【計算式つき】パーソナルジムで独立した年収は本数と経費で決まる
パーソナルジムで独立したあとの年収は、「1回の単価 × 月に受け持てる本数」から、場所代・広告・保険などの経費を引いた残りで決まります。雇われているときの給与と違い、売上から経費を引いた所得が収入になり、そこから税金と社会保険料を自分で払います。同じ単価でも、間借りで始めるか自分の店を持つかで、残る額と上限が大きく変わります。下の式に自分の数字を入れて、無理のない本数で生活できるかを先に確かめてください。
独立したトレーナーの年収が決まる順番
独立の形で変わる「残る額」と「上限」
独立といっても、最初から店を持つ人ばかりではありません。売上の天井と、毎月かならず出ていく費用の大きさは、選ぶ形で決まります。
| 独立の形 | 毎月の固定費 | 収入の上限を決めるもの |
|---|---|---|
| レンタルジム・間借りで指導 | 小さい(使った時間だけ場所代を払う) | 自分が指導できる時間 |
| 出張・オンライン指導 | 小さい(移動・機材・システム) | 移動時間と、オンラインで集められる人数 |
| 自分の店(1人で運営) | 家賃・リースなどが毎月かかる | 自分の時間と、空き時間の埋まり方 |
| 自分の店(トレーナーを雇う) | 家賃に加えて人件費が大きい | 会員数と、トレーナーの稼働 |
間借りは固定費が小さいぶん赤字になりにくい一方、場所代が1本ごとにかかり、単価から残る割合は下がります。自分の店は固定費が重くなりますが、空き時間を貸したり、トレーナーを増やしたりして、自分の時間以外からも売上をつくれるようになります。
1人で受け持てる本数から年収を逆算する
1人のトレーナーが指導できる時間には限りがあります。年収の目標から逆算して、必要な本数が現実的かを確かめるのが最初の一歩です。
- 月の売上 = 1回の単価 × 月の本数
- 月の所得 = 月の売上 −(1本あたりの場所代 × 本数)− 毎月の固定の経費
- 必要な本数 =(目標の月の所得 + 固定の経費)÷(単価 − 1本あたりの場所代)
例として、単価7,000円、レンタルジムの場所代が1本2,500円、広告・保険・システムなど固定の経費が月5万円とします。月80本なら、売上56万円 − 場所代20万円 − 5万円 = 所得31万円です。12か月で372万円になりますが、ここから税金と社会保険料を払います(数字はいずれも計算のための例)。
| 月の本数(例) | 1日あたり(25日稼働) | 月の所得(例) | 年の所得(例) |
|---|---|---|---|
| 50本 | 2本 | 17.5万円 | 210万円 |
| 80本 | 3.2本 | 31万円 | 372万円 |
| 120本 | 4.8本 | 49万円 | 588万円 |
上の表は、単価7,000円・場所代1本2,500円・固定の経費月5万円という同じ前提で計算した例です。本数を増やすほど所得は伸びますが、指導の準備、移動、カウンセリング、SNSでの発信、経理の時間もかかります。会員が集中する朝と夜の時間帯に枠が足りるかも、あわせて確かめてください。
自分の店を持つと、何が変わるか
自分の店を持つと、場所代を1本ごとに払う形から、家賃やマシンのリースを毎月払う形に変わります。ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、パーソナルジム15坪・マシン4台で、初期費用1,305万円、月の費用187万円、損益分岐は会員46人、回収は32か月目です。マシンはリース、税・借入の返済は含みません。実際の費用は物件・地域・見積もりで変わります。
この試算の月の費用には人件費も入っており、トレーナーを雇って運営する前提に近い数字です。1人で運営するなら人件費の多くはオーナー自身の取り分になりますが、そのぶん自分が指導できる時間が売上の上限になります。
| 比べること | 間借りで独立 | 自分の店で独立 |
|---|---|---|
| 始めるときのお金 | 小さい(器具・広告・システム程度) | 大きい(保証金・内装・設備) |
| 毎月の固定費 | 小さい | 大きい(家賃・リース・光熱費) |
| 1本から残る割合 | 場所代のぶん下がる | 会員が増えるほど上がる |
| 収入の広げ方 | 単価を上げる・本数を増やす | トレーナーを増やす・空き時間を貸す |
| 借入の返済 | 小さいことが多い | 毎月の所得の中から返していく |
店を持つかどうかは、「間借りで本数が埋まっているか」を一つの目安にできます。指導の枠が埋まり、紹介や継続で会員が増えているなら、店を持って枠を増やす意味があります。まだ枠が空いているうちに店を持つと、固定費だけが先に重くなります。
物件の坪数・家賃・マシンの台数を入れると、自分の店を持ったときの初期費用と月の費用を計算できます。出てきた月の費用を上の式に入れれば、何本・何人で生活費まで届くかがわかります。
開業費用・収支シミュレーションを無料で使う手取りを左右する税金と届出
個人事業として独立すると、源泉徴収や年末調整を会社がしてくれる状態から、自分で確定申告する状態に変わります。届出の時期を知っておくと、使える控除を逃さずに済みます。内容は所得や状況で変わるため、税理士・税務署に確認してください。
| 手続き | 確かめたこと(2026年10月23日確認) | 確認先 |
|---|---|---|
| 開業届 | 国税庁の案内では、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出 | 税務署・税理士 |
| 青色申告の承認申請 | 1月16日以後に事業を始めた場合は、開始の日から2か月以内に提出 | 税務署・税理士 |
| 創業の融資 | 日本政策金融公庫の創業向け融資は「新規開業・スタートアップ支援資金」。審査があり、事業計画書が求められる | 日本政策金融公庫 |
年収を考えるときは、売上ではなく「所得 − 税金 − 社会保険料」で比べます。会社員のときの手取りと同じ額を残すには、売上は手取りよりかなり大きくなければなりません。目標を立てるときは、売上・経費・所得・手取りを分けて書き出しておきましょう。
よくある質問
パーソナルトレーナーが独立すると年収は上がりますか?
単価と本数、経費の大きさで決まるため、上がるとも下がるとも言い切れません。会社員のときの手取りと比べるときは、独立後の売上から経費・税金・社会保険料を引いた額で比べてください。
独立してすぐに店を持つべきですか?
店を持つと家賃やリースが毎月かかります。レンタルジムや出張で指導枠が埋まり、継続する会員がいる状態になってから店を持つと、固定費を売上で支えやすくなります。
単価はいくらにすればよいですか?
近くのパーソナルジムの料金を公式サイトで確かめたうえで、上の式で必要な本数を出し、自分が無理なく受け持てる本数に収まる単価かを確かめます。料金の決め方は別の記事でも整理しています。
副業として独立の準備を始められますか?
勤め先の副業の決まりを先に確かめてください。そのうえで、レンタルジムでの指導や出張から小さく始め、会員と売上の記録をつけておくと、店を持つかどうかや融資の相談のときに役立ちます。
出典
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
- 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2026年10月23日確認)
- 国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」(2026年10月23日確認)
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月23日確認)
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