THE MUSCLE NEWSPAPER
KINNIKU TIMES › 論文解説・新常識  › 記事
論文解説・新常識

【新研究】筋トレは週1回でも週3回でも筋肥大は同じ?16試験380人を分析

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 8分
筋トレ頻度の効果量と1回あたりのセット数の関係を示す論文の回帰図
SUMMARY|この記事の要約

週の総セット数をそろえれば、同じ筋肉を週1回・2回・3回のどれで鍛えても筋肥大の差は小さい。16試験・380人を統合した査読前の論文の結果である。

週1回と週3回の比較だけは小さな差を否定できず、確かさの評価は低い。

週に1回でも3回でも、1週間の総セット数が同じなら、筋肥大の差は小さいとする分析が出た。2026年10月9日に公開された論文(査読前のプレプリント)が、16の試験・計380人を統合した結果である。

トップ画像:Boutagy & McKean(2026)medRxivより

週のセット数をそろえれば、同じ筋肉を週1回・2回・3回のどれで鍛えても筋肥大の差は小さい。

  • 対象は16試験・380人(6〜12週間の介入)
  • 効果量はほぼゼロで、頻度を増やす利点は確認されなかった
  • 週1回と週3回の比較だけは、小さな差を否定できていない
  • 確かさの評価は「低〜非常に低」で、査読前の論文である

論文の全文を英語で読む

medRxivの論文ページに移動します(2026年10月確認)

頻度別16試験の筋肥大の効果量を並べたフォレストプロット。多くの点がゼロ付近に集まっている
図:16試験の効果量(フォレストプロット)。Boutagy & McKean(2026)medRxivより(CC BY・改変なし)

週のセット数が同じなら、週1〜3回で筋肥大の差は小さい(16試験380人)

筋トレの頻度は、長く議論されてきた。「同じ筋肉を週に何回鍛えるか」は、多くの人が迷う点である。

難しいのは、頻度を増やすと総セット数も増えやすいことだ。成長の差が頻度のせいか、量のせいか、区別できなくなる。

そこで今回の分析は、週の総セット数をそろえた試験だけを集めた。1回の筋トレで行うセット数を調整し、週の合計を同じにした試験である。

著者はオーストラリアのBoutagy氏とMcKean氏である。5つのデータベースを2026年10月6日に検索し、16試験・380人を選んだ。

項目 内容
試験数 16試験
参加者 計380人
期間 6〜12週間
頻度の範囲 同じ筋肉を週1〜3回
筋厚の測定 超音波が10試験

※2026年10月確認。論文の本文に記された数である。超音波以外はMRIが1試験、体組成計などの除脂肪量が5試験である。

結果は、頻度による差がほぼゼロというものだった。本文では、全体の効果量が「g = -0.02(95%信頼区間 -0.21〜0.16)」と報告されている。

効果量のgは、0に近いほど差がないことを示す。0.2が「小さな差」の目安である。今回の区間は、その境目にほぼ収まっている。

なお、論文サイトの要旨欄にはg = -0.06という少し異なる記載もある。どちらも「ほぼ差なし」という結論は変わらない。

週1回・2回・3回の比べ方別に見ると、差は出たのか

頻度の組み合わせごとに分けても、はっきりした差は出ていない。下の表のとおりである。

比較 試験数 人数 効果量
週1回と週2回 5 112人 +0.07
週1回と週3回 6 106人 -0.12
週2回と週3回 5 162人 -0.01

※マイナスは高頻度側が有利、プラスは低頻度側が有利。いずれも統計的に有意ではない。

週1回と週2回の比較は、わずかに週1回側が上だった。しかし信頼区間が広く、差があるとは言えない。

週1回と週3回の比較は、わずかに週3回側が上である。ただし区間は小さな差を含んでおり、「差がない」と断定はできない。

この点は重要である。「差が見つからなかった」と「差がないと証明された」は別物だからだ。

鍛えた経験でも結果は大きく変わらなかった。経験者の10試験は+0.03、未経験者の6試験は-0.08で、両者の差は統計的に有意ではなかった。

体組成計などの間接測定を除き、超音波やMRIで筋の大きさを直接測った11試験だけで見直しても、効果量は-0.02だった。

1試験ずつ除いて計算し直しても、全体の結果がほぼ変わらないことを示す感度分析の図
図:1試験ずつ除いても結果は動かない(感度分析)。Boutagy & McKean(2026)medRxivより(CC BY・改変なし)

