるか、VLANなどで論理的に分ける | 運営用と会員用を別のSSIDにし、行き来できない設定に |
| 管理用パスワード | 初期の管理用パスワードは推測されにくいものにすぐ変える | オーナーが管理し、退職したスタッフが使えないように |
| ファームウェア | 最新に保ち、更新が出ていないか定期的に確かめる | 月1回の点検項目に入れる |
| 電波の出力 | 施設の中にだけ電波が届くよう出力を調整する | 店の外や隣のテナントまで届かないように |
会員用のパスワードを受付やロッカーに掲示する方法は手軽ですが、手引きでは、誰もが知り得る状態にすると暗号化の目的を十分に果たせないと注意しています。会員アプリの中でパスワードを見せる、会員だけに知らせて定期的に変えるなど、運用で補います。
内装シミュレーションで床・壁・天井を選ぶと、3Dのフロアで店内の広さと壁の位置がわかります。アクセスポイントは天井に付けることが多いので、天井の仕上げと一緒にどこに何台置くかを考えておくと、配線工事の追加を減らせます。
内装シミュレーションを無料で使うアクセスログと個人情報:残し方と使い方の決まり
Wi-Fiの機器は、どの端末が、いつ、どこにアクセスしたかの記録(アクセスログ)を残せます。手引きでは、アクセスログはプライバシー性が高いため、トラブルのときの状況把握など目的に照らして必要な範囲で記録し、利用者の同意なくマーケティングに使ったり第三者に渡したりしないよう注意を促しています(2026年10月23日確認)。
- 残す目的を決める:障害の調査、不正アクセスがあったときの確認など。目的を会員規約やプライバシーポリシーに書いておきます。
- 運用を委託するとき:回線業者やWi-Fiサービス会社に任せる場合も、ログをどこに、どれくらいの期間残すかを把握しておきます。
- メールアドレスやSNSで認証する方式:会員の個人情報を取ることになるため、個人情報保護法に沿って利用目的を特定し、通知または公表します。
会員情報の扱いは、個人情報保護法の決まり(利用目的の特定・通知、安全管理など)がかかります。規約の文面は弁護士に、機器の設定はネットワーク業者に確認してください。
よくある質問
ジムに会員用のWi-Fiは必要ですか?
法令で求められるものではありません。地下や電波の入りにくい物件では、トレーニングアプリや動画が使えないことが不満になりやすいため、物件の電波の状況を内見のときにスマートフォンで確かめて決めます。
家庭用のWi-Fiルーターでも大丈夫ですか?
同時に何台つながるか、SSIDを分けられるか、端末どうしの通信を止める機能があるかを確かめます。会員が多い時間帯に遅くなりやすいため、業務用のアクセスポイントを選ぶことが多いです。
防犯カメラは会員用と同じWi-Fiでもいいですか?
避けてください。映像は個人情報に当たることがあり、外から見られると大きな問題になります。運営用に入れ、できれば有線でつなぎます。
Wi-Fiのパスワードはどれくらいで変えればいいですか?
決まった期間はありません。スタッフが辞めたとき、パスワードが外に出たと思われるときは、すぐに変えます。会員用は月ごとなど自店で決めて、会員アプリで知らせる方法があります。
出典
- 総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」(2026年10月23日確認)
- 総務省「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き(令和7年2月版)」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(2026年10月23日確認)
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