【景品の上限表つき】ジムの景品表示法|入会キャンペーンと写真広告
ジムの広告で景品表示法に注意するのは、主に「実際より良く見せる表示(優良誤認)」「実際より得に見せる表示(有利誤認)」「ステルスマーケティング」「入会特典の景品の上限」の4つです。消費者庁の令和6年度の運用状況(2026年10月23日確認)には、フィットネスジムの提供役務に関する措置命令が2件、パーソナルジムの入会金の表示に関する確約計画の認定が1件あります。ビフォーアフター写真や「期間限定」の入会キャンペーンは、根拠と事実に合った書き方にしてください。
入会特典の景品の上限(総付景品・懸賞)
| 提供のしかた | 取引価額 | 景品の上限 |
|---|---|---|
| 総付景品(入会者全員・先着順) | 1,000円未満 | 200円 |
| 総付景品(入会者全員・先着順) | 1,000円以上 | 取引価額の10分の2 |
| 一般懸賞(抽選など) | 5,000円未満 | 取引価額の20倍(総額は売上予定総額の2%) |
| 一般懸賞(抽選など) | 5,000円以上 | 10万円(総額は売上予定総額の2%) |
ジムの広告で問題になる不当表示
景品表示法は、商品・サービスの内容や取引条件について、実際よりも著しく良い・得だと消費者に誤認させる表示を禁止しています。消費者庁「表示規制の概要」(2026年10月23日確認)をもとに、ジムの広告に当てはめると次のようになります。
| 種類 | ジムの広告で起こりやすい例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 優良誤認(第5条第1号) | 「2か月で全員−10kg」など、結果を約束するような表示 | 効果の表示に合理的な根拠があるか |
| 優良誤認 | 「最新マシン完備」「トレーナー全員有資格」が事実と違う | 店舗ごとの実態と合っているか |
| 有利誤認(第5条第2号) | 「今月だけ入会金0円」が毎月続いている | 期限が本当に期限になっているか |
| 有利誤認 | 「月額○円〜」の下に、必須のオプション料金が小さく書かれている | 総額や条件がわかりやすいか |
| 指定告示(第5条第3号) | 広告であることを隠した口コミ・SNS投稿 | ステルスマーケティングに当たらないか |
効果をうたう表示には、不実証広告規制もかかります。消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、出せない場合や根拠と認められない場合は、措置命令との関係では不当表示とみなされます(第7条第2項)。「痩せる」「筋肉がつく」といった効果の表示をするなら、その根拠を先に用意しておきます。
入会キャンペーンの「期間限定」に注意
消費者庁の令和6年度の運用状況報告には、パーソナルジムの入会金の表示について確約計画を認定した事案が載っています。自社サイトで「表示された期限までに無料体験を受け、当日入会した場合に限り、通常50,000円の入会金が値引きされる」かのように表示していたのに、実際には期限後でも無料体験の当日に入会すれば値引きされていた疑いがあった、というものです。確約計画には、同じ行為をしないことの取締役会での決議、一般消費者への周知、再発防止、期間中の入会者への入会金の一部の返金などが含まれていました。
この事案からわかるのは、「期限」や「通常価格」を書くなら、その表示どおりに運用しなければならないということです。
- 期限を書いたら、期限が過ぎたら本当に条件を戻す
- 「通常○円」は、実際にその価格で販売していた実績がある価格にする
- キャンペーンを延長するなら、延長することを明示する
- 「先着○名」なら、本当に人数で締め切る
- 適用条件(同日入会・口座振替・最低利用期間など)は、特典と同じ見やすさで書く
なお、2024年10月施行の改正景品表示法で確約手続きが新しく設けられ、事業者が是正の計画を申請して認定されると、措置命令や課徴金納付命令の対象にならない仕組みができました(消費者庁の運用状況報告で確認)。
ビフォーアフター・体験談・口コミの載せ方
パーソナルジムやダイエット系のジムでは、ビフォーアフター写真や体験談が広告の中心になりがちです。写真や体験談は「誰でも同じ結果になる」と受け取られやすいため、次の点を確かめます。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 本人の同意を書面でもらったか | 肖像・個人情報の扱いと、後の削除依頼への対応 |
| 期間・回数・食事の内容など条件を書いたか | 結果が出た前提を隠すと、実際より良く見せる表示になりうる |
| 写真の加工・撮影条件をそろえたか | 照明・角度・加工で差を大きく見せない |
| 一部の良い例だけを並べていないか | 平均的な結果と大きく違う例だけだと誤認につながる |
| 口コミの投稿を依頼・謝礼していないか | 依頼した投稿は、広告であることを明示しないとステマに当たりうる |
消費者庁は、2023年10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反になったことを案内しています(2026年10月23日確認)。会員やインフルエンサーに投稿を頼むときは、「PR」「広告」など、ジムの広告であることがわかる表示を入れてもらいます。
開業時のチラシ・Webサイト・SNS広告は、表示のルールを確かめてから出すと安心です。広告づくりを含めた開業準備を、チェックリストで一覧にしておきましょう。
開業準備チェックリストを無料で使う入会特典・紹介特典の景品の上限
入会者全員にプロテインやウェアを配る、紹介してくれた会員に特典を渡す、といった景品にも上限があります。消費者庁「景品規制の概要」では、懸賞によらず全員や先着順に渡す景品は「総付景品」と呼ばれ、取引価額が1,000円以上なら取引価額の10分の2までとされています。
計算の例です(前提を置いた例です。取引価額の考え方は告示・運用基準で確かめてください)。
- 入会時に支払う額を取引価額として20,000円と考える場合:20,000円 × 10分の2 = 4,000円までの景品
- 抽選で当たる景品(一般懸賞)は、取引価額5,000円以上なら最高10万円、総額は懸賞に係る売上予定総額の2%まで
値引きや入会金の免除そのものは、景品類に当たらない場合があります。どれが景品に当たるかの判断は、消費者庁の「景品類等の指定の告示の運用基準」で確かめるか、消費者庁・都道府県の相談窓口に問い合わせてください。
よくある質問
「地域で一番」と広告に書いてもよいですか?
比較の対象・期間・調査の方法などの根拠がないまま「一番」とうたうと、実際より優れていると誤認させる表示になるおそれがあります。根拠のない最上級の表現は避け、事実を具体的に書きます。
入会金0円キャンペーンをずっと続けてもよいですか?
続けること自体は問題ありませんが、「今月だけ」「期間限定」と書きながら続けると、取引条件を実際より得に見せる表示になるおそれがあります。期限を書かないか、書いた期限を守ります。
会員の口コミをWebサイトに載せてもよいですか?
会員の自発的な口コミを本人の同意を得て載せることはできます。ただし、良い口コミだけを選んで載せる、謝礼を渡して書いてもらう場合は、誤認やステルスマーケティングにならないよう表示に気をつけてください。
景品表示法に違反するとどうなりますか?
消費者庁や都道府県から、違反の取りやめ・再発防止・消費者への周知などを命じる措置命令が出されることがあり、内容によっては課徴金の対象にもなります。迷う表示は、出す前に弁護士や消費者庁の相談窓口に確認してください。
出典
- 消費者庁「表示規制の概要」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「景品規制の概要」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「令和6年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組」(2026年10月23日確認)
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