【平均2割・調査データつき】ジム開業の自己資金はいくら必要か
ジム開業の自己資金は、必要な資金の総額の2割前後をひとつの目安にして計画を立てると考えやすくなります。日本政策金融公庫は、自己資金は重要な要素のひとつだが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが大事だとしたうえで、融資先の調査では創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度と案内しています(2026年10月23日確認)。たとえばジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)の24時間ジム30坪の初期費用2,370万円なら、2割は474万円です(計算の例)。金額だけでなく、どう貯めたかを説明できることも大切です。
開業時の資金調達の平均(2025年度新規開業実態調査)
自己資金はいくら必要か:「2割程度」の意味
日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2026年10月23日確認)では、開業時の資金調達額の平均は1,219万円で、そのうち自己資金は平均279万円(22.9%)、金融機関等からの借り入れは平均827万円(67.9%)でした。公庫の創業のQ&Aにある「平均で2割程度」はこの調査をもとにした目安で、融資の条件として決められた割合ではありません。
| 調査年度 | 自己資金の平均 | 調達額合計の平均 | 自己資金の割合 |
|---|---|---|---|
| 2019年度 | 262万円 | 1,237万円 | 21.2% |
| 2020年度 | 266万円 | 1,194万円 | 22.3% |
| 2021年度 | 282万円 | 1,177万円 | 24.0% |
| 2022年度 | 271万円 | 1,274万円 | 21.3% |
| 2023年度 | 280万円 | 1,180万円 | 23.7% |
| 2024年度 | 293万円 | 1,197万円 | 24.5% |
| 2025年度 | 279万円 | 1,219万円 | 22.9% |
割合は図-14の値からFITPEAK Businessが計算したもの(小数第2位を四捨五入)です。年によって多少動きますが、2割強のあたりで推移しています。なお、公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の制度ページ(2026年10月23日確認)には、自己資金の割合についての要件は書かれていません。ほかの金融機関や自治体の制度融資では条件が違うことがあるので、使う制度ごとに公式で確かめてください。
ジムの場合に当てはめる:業態ごとの計算例
ジムは内装や設備にお金がかかり、調査の平均より総額が大きくなりやすい業態です。総額が大きいほど、同じ2割でも用意する金額は大きくなります。下の表は、ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)の初期費用に2割を掛けた計算の例です。運転資金は試算モデルの初期費用に入っていないため、実際の総額はこれより大きくなります。
| 開業モデル | 初期費用 | 2割の計算例 |
|---|---|---|
| パーソナルジム 15坪・マシン4台 | 1,305万円 | 261万円 |
| 24時間ジム 30坪・マシン13台 | 2,370万円 | 474万円 |
| ファンクショナル 60坪・マシン14台 | 3,035万円 | 607万円 |
| 総合ジム 120坪・マシン43台 | 6,237万円 | 1,247.4万円 |
- 必要な資金の総額 = 初期費用 + 運転資金
- 自己資金の計算例 = 必要な資金の総額 × 0.2
- 借りる額の見込み = 必要な資金の総額 − 自己資金 − 親族などからの資金
例として、24時間ジム30坪の初期費用2,370万円に運転資金を400万円足すと総額2,770万円で、その2割は554万円です(運転資金の額は計算のための例)。手元のお金がこれに届かない場合は、総額を小さくする(居抜き物件、マシンのリース、小さい業態から始める)か、貯める期間をとるかを考えます。
坪数・家賃・マシンの台数を入れると、初期費用と月の費用が自分の条件で計算できます。出てきた初期費用に運転資金を足して、自己資金をいくら用意すればよいかの目安を出しましょう。
開業費用・収支シミュレーションを無料で使う貯め方と見せ方:融資の面談で説明できるようにする
公庫の創業予定の方向けの手続きの案内(2026年10月23日確認)では、面談のときに事業計画に関連する資料や資産・負債がわかる書類などを準備するよう書かれています。自己資金は金額だけでなく、どのように用意したかを書類で説明できるようにしておきます。
| やること | 中身 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 毎月決まった額を貯める | 給与口座から開業用の口座へ毎月移す | 積み立ての記録が、計画的に準備してきたことの説明になる |
| 出どころを記録する | 退職金・賞与・資産の売却などはいつ入ったかを残す | まとまった入金は、何のお金かを説明できるようにする |
| 親族からのお金を分けて書く | 創業計画書には「自己資金」と「親、兄弟、知人、友人等からの借入」の欄が分かれている | 借りたお金か、もらったお金かをはっきりさせる。贈与は税金の扱いを税理士に確認 |
| すでに払った開業費用を集める | 物件の申込金、研修費など | 領収書を残す。計画書の必要な資金に入れるかを相談時に確かめる |
| 借入の状況を整理する | 創業計画書には住宅・車・カードなどのお借入の状況の欄がある | 返済が多いと、事業の返済に回せる余裕が小さく見える |
自己資金が少なくても、ジムの現場での経験、集客の見込み、物件と見積もりのそろった計画があれば、計画全体で判断してもらえる余地があります。公庫も、自己資金より創業計画全体がしっかりしているかが重要だとしています。数字の根拠を計画書にきちんと書きましょう。
よくある質問
自己資金ゼロでもジムは開業できますか?
公庫の制度ページに自己資金の割合の要件は書かれていませんが、自己資金は重要な要素のひとつとされています(2026年10月23日確認)。審査の結果は計画全体で決まるため、ゼロで申し込む場合は、なぜ準備できないのかと、返済できる根拠を計画書で示す必要があります。
親から援助してもらったお金は自己資金になりますか?
創業計画書では「自己資金」と「親、兄弟、知人、友人等からの借入」が別の欄です。借りたのか、もらったのかで書く欄も税金の扱いも変わるため、相談の場で確かめ、贈与については税理士に確認してください。
自己資金はいつまでに用意すればよいですか?
融資の申し込みの時点で、通帳などで確かめられる状態にしておくのが基本です。物件の契約や内装の着工より前に融資を決める流れになるので、開業の予定日から逆算して準備しましょう。
自己資金を多く入れすぎるのはよくないですか?
手元のお金をすべて初期費用に入れると、開業後の赤字に備える運転資金が足りなくなることがあります。自己資金の一部を手元に残し、運転資金の見込みとあわせて資金計画を立ててください。
出典
- 日本政策金融公庫「Q&A|START 政策金融公庫の創業支援」(2026年10月23日確認)
- 日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2026年10月23日確認)
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月23日確認)
- 日本政策金融公庫「創業予定の方(お手続きの流れ)」(2026年10月23日確認)
- 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(創業計画書)」(2026年10月23日確認)
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
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