【書面で示す5項目】ジムの雇用契約書と労働条件通知書の作り方
ジムでスタッフを雇うときの雇用契約書は、労働基準法第15条で義務になっている「労働条件の明示」を、労働条件通知書などの書面で行うことが土台になります。契約期間・働く場所と仕事の内容(変更の範囲を含む)・勤務時間と休日・賃金・退職の5つは書面で示す必要があり、2024年4月からは変更の範囲や更新上限なども加わりました(厚生労働省で2026年10月23日確認)。アルバイトなど短時間・有期で雇う人には、昇給・賞与・退職手当の有無や、待遇の違いの説明を求められることなども文書で示します。
雇い入れの日までに渡すもの
雇用契約書と労働条件通知書の違い
法律が求めているのは「労働条件を明示すること」で、雇用契約書という名前の書類そのものではありません。労働条件通知書は会社から働く人へ条件を知らせる書類、雇用契約書は双方が合意したことを示す書類です。ジムでは、両方を1枚にまとめた「労働条件通知書兼雇用契約書」を使うことがよくあります。
| 書類 | 役割 | 決まり |
|---|---|---|
| 労働条件通知書 | 会社が条件を知らせる | 書面で示す事項は法律で決まっている(本人が希望すればメール等も可) |
| 雇用契約書 | 双方の合意を残す | 作成は任意だが、言った・言わないを防げる |
| 就業規則 | 職場全体のルール | 常時10人以上の労働者を使う場合は作成・届出が必要(労働基準法第89条) |
明示した条件が事実と違う場合、働く人はすぐに契約を解除できます(労働基準法第15条第2項)。求人票で示した条件と、実際の通知書の条件をそろえておくことも大切です。
書面で示す事項と、ジムで決めておくこと
労働基準法施行規則第5条(e-Gov法令検索で2026年10月23日確認)が明示を求める事項のうち、主なものと、ジムの働き方に合わせて書いておきたい中身を並べました。
| 明示する事項 | 書面が必要か | ジムで書いておきたい中身 |
|---|---|---|
| 契約期間・更新の基準(更新上限を含む) | 必要 | アルバイトの期間、更新するかの判断基準、通算期間や回数の上限 |
| 働く場所・仕事の内容(変更の範囲を含む) | 必要 | 受付・指導・清掃のどこまでか。他店舗への異動がありうるか |
| 始業・終業・休憩・休日・残業の有無・交替制 | 必要 | 早朝・深夜のシフト、休日の決め方 |
| 賃金の決め方・計算・支払い方法・締め日と支払日 | 必要(昇給は除く) | 時給・月給、深夜手当、レッスン手当の計算 |
| 退職(解雇の事由を含む) | 必要 | 退職の申し出の時期、解雇の事由 |
| 昇給・賞与・退職手当・安全衛生・研修・休職など | 定めがあれば明示 | 資格取得の支援、器具の安全講習 |
2024年4月からは、働く場所と仕事の「変更の範囲」、有期契約の更新上限、無期転換を申し込める機会と転換後の条件の明示が加わりました。厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー」では、令和8年(2026年)10月1日以降に使うモデル労働条件通知書が掲載されています(2026年10月23日確認)。古い様式を使い続けていないか確かめてください。
スタッフを雇う前には、契約書のほか、労働保険・社会保険の手続きや就業規則の準備も必要です。開業までにやることを一覧で確かめ、採用の準備を漏れなく進めましょう。
開業準備チェックリストを無料で使うアルバイト・パートを雇うときに足すこと
ジムは早朝・夜間・土日の受付や清掃をアルバイトに任せることが多い業態です。短時間・有期雇用労働法(パートタイム・有期雇用労働法)第6条と同施行規則第2条(2026年10月23日確認)により、短時間・有期で雇う人には、上の事項に加えて次のことを文書などで示します。
- 昇給の有無
- 退職手当の有無
- 賞与の有無
- 通常の労働者との待遇の違いの内容・理由について説明を求めることができる旨(同法第14条第2項)
- 雇用管理の改善などに関する相談窓口
説明を求めたことを理由に、解雇などの不利益な扱いをしてはいけません(同法第14条第3項)。相談窓口は「店長」「本部の人事担当」など、働く人が誰に言えばよいかわかる形で書きます。
あわせて、試用期間の長さと本採用の判断基準、シフトの決め方と希望の出し方、制服や器具の貸与と返却、会員の個人情報を外に出さないことも、契約書か就業規則で決めておくと運営が安定します。
よくある質問
アルバイトにも雇用契約書は必要ですか?
雇用契約書の作成は任意ですが、労働条件の明示はアルバイトにも必要です。短時間・有期で雇う場合は、昇給・賞与・退職手当の有無なども文書などで示します。
労働条件通知書はメールで送ってもよいですか?
書面で示す事項は、本人が希望した場合に限り、メールなどで送ることができます。本人が出力して書面にできる方法に限られます(労働基準法施行規則第5条)。
業務委託のトレーナーにも労働条件通知書は要りますか?
業務委託は雇用ではないため、労働条件通知書ではなく、フリーランス法による取引条件の明示が必要になります。ただし、働き方の実態が雇用に近いと労働者と判断されることがあるため、契約の形と運用を合わせてください。
雇用契約書はいつまで保管しますか?
労働基準法第109条は、労働者名簿・賃金台帳や雇入れなど労働関係の重要な書類を5年間保存することを求めています。経過措置などの扱いもあるため、社会保険労務士に確認してください。
出典
- e-Gov法令検索「労働基準法」第15条・第89条・第109条(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第5条(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー」モデル労働条件通知書(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」第6条・第14条(2026年10月23日確認)
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