図は、試験を1つずつ除いて計算し直したものだ。どれを除いても、結果はほぼ同じ範囲に収まった。

週のセットをどう分ける?頻度の決め方と具体例

著者は、頻度を「成長を増やす別の刺激」ではなく、週のセット数を分ける手段として捉えている。

つまり、重要なのは週の総セット数であり、頻度は生活に合わせて決めてよい、という考え方である。

たとえば、胸の種目を週に12セット行うなら、次のような分け方ができる。以下は編集部が考えた例であり、論文が推奨するメニューではない。

頻度 1回の量 向く人
週1回 12セット 通える日が少ない人
週2回 6セット 多くの人に扱いやすい
週3回 4セット 短時間で毎回こなしたい人

1回に12セットを行うのは、疲労が大きい。集中力が落ちて、後半のセットの質が下がる人もいるだろう。

今回の分析でも、低頻度の群が1回に9〜18セット行った試験を調べている。それらでも、高頻度の利点は見られなかった。

ただし、これは短期の試験での話である。長く続けられるかどうかは、別に考える必要がある。

実践では、次の順に決めるとよい。

  • まず、週に確保できる日数と時間を決める
  • 次に、部位ごとの週の総セット数を決める
  • 最後に、その総セット数を、続けやすい回数に分ける

総セット数の考え方は、負荷と筋線維肥大のメタ回帰の解説や、リーンバルクの進め方もあわせて読むと分かりやすい。

※自宅で頻度を増やすなら、自重トレ大全の自宅メニューもチェックしたい。

この結果をそのまま信じてよい?限界と例外

この論文には、読む側が押さえるべき限界がいくつかある。

第一に、査読前のプレプリントである。専門家による審査を受けていない。内容は、今後修正される可能性がある。

第二に、事前登録がない。解析計画を示す資料は、検索とデータ抽出のあとで作られたと著者自身が書いている。

第三に、確かさの評価が低い。著者は、確実性を「低〜非常に低」と評価した。精密さが足りず、1・2・3回の違いを見分けられないという。

第四に、測定法の問題がある。多くの試験が筋の厚みを測っており、これは筋全体の成長を正確に表さないことがある。

第五に、部位の差は見えない。試験内で部位の結果を平均しているため、上半身と下半身で違いがあるかは分からない。

実際に、個別の試験には差が大きいものもある。次の表のとおりである。

試験 効果量 有利な側
Gentil(2018) +0.76 低頻度
Lasevicius(2019) +0.42 低頻度
McLester(2000) -0.33 高頻度
Schoenfeld(2015) -0.32 高頻度

※効果量の符号はマイナスが高頻度側有利。いずれも信頼区間はゼロをまたぐ。

また、この分析は筋力を扱っていない。筋力の伸びは、頻度や練習量の影響を受けることがあり、別の研究で確認が必要である。

高齢者や閉経後の女性の試験は少ない。この層に当てはまるかは、まだ言い切れない。

よくある質問

週1回の筋トレでも筋肉は大きくなる?

この分析では、週のセット数が同じなら週1回でも大きな差は見られなかった。ただし、1回の量が多くなりすぎる点に注意が必要である。

週に何回鍛えるのが一番よい?

この分析からは、1〜3回の中に「一番よい回数」は決められない。総セット数をそろえたうえで、続けやすい回数を選ぶのが現実的である。

頻度が高いほど筋肥大に有利という話は間違い?

週の総セット数が増えていれば、有利に見えることはある。今回は総セット数をそろえた比較であり、頻度そのものの利点は小さいという結果である。

この論文は信頼できる?

査読前であり、確かさの評価も低い。結果は参考情報として受け止め、今後の査読や追試を待つのが適切である。

KINNIKU TIMESの視点

頻度に悩んでいる人は、まず週の総セット数を決めたい。回数は、そのあとの工夫でよい。

自分の現在地は、筋トレ偏差値で確かめられる。食事の目安はPFC計算ツールが使える。

確認する点 目安
週の予定 通える日数から決める
総セット数 部位ごとに先に決める
1回の量 後半の質が落ちない範囲

論文の全文を英語で読む

外部サイト(medRxiv)で開きます


出典

2026年10月確認。日付は日本時間。

筋トレに使える無料ツール

MY FITPEAK 無料会員 最新の情報を、素早くお届け。 新しい記事、筋トレ最安ナビの価格更新、FITPEAKの新商品の案内を、いちばんはやく受け取れます。 My FITPEAK に登録する

コメント

この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。