【期限10日・50日】ジムの労災保険・雇用保険|スタッフを雇ったら
ジムで労働者を1人でも雇うと、労災保険の保険関係は法律上当然に成立し、雇用保険も加入要件を満たす人がいれば手続きが必要です。兵庫労働局の案内(2026年10月23日確認)では、保険関係成立届は成立した日から10日以内に労働基準監督署へ、概算保険料申告書は50日以内に、雇用保険適用事業所設置届は設置の翌日から10日以内にハローワークへ出します。令和8年度の雇用保険料率は一般の事業で合計13.5/1,000(労働者5/1,000・事業主8.5/1,000)です。
初めてスタッフを雇ったときの労働保険の手続き
| 何を | いつまでに | どこに |
|---|---|---|
| 労働保険 保険関係成立届 | 保険関係が成立した日から10日以内 | 労働基準監督署 |
| 概算保険料申告書(と納付) | 保険関係が成立した日から50日以内 | 労働基準監督署・労働局・金融機関など |
| 雇用保険 適用事業所設置届 | 設置した日の翌日から10日以内 | ハローワーク |
| 雇用保険 被保険者資格取得届 | 被保険者になった日の翌月10日まで | ハローワーク |
労働保険とは:労災保険と雇用保険
労働保険は、労災保険(仕事中・通勤中のけがや病気に備える)と雇用保険(失業や育児休業などに備える)をまとめた呼び名です。ジムのように一般の事業は、2つをまとめて手続きする「一元適用事業」として扱われます。
| 比べること | 労災保険 | 雇用保険 |
|---|---|---|
| 対象になる人 | アルバイト・パートを含めて雇う人すべて | 週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇う見込みがある人 |
| 保険料を払う人 | 事業主だけ | 事業主と労働者 |
| 令和8年度の率の例 | 「その他の各種事業」は3/1,000 | 一般の事業で13.5/1,000 |
| 主な窓口 | 労働基準監督署 | ハローワーク |
雇用保険の要件は、厚生労働省の「雇用保険制度Q&A~事業主の皆様へ」(2026年10月23日確認)に示されています。なお、雇用保険法の改正で、2028年(令和10年)10月1日から週の所定労働時間の要件が「20時間以上」から「10時間以上」に変わる予定です(厚生労働省の資料で確認)。週10〜20時間のアルバイトが多いジムは、今から準備しておくと慌てません。
保険料の計算:ジムの例で見る
労働保険料は、その年度(4月〜翌年3月)に払う賃金の総額の見込みに保険料率をかけて先に払い(概算保険料)、年度が終わってから実際の賃金で精算します(確定保険料)。毎年の「年度更新」で、前年度の精算と今年度の概算をまとめて申告します。時期は労働局の案内で確認してください。
労災保険率は事業の種類ごとに決まっています。厚生労働省の「労災保険率適用事業細目表」では、「その他の各種事業」の中に「劇場、遊戯場その他の娯楽の事業」「教育業」などがあり、令和8年度の率は3/1,000です(令和7年度と同じ、2026年10月23日確認)。ジムがどの細目に当たるかは事業の内容で決まるため、労働基準監督署で確かめてください。
次の表は、計算の仕方を示すための例です(数字は前提を置いた例です)。
| 前提(例) | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 年間の賃金総額の見込み | スタッフ3人の合計 | 600万円 |
| 労災保険料(全額事業主) | 600万円 × 3/1,000 | 18,000円 |
| 雇用保険料(事業主分) | 600万円 × 8.5/1,000 | 51,000円 |
| 雇用保険料(労働者分) | 600万円 × 5/1,000(給与から控除) | 30,000円 |
雇用保険の対象にならない人の賃金は、雇用保険料の計算には入れません。実際の計算は、労働局の案内や社会保険労務士で確かめてください。概算保険料が40万円以上などの条件を満たすと、分割して払う「延納」もできます。
ジムで迷いやすいケース
ジムは働き方がさまざまで、誰が対象になるかで迷うことがよくあります。代表的なケースを整理しました。最終的な判断は労働基準監督署・ハローワーク・社会保険労務士に確認してください。
| ケース | 労災保険 | 雇用保険 |
|---|---|---|
| 週3日・1日4時間の受付アルバイト(週12時間) | 対象 | 現在は対象外(2028年10月以降は要件の変更に注意) |
| 週5日・1日5時間の清掃スタッフ(週25時間) | 対象 | 31日以上雇う見込みがあれば対象 |
| 業務委託のフリーのトレーナー | 原則として対象外(実態が雇用なら対象) | 原則として対象外 |
| 個人事業主のオーナー本人 | 対象外(特別加入の制度を確認) | 対象外 |
| 法人の役員 | 原則対象外 | 原則対象外(労働者としての面が強い場合は確認) |
スタッフを雇う前に、契約書・労働保険・社会保険の手続きを一覧で確かめておくと、期限を逃しにくくなります。開業準備の流れの中で採用の手続きを確認しましょう。
開業準備チェックリストを無料で使う手続きの順番と、やり忘れたとき
一元適用事業の場合は、先に労働基準監督署で保険関係成立届を出し、その控えを持ってハローワークで雇用保険の手続きをするのが一般的な順番です。電子申請(e-Gov)でも手続きできます。
- 雇用契約を結ぶ(労働条件通知書を渡す)
- 労働基準監督署に保険関係成立届を出す(10日以内)
- 概算保険料申告書を出して納付する(50日以内)
- ハローワークに適用事業所設置届を出す(翌日から10日以内)
- 対象者ごとに被保険者資格取得届を出す(翌月10日まで)
手続きを忘れていても、雇った時点で労災保険の保険関係は成立しています。気づいた時点で早めに労働基準監督署に相談してください。期間をさかのぼって保険料を納めることになる場合があります。
よくある質問
アルバイト1人だけでも労災保険に入る必要がありますか?
はい。兵庫労働局の案内では、労働者を雇用すると法律上当然に労働保険が適用される(保険関係が成立する)とされています。アルバイト・パートも含まれます。
ジムの労災保険率はいくらですか?
事業の種類によって決まります。労災保険率適用事業細目表の「その他の各種事業」に当たる場合、令和8年度の率は3/1,000です。どの区分に当たるかは労働基準監督署で確認してください。
雇用保険料は給与から引いてよいですか?
労働者負担分(令和8年度の一般の事業で5/1,000)は、毎月の給与から控除します。事業主負担分は事業主が払います。
オーナー自身は労災保険に入れますか?
事業主は原則として労働者ではないため対象外ですが、中小事業主などが入れる特別加入の制度があります。要件は労働基準監督署・労働保険事務組合で確認してください。
出典
- 兵庫労働局「労働者を雇用したとき(労働保険)」(2026年10月23日確認)
- 山形労働局「令和8年度の雇用保険料率について」(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「令和8年度の労災保険率について」(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「労災保険率適用事業細目表」(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「雇用保険制度Q&A~事業主の皆様へ」(2026年10月23日確認)
- 厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律」の概要(適用拡大は2028年10月1日施行)(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」第33条(特別加入)(2026年10月23日確認)
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