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可動域と筋肥大・総負荷量、部位で結果が変わる理由

【フルかパーシャルか】可動域と筋肥大・総負荷量、部位で結果が変わる理由

可動域をフルに使うか、浅くして重い重量を扱うか。迷う人は多いはずです。この記事では、2023年の2つのレビューを整理し、可動域を変えたときの総負荷量の落とし穴まで説明します。

可動域と筋肥大の関係は部位で変わり、多くの部位ではフルの可動域が基本で、総負荷量は可動域を含まないため浅いほど大きく見えます。

  • 全体で見ると、フルとパーシャルの差はごくわずかでした(効果量0.12)
  • 太ももや臀筋では、フルが後半だけのパーシャルより筋肥大が大きい傾向でした
  • 上腕三頭筋では、可動域の中間のパーシャルが有利という結果もありました
  • 可動域を変えた日の総負荷量は、そのままでは比べられません

重量・回数・セットを入れるだけで総負荷量を自動計算します。可動域をそろえた記録で、前回比を確かめられます。ダウンロードは無料です。

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スクワット3セット:浅くすると総負荷量が大きく見える(仮の例)

フル(深くしゃがむ)100kg×8回
2,400kg
浅い(半分の深さ)140kg×8回
3,360kg
出典・作図: FITPEAK × Souhuka(仮の計算例。本文の表と同じ数字)

この記事でわかること

  • 2023年の2つのレビューが示した、可動域と筋肥大の関係
  • 部位ごとに有利な可動域の違い
  • 可動域を変えると総負荷量がどう見えるか
  • 可動域を記録でそろえる方法

可動域と筋肥大を調べた2023年の2つのレビュー

2023年に、可動域と筋肥大を調べた系統的レビューが2本、発表されました。

レビュー 対象 主な結果
ウルフ他(2023年3月) フルとパーシャルを比べた既存試験 全体の差はごくわずか(効果量0.12)
カシアーノ他(2023年) 可動域を比べた11研究 部位で有利な可動域が違った

ウルフ他のレビューは、全体の効果量が0.12で、95%信頼区間は−0.02〜0.26でした。差はごくわずかです。伸ばした位置のパーシャルは筋肥大でやや有利な傾向でしたが、統計的に有意ではありませんでした。筋力は、実際に測る可動域と同じ可動域で鍛えると伸びやすい、と報告されています。

カシアーノ他のレビューは、部位ごとに結果が分かれました。次の章で整理します。

部位ごとに有利な可動域は違う

カシアーノ他のレビューを、部位別に表にします。

部位 有利だった可動域
大腿直筋の遠位部・外側広筋 フル、または伸ばした位置のパーシャル
上腕二頭筋の遠位部・大殿筋・内転筋 フルが後半だけのパーシャルより有利
大腿直筋の近位部 伸ばした位置のパーシャルがフルを上回る
上腕三頭筋 可動域の中間のパーシャルがフルより有利

効果量は、太ももや腕の多くの部位で0.20〜0.90の範囲でした。上腕三頭筋のパーシャルでは、1.21という大きな値も示されています。

レビューは、筋肉が伸びた状態で負荷がかかる局面ほど、筋肥大が起きやすい傾向がある、と考察しています。ただし、これは観察された傾向で、すべての種目や人に当てはまる因果関係が示されたわけではありません。

弱点もあります。研究の数がまだ十分ではなく、単一の結論を出すのは難しい分野です。詳しくはパーシャルレップは筋肥大に効くのかを検証した解説にあります。

浅くすると総負荷量が大きく見える落とし穴(2,400kgと3,360kg)

ここに、記録の落とし穴があります。総負荷量は、重量×回数×セット数です。動かした距離は入りません。

スクワットを3セット行う、仮の例で比べます。深くしゃがむ場合と、半分の深さで重量を増やす場合です。

可動域 計算 総負荷量
フル(深くしゃがむ) 100kg×8回×3セット 2,400kg
浅い(半分の深さ) 140kg×8回×3セット 3,360kg

検算します。100×8×3=2,400kgです。140×8×3=3,360kgです。差は960kgで、浅いほうが約40%大きく見えます。

しかし、太ももや臀筋では、フルのほうが筋肥大に有利な傾向がありました。つまり、総負荷量が大きくても、筋肥大が大きいとは限りません。重い重量を、浅い動作で扱っているだけかもしれません。

この落とし穴を避けるには、可動域をそろえて記録することです。「フルの深さ」を毎回決めておき、同じ深さで前回との増減を見ます。浅くした日は、別の行に分けて記録してください。

可動域の選び方と、向かない人

ここまでの結果から、選び方の目安を、編集部の選び分けとして紹介します。

  • 基本はフルの可動域で、痛みのない深さまで使う
  • 伸びやすい部位(ふくらはぎ、上腕二頭筋など)は、最終セットに伸ばした位置のパーシャルを足す選択肢がある
  • 上腕三頭筋は、中間の可動域のパーシャルも研究で有利とされた

向かない人もいます。関節に痛みや可動域の制限がある人は、無理にフルを目指さないでください。レビューも、ケガや制限でフルが行えない場合の代替手段としての価値を整理しています。痛みがあるときは、自己判断で可動域を変えず、医師や理学療法士に相談してください。

初心者は、まずフルの可動域で正しいフォームを身につけることを優先してください。パーシャルは、補助的に取り入れるのが無難です。

Souhukaでは、重量・回数・セットを入れると総負荷量が自動で計算されます。記録画面には前回の重量と回数が出るので、同じ可動域で前回を超えたかを確かめられます。手計算なら、登録なしで総負荷量を計算するブラウザ版が使えます。

伸ばした位置の研究は、伸ばした位置の半分レップがフル可動域と同等だった試験の解説も参考になります。

よくある質問

フルの可動域とパーシャルでは、どちらが筋肥大しますか

全体の差はごくわずかです。部位によって違い、太ももや臀筋ではフルが有利な傾向でした。基本はフルで、補助としてパーシャルを使います。

スクワットは深くしゃがんだほうがよいですか

大腿四頭筋や臀筋では、深く動かすフルが有利な傾向が示されています。ただし、膝や股関節に痛みがあるときは、無理をせず、医師に相談して可動域を調整してください。

可動域を浅くすると、重い重量を扱えて有利ではありませんか

総負荷量は大きくなりますが、筋肥大が大きいとは限りません。筋力は、実際に測る可動域で鍛えると伸びやすいと報告されています。

可動域は記録に残すべきですか

残すと役立ちます。「フル」「浅め」など一言を添えておくと、総負荷量の増減の理由が後から分かります。

まとめ

  • 可動域と筋肥大の関係は、部位で変わります
  • 太ももや臀筋では、フルの可動域が有利な傾向でした
  • 浅くすると、仮の例では総負荷量が約40%大きく見えます
  • 可動域をそろえて記録し、浅くした日は別の行にします

記録を始めると、前回の重量と回数が記録画面に出ます。可動域をそろえて、前回を超えたか確かめられます。

記録を始めて前回比を見る

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出典

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