【時期別の例と景品の上限】ジムのキャンペーン例と値引きに頼らない工夫
ジムのキャンペーンの例は、年明け・新生活・夏前・秋・年末といった季節の節目に合わせて「体験」「入会時の特典」「紹介」「期間限定のプログラム」を組み合わせる形が基本です。値引きは効きやすい一方、安さで入った人は続かないこともあるため、特典は「通い始めの不安を減らすもの」を中心にすると、入会後の定着にもつながります。景品の上限や「通常価格」の書き方には景品表示法のルールがあるので、告知の前に確かめます。
時期別キャンペーンの例(季節の節目と、組み合わせやすい中身)
| 時期 | きっかけ | キャンペーンの例 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | 年明けの目標づくり | 「最初の4週間プラン」つきの入会 |
| 3〜4月 | 進学・就職・転勤などの新生活 | 平日夜・早朝プランの体験会 |
| 5〜7月 | 夏に向けた体づくり | 8週間の少人数プログラム |
| 9〜10月 | 運動しやすい季節 | 友人・家族の紹介特典 |
| 11〜12月 | 年末・忘年会の季節 | 年明けからの通い方相談会 |
キャンペーンの型5つと、向いている目的
キャンペーンは「何を増やしたいか」で型を選びます。新規の数を増やしたいのか、体験からの入会率を上げたいのか、退会を減らしたいのかで、合う中身が違います。
| 型 | 中身の例 | 向いている目的 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 値引き型 | 入会金・初月会費を下げる | 新規の数を短期で増やす | 定価に戻ったときの退会 |
| 特典型 | 個別の使い方説明・プログラムをつける | 入会後の定着 | 特典の価値を景品の上限内に |
| 体験型 | 体験会・少人数の説明会 | 体験からの入会率 | 体験後の案内の流れを決めておく |
| 紹介型 | 紹介した会員とされた人の両方に特典 | 地域での口コミ | 紹介の投稿は広告と分かるように |
| 期間プログラム型 | 8週間などの区切りのある講座 | 目的のはっきりした人の入会 | 結果を約束しない書き方にする |
紹介型で会員にSNSへの投稿を頼む場合は注意が必要です。消費者庁は、令和5年10月1日から、広告であるのに広告であることを隠す「ステルスマーケティング」が景品表示法違反になると案内しています(2026年10月23日確認)。特典と引き換えの投稿には、店が頼んだものだと分かる表示をしてもらいます。
景品と「通常価格」の書き方のルール
キャンペーンで物やサービスをおまけにつけるとき、それが景品表示法の「景品類」に当たると、提供できる額に上限があります。消費者庁「景品規制の概要」(2026年10月23日確認)で示されている上限は次のとおりです。
| 種類 | どんなものか | 景品類の限度額 |
|---|---|---|
| 総付景品 | 入会した人や来店者にもれなく渡す。申し込み順・先着順も含む | 取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2 |
| 一般懸賞 | 抽選・くじ・クイズの正解などで渡す | 最高額は取引価額5,000円未満で20倍、5,000円以上で10万円。総額は売上予定総額の2% |
| 共同懸賞 | 商店街などで多くの事業者がいっしょに行う | 最高額30万円、総額は売上予定総額の3% |
たとえば「入会者全員にプロテインをプレゼント」は総付景品に当たる可能性があります。取引価額の考え方や、値引きが景品類に当たるかどうかは告示や運用基準で決まっているため、判断に迷うときは消費者庁の相談窓口や弁護士に確認してください。
「通常価格〇円のところ今だけ〇円」のような二重価格表示にも基準があります。消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(2026年10月23日確認)では、比べる価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」と言えるかについて、一般的にはセール開始からさかのぼる8週間のうち、その価格で販売されていた期間が過半を占めていればよいとしています。ただし、その期間が通算2週間未満のときや、その価格で最後に販売した日から2週間以上たっているときは当たらないとされています。開業直後で「通常価格」の実績がない場合は、二重価格の形にせず、キャンペーン価格と期間だけを書くほうが安全です。
