【物販POPの言い換え例】ジムの広告と薬機法|プロテイン販売の注意
ジムの広告や物販で薬機法に注意するのは、プロテインやサプリメントなど食品に「病気が良くなる」「疲労回復」のような医薬品的な効能効果を書いてしまう場面です。厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」(2026年10月23日確認)では、食品でも医薬品的な効能効果を表示すると原則として医薬品とみなされ、無承認の医薬品の広告として問題になります。食品の健康効果の表示は健康増進法第65条でも誇大表示が禁止されています。トレーニングの効果の表示は景品表示法の対象になるため、3つの法律を分けて確かめます。
ジムの表示と、関係する法律
| 表示するもの | 主に関係する法律 | 注意する表現 |
|---|---|---|
| 販売するプロテイン・サプリ | 薬機法・健康増進法・景品表示法 | 病気・体の機能を高める効能効果 |
| 販売する化粧品・ボディクリーム | 薬機法 | 認められた効能の範囲を超える表現 |
| 運動指導・コース | 景品表示法 | 根拠のない効果・結果の約束 |
| 施設に置く機器(EMSなど) | 薬機法(医療機器に当たる場合) | 医療機器としての効能の表示 |
薬機法・健康増進法・景品表示法の役割の違い
ジムの広告には複数の法律がかかります。どの法律がどこを見ているかを分けて考えると、チェックしやすくなります(条文はe-Gov法令検索で2026年10月23日確認)。
| 法律 | 対象 | 主な決まり |
|---|---|---|
| 薬機法 第66条 | 医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器など | 名称・効能・効果・性能について、明示・暗示を問わず虚偽・誇大な広告をしない。医師などが保証したと誤解させる広告も同じ扱い |
| 薬機法 第68条 | 承認・認証を受けていない医薬品・医療機器 | 名称・効能・効果・性能の広告をしない |
| 健康増進法 第65条 | 食品として販売する物 | 健康の保持増進の効果などについて、著しく事実に相違する表示・著しく人を誤認させる表示をしない |
| 景品表示法 第5条 | 商品・サービス全般 | 実際より著しく良い・得だと誤認させる表示をしない |
薬機法第66条・第68条と健康増進法第65条は「何人も」と書かれており、製造したメーカーだけでなく、商品を売るジムや広告を作る人も対象になります。メーカーの説明文をそのまま使う場合も、自分の広告としての責任があると考えて確かめてください。
プロテイン・サプリの物販で避ける表現
厚生労働省の「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」では、容器・包装・チラシ・インターネットの広告や口頭の説明で次のような効能効果を示すと、医薬品的な効能効果を標ぼうしているとみなすとしています。
| 基準の区分 | 基準に挙げられている例(抜粋) | ジムの売り場で言いがちな形 |
|---|---|---|
| 疾病の治療・予防 | 糖尿病・高血圧・動脈硬化の人に、便秘がなおる 等 | 「血圧が気になる方の改善に」 |
| 身体の組織機能の一般的な増強・増進 | 疲労回復、体力増強、食欲増進、老化防止、新陳代謝を盛んにする 等 | 「トレーニング後の疲労回復に効く」 |
| 名称・キャッチフレーズでの暗示 | 延命○○、不老長寿 など | 商品名やPOPで効き目を連想させる言葉 |
| 医師・学者の談話・経験談での暗示 | 医学博士の談話を引用して効き目を示す | 「医師もすすめる」「飲んで体調が良くなった会員の声」 |
同じ基準は、栄養補給・健康維持に関する表現はこの限りでないとしています。また、栄養機能食品が基準に従って栄養成分の機能を表示する場合は、医薬品的な効能効果と判断しないとしています。プロテインなら「たんぱく質を手軽に補給」「食事でとりにくいたんぱく質を補う」のように、栄養補給として説明するのが基本です。
物販やチラシを始める前に、表示のルールを開業準備の項目に入れておくと安心です。広告づくりを含めた開業までのやることを一覧で確かめましょう。
開業準備チェックリストを無料で使うジムの広告・SNSで気をつける場面
物販だけでなく、運動指導の広告やSNSの投稿でも、言い方次第で問題になることがあります。消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定、2026年10月23日確認)は、表示は全体から個別に判断されるとしています。
- 運動の効果:「腰痛が良くなる」「病気を防ぐ」など病気に関わる表現は避ける。医療・リハビリと誤解される表現にしない
- トレーニングとサプリのセット:運動の成果をサプリの効果のように見せない
- 会員の体験談:「このサプリで体調が良くなった」などの声は、医薬品的な効能効果の暗示になりうる
- トレーナーのSNS:ジムの商品を紹介するなら広告であることを示し、効能効果の表現はジムの広告と同じルールで確かめる
- 機器:EMSなど医療機器に当たる製品を使う場合、承認された範囲を超える効果を書かない。医療機器かどうかはメーカーに確かめる
医療行為や保険診療と誤解されるサービス表現は、医師法などの別の法律の問題にもなりえます。リハビリや治療に近いサービスを広告する場合は、所轄の保健所や弁護士に確認してください。
広告を出す前のチェック手順
- 表示するものが「食品」「化粧品」「医療機器」「サービス」のどれかを分ける
- 食品・化粧品は、メーカーの表示(栄養成分・機能性表示の届出内容など)の範囲を超えていないか確かめる
- 病気の名前、体の機能を高める言い方、医師の推薦の形がないかを読み直す
- 効果の表示には根拠の資料をそろえ、根拠の範囲で書く
- 迷う表現は削るか、都道府県の薬務担当・消費者庁・弁護士に相談する
よくある質問
プロテインに「筋肉がつく」と書いてもよいですか?
プロテインは一般に食品です。筋肉の量を増やす効果をうたうと、体の機能を高める表示として医薬品的な効能効果や誇大表示の問題になるおそれがあります。たんぱく質の補給として説明し、成分は商品の表示どおりに書くのが安全です。
ジムが売る商品でも薬機法の対象になりますか?
なります。薬機法第66条・第68条や健康増進法第65条は「何人も」として、広告をするすべての人を対象にしています。メーカーの説明文を使う場合も、内容を確かめてから載せてください。
機能性表示食品なら効果を自由に書けますか?
自由には書けません。届け出た機能の範囲で表示する必要があり、範囲を超える表現は問題になります。届出の内容は消費者庁の届出情報や商品の表示で確かめてください。
違反するとどうなりますか?
薬機法の違反は行政の指導や処分、罰則の対象になりえます。健康増進法・景品表示法も、勧告や措置命令などの対象になります。迷う表現は出す前に専門家に確認してください。
出典
- e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」第66条・第68条(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「健康増進法」第65条(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」別紙「医薬品の範囲に関する基準」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「健康増進法(誇大表示の禁止)」・健康食品に関する留意事項(2026年10月23日確認)
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