【導入の判断チャート】ジムの本人確認にeKYCは必要?仕組みと選び方
ジムの本人確認をeKYCで行うと、入会したい人がスマホで身分証と自分の顔を撮るなどして、来店しないまま本人であることを確かめられます。ジムは犯罪収益移転防止法で本人確認を義務づけられた事業者の一覧に入っていないため、eKYCを使うかどうかは店の判断です。無人で初回から入館させたい、なりすましや未払いを減らしたい、といった理由があるときに、費用と入会のしやすさを比べて決めます。
eKYCを入れるかどうかの判断の目安
eKYCとは:オンラインで本人を確かめる3つの方式
eKYCは、インターネット上で本人確認を終える仕組みの呼び名です。ジムで使われうる方式は大きく3つあります。どれも「身分証が本物か」と「申し込んだ人が身分証の本人か」の2点を確かめようとするものです。
| 方式 | しくみ | 入会する人の手間 |
|---|---|---|
| 身分証の撮影+顔の撮影 | 運転免許証などを撮影し、その場で撮った顔の写真や動画と見比べる | スマホのカメラで数回撮るだけ。光の反射で撮り直しになることがある |
| ICチップの読み取り+顔の撮影 | 身分証のICチップの情報をスマホで読み、顔の撮影と見比べる | 読み取りに対応したスマホと、暗証番号の入力が必要 |
| マイナンバーカードの公的個人認証(JPKI) | カードのICチップの電子証明書で、オンラインで本人を確かめる | カードをスマホで読み、暗証番号を入れる |
デジタル庁の案内(2026年10月23日確認)によると、公的個人認証サービスはマイナンバーカードのICチップの電子証明書を使う仕組みで、マイナンバー(個人番号)そのものは使いません。署名用電子証明書には住所・氏名・生年月日・性別の4情報が記録されていて、入力の手間を減らせるとされています。民間で利用している事業者は1,431社(2026年9月30日時点)です。
ジムに本人確認の義務はある?法律との関係
銀行口座の開設などでeKYCが広がったのは、犯罪収益移転防止法で本人確認が義務づけられているためです。同法第2条第2項の「特定事業者」の一覧(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)は、金融機関・クレジットカード事業者・宅地建物取引業者・弁護士などで、フィットネスクラブやジムは含まれていません。ジムのeKYCは、法律の義務ではなく、店の安全や運営のために自分で選ぶものです。
そのぶん、集めた情報の扱いは店の責任になります。特に顔の画像から作る特徴のデータは注意が必要です。
| 集める情報 | 法律での扱い(2026年10月23日確認) | 店で決めること |
|---|---|---|
| 身分証の画像 | 氏名・生年月日などで本人がわかるので個人情報(個人情報保護法第2条第1項) | 保存するか、確認後に消すか。保存するなら期間 |
| 顔の特徴のデータ | 体の特徴をコンピューターで使う形に変えた符号は「個人識別符号」に当たりうる(同法第2条第2項) | eKYCの会社が持つのか店が持つのか。入館の顔認証に使い回すか |
| 確認の結果 | 会員の情報と結びつくので個人情報 | 結果だけを会員管理システムに残す |
利用目的は入会の画面で示し(同法第21条)、eKYCの会社に処理を任せる場合は、委託先として安全に扱われているかを確かめます(同法第25条)。規約やプライバシーポリシーの文面は弁護士に確認してください。
導入の判断:費用・入会率・運用で比べる
eKYCは便利な一方で、入会画面が長くなり、途中でやめる人が出ることがあります。導入するかは、得られる安心と失うものを比べて決めます。
- 来店なしで本人を確かめられる
- なりすましや名義の貸し借りを防ぎやすい
- 未払いのときに本人へ連絡しやすい
- 無人の店でも初回から入館させやすい
- 1件ごとや月ごとの利用料
- 入会画面の手順が増え、途中でやめる人が出る
- 撮影がうまくいかない人へのサポート
- 顔や身分証の情報の管理の責任
料金の形は、1件ごとの従量課金、月額の固定、会員管理システムのオプションなど、会社によって違います。公的個人認証を使う場合、自社で国の認定を受ける「プラットフォーム事業者」になる方法と、認定を受けた事業者に確認を任せる「サービスプロバイダ事業者」になる方法があり、デジタル庁の案内では、認定の取得までに6か月から1年程度かかるとされています。小さなジムは、eKYCの会社や会員管理システムの機能を使う形が現実的です。
本人確認やオンライン入会に対応した会員管理システムを、20サービスの公開情報で比べられます。無人運営と組み合わせる場合の連携も確かめられます。
運営システム比較を無料で使うよくある質問
ジムの入会に本人確認は必要ですか?
法律で一律に義務づけられてはいませんが、未払い・なりすまし・事故のときの連絡のために、多くの店が身分証を確かめています。方法は店頭・画像の提出・eKYCから選べます。
eKYCで撮った身分証の画像はずっと保存すべきですか?
必要な期間を決めて、それを過ぎたら消すのが基本です。保存期間と理由を規約やプライバシーポリシーに書き、eKYCの会社側の保存期間も契約で確かめます。
eKYCの顔データを入館の顔認証に使えますか?
技術的にできる仕組みもありますが、本人確認と入館では目的が違います。使い回すなら、その目的を入会のときに示して同意を取り、使うサービスの対応も確かめてください。
マイナンバーカードを持っていない人はどうしますか?
運転免許証など別の身分証で確かめる方式を用意するか、初回来館のときに店頭で確かめる道を残しておきます。方式を1つに絞ると、入会できない人が出ます。
出典
- デジタル庁「公的個人認証サービス(JPKI)」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「犯罪による収益の移転防止に関する法律」第2条(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」第2条・第21条・第25条(2026年10月23日確認)
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