【−3.6〜+7.6kg】筋肥大の個人差、増えにくいと決めつけない記録の見方
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同じメニューなのに、友人はどんどん筋肉がつくのに、自分は変わらない。筋肥大の個人差は、研究でもはっきり示されています。自分を「増えにくい体質」と決めつける前に知っておきたい数字と、記録の見方をまとめます。
筋肥大には大きな個人差があり、同じメニューでも12週間で除脂肪量が−3.6kgから+7.6kgまで開きましたが、増えにくい人でも短期間では決めつけられません。
- 運動未経験の187人の12週間では、平均+1.7kg、増えなかった人は約11%でした
- 高齢女性27人の8週間試験では、増えにくい人が7人(25.9%)でした
- 8週間や12週間は短く、測定の誤差を超えなかっただけの人も含まれます
- 遺伝的スコアで説明できたのは、個人差の27.7%にとどまりました
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187人・12週間:除脂肪量の変化の分布
この記事でわかること
- 筋肥大の個人差が、どれくらい大きいか
- 遺伝で説明できる割合と、説明できない割合
- 増えにくい人の分類が、条件で入れ替わる理由
- 個人差があっても続けられる記録の見方
筋肥大の個人差はどれくらい大きいか(−3.6kgから+7.6kg)
2026年に発表された研究は、運動習慣のない若年成人187人に、同じ条件で12週間の筋トレを行ってもらいました。女性が51.3%、平均年齢は21.5歳です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種目・頻度 | ベンチプレスとスクワット、週2回 |
| 強度 | 1RMの70%(4週ごとに調整) |
| 測定 | DXA法で除脂肪量を前後に測定 |
12週間で、除脂肪量は平均45.3kgから47.0kgへ、平均1.7kg増えました。ただし、個人差は大きく、標準偏差は1.5kgでした。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 変化の幅 | −3.6kg〜+7.6kg |
| 増えなかった人 | 約11% |
| 0〜10%増えた人 | 約86% |
| 10%以上増えた人 | 約3% |
平均±標準偏差でいうと、0.2kgから3.2kgの範囲です。同じメニューをこなしても、ここまで開く、ということです。
この研究には、限界もあります。メニューは週2回・2種目と最低限に近く、食事の管理は主な評価項目ではありませんでした。対象は運動未経験の若い人で、経験者には当てはまらない可能性があります。
遺伝で説明できる割合は27.7%だけ
同じ研究は、筋肉の増え方と関連する遺伝的変異を、9つ見つけました。9つを組み合わせた遺伝的スコアは、除脂肪量の変化率のばらつきの27.7%を説明しました。スコアが高い人ほど、増加率が高い傾向でした。
裏を返せば、個人差の7割以上は、このスコアでは説明できていません。著者らも、次の限界を挙げています。
- 対象者が、遺伝子研究としては少ない
- 別の集団で、結果を確かめていない
- 変異の働きを、実験で検証していない
遺伝子検査で、自分に合う筋トレがわかる段階ではありません。「遺伝だから」とあきらめる根拠にもなりません。
増えにくい人の分類は、条件で入れ替わる(高齢女性27人)
別の研究は、平均67.7歳の女性27人に、15RMと10RMの2つの方法を、休止をはさんで8週間ずつ行ってもらいました。測定の誤差0.29kgを超えて増えた人を「反応した人」と分けています。
| 分類 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 両方で反応した | 13人 | 48.1% |
| 15RMだけ反応した | 5人 | 18.5% |
| 10RMだけ反応した | 2人 | 7.4% |
| どちらでも反応しなかった | 7人 | 25.9% |
13+5+2+7で、27人です。どちらの条件でも反応しなかった人は、7人(25.9%)でした。
注目点は、反応の分類が条件で入れ替わった人が、7人(25.9%)いたことです。たとえば、15RMでは反応して、10RMでは反応しなかった人がいます。同じ人でも、やり方や時期で、結果が変わりうるということです。
研究チームは、「重さによって反応しやすくなる、という明確なパターンは見られなかった」としています。反応しなかった人は、8週間では誤差を超える増加を確認できなかった人で、「筋肉がつかない体質」と断定はできません。
個人差があっても続けられる記録の見方
個人差が大きいなら、人との比較は意味が薄くなります。見るべきは、自分の記録です。計算例で考えます。
平均の+1.7kgを、4週間あたりに直すと、1.7÷3で約0.57kgです。DXAなどの測定の誤差は、先の高齢女性の研究で0.29kgでした。月に1回の測定では、変化が誤差の約2倍しかない、ということです。
| 見るもの | 頻度の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 総負荷量・前回比 | 毎回〜週1回 | 自分で変えられる、努力の記録 |
| 体重・周径 | 月1回 | 変化が見えやすい |
| 体組成 | 12週間ごと | 短期間では誤差に埋もれる |
体の変化が見えにくい時期は、総負荷量の積み上げを見てください。努力は、数字に残ります。見た目より先に、記録が伸びていれば、続ける意味を確かめられます。
Souhukaでは、記録画面に前回の重量と回数が出ます。部位別グラフと週次レポートで、総負荷量の推移と先週比を見られます。体の変化が小さい時期でも、積み上げを確かめられます。手計算なら、登録なしで総負荷量を計算するブラウザ版が使えます。
向かない人もいます。体組成を毎週測って一喜一憂する人です。誤差の範囲で動く数字を、毎週追うと、続けにくくなります。数値の揺れが気になる人は、測る頻度を減らしてください。
痛みやケガ、持病がある場合は、量を増やす前に医師や専門家に相談してください。伸びが鈍いと感じたら、種目数、週のセット数、たんぱく質、睡眠を見直す余地があります。
よくある質問
筋肉がつきにくい体質はありますか
個人差は大きいですが、体質と断定するのは早いです。12週間で除脂肪量が増えなかった人は約11%いましたが、期間が短く、メニューも最低限に近い条件でした。
遺伝子検査で自分に合う筋トレはわかりますか
現時点ではわかりません。遺伝的スコアで説明できたのは、個人差の27.7%で、別の集団でも確かめられていません。
筋肉量が増えない時は、何を見直せばよいですか
週のセット数、種目数、たんぱく質、睡眠が見直しの候補です。重さを変えても、反応はほぼ変わらなかった研究もあります。
人と比べるのはやめたほうがよいですか
個人差が大きいので、人との比較は意味が薄くなります。自分の総負荷量や体の変化を、過去の自分と比べてください。
まとめ
- 同じメニューでも、除脂肪量の変化は−3.6kgから+7.6kgまで開きました
- 遺伝的スコアで説明できたのは、個人差の27.7%でした
- 増えにくい人の分類は、条件で入れ替わることがあります
- 短期間の体の変化は誤差に埋もれるので、総負荷量の積み上げも見ます
記録を始めると、前回の重量と回数が記録画面に出ます。体の変化が小さい時期も、積み上げを数字で確かめられます。
記録を始めて前回比を見るAndroid版はGoogle Playから。登録なしで試すならブラウザ版の総負荷量計算へ。
出典
- Gu Z, et al. Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle(2026年)。運動習慣のない若年成人187人・12週間(2026年10月確認)
- Ribeiro AS, et al. Experimental Gerontology 223:113261(2026年)。高齢女性27人・8週間×2回(2026年10月確認)