値引きに頼りすぎないための計算と工夫
値引きは「何人増えるか」だけでなく「何か月続くか」で考えます。続かない人が多いと、値引きした分を取り戻す前に退会してしまいます。
- 1人あたりの値引き額 = 入会金の割引 + 割り引いた月会費の差額 × 月数
- 値引き分を取り戻す月数 = 1人あたりの値引き額 ÷(月会費 − 会員1人あたりの変動費)
入会金の無料と初月半額で、値引きを何か月で取り戻せるかを比べます(数字はいずれも計算のための例)。
- 入会金5,000円を無料にする
- 初月の会費8,000円を半額にする
- 月会費8,000円、会員1人あたりの変動費は1,000円
| 案 | 1人あたりの値引き | 取り戻すまで |
|---|---|---|
| 入会金無料+初月半額 | 9,000円 | 9,000円 ÷ 7,000円 ≒ 1.3か月 |
| 3か月半額 | 17,000円 | 約2.4か月 |
キャンペーンで入った人の退会が早い店ほど、値引きを小さくして特典で補う形が向いています。
- 最初の4週間の通い方シート
- マシンの使い方の個別説明
- 2週目・4週目の声かけ
- 友人と一緒に体験できる日
- キャンペーン期間の体験数・入会数
- 入会3か月後に残っている人の割合
- 1人あたりの値引き額
- 紹介で入った人の数
キャンペーンで新規が増えた場合と、退会が減った場合で、1年目の利益がどう変わるかを比べられます。会員数・月会費・月の新規入会・退会率を入れて、打ち手ごとの効果を確かめてください。
収益改善シミュレーションを無料で使うキャンペーンの告知と、終わった後の振り返り
告知では、対象者・期間・条件・特典の中身・終了後の料金を、同じ画面か同じ紙の中に書きます。条件を小さな文字で別の場所に書くと、実際より有利に見える表示と受け取られるおそれがあります。
| 告知に書くこと | 書き方の例 |
|---|---|
| 期間 | 「〇月〇日〜〇月〇日の入会手続きまで」 |
| 対象者 | 「初めてご入会の方。過去〇か月以内に退会した方は除く」 |
| 特典の中身 | 「マシンの使い方の個別説明(30分)を2回」 |
| 終了後の料金 | 「翌月からは月会費〇円(税込)」 |
| 解約の条件 | 「最低利用期間なし。解約は前月〇日までに手続き」 |
価格は消費税を含めた総額で表示します(国税庁 タックスアンサー No.6902、2026年10月23日確認)。終わった後は、キャンペーンで入った人と通常の時期に入った人で、3か月後に残っている割合を比べます。ここで差が大きければ、次回は値引きを小さくするか、特典の中身を変えます。
よくある質問
ジムのキャンペーンはどれくらいの頻度で行えばよいですか?
決まりはありませんが、いつも「今だけ」のキャンペーンをしていると、期限の意味が薄れ、表示の仕方によっては実際より有利に見せていると受け取られるおそれもあります。季節の節目に合わせて年に数回、期間と中身を変えて行うと、効果も比べやすくなります。
入会金無料は効果がありますか?
入会のハードルは下がりますが、効果は店ごとに違います。上の式で1人あたりの値引き額と取り戻す月数を出し、キャンペーンで入った人が3か月後に何割残っているかで判断します。
プレゼントをつけるときの上限はいくらですか?
入会者全員に渡す総付景品なら、取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2が限度です(消費者庁、2026年10月23日確認)。取引価額の考え方は運用基準で確認してください。
オープン前のキャンペーンでも同じルールですか?
景品の上限や表示のルールは同じように考えます。オープン前は「通常価格」で販売した実績がないため、二重価格の形は避け、キャンペーン価格と期間をはっきり書きましょう。
出典
- 消費者庁「景品規制の概要」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(2026年10月23日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.6902「総額表示」の義務付け(2026年10月23日確認)
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