【2026年4月改正で40万円未満に】ジムの少額減価償却資産|ダンベル・ベンチの判定
ジムの少額減価償却資産の扱いは、1つあたりの取得価額で3段階に分かれます。10万円未満は使い始めた年に全額を経費にでき、20万円未満は3年で均等に経費にする「一括償却資産」を選べます。さらに青色申告の個人や中小企業者等の法人は、2026年4月1日以後に取得したものなら40万円未満(それより前は30万円未満)まで、年300万円を上限に全額をその年の経費にできる特例があります(国税庁、2026年10月23日確認)。ダンベルやベンチは「通常1単位として取引される単位」で金額を判定するため、買い方と見積書の書き方が大切です。
1つあたりの取得価額と、使える方法
| 取得価額 | 使える方法 | 経費にするタイミング |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 少額の減価償却資産 | 使い始めた年に全額 |
| 10万円以上20万円未満 | 一括償却資産(選択) | 3年で3分の1ずつ |
| 10万円以上40万円未満(2026年4月1日以後取得) | 少額減価償却資産の特例(青色申告・中小企業者等) | 使い始めた年に全額(年300万円まで) |
| 上の金額以上 | 通常の減価償却 | 耐用年数で分けて |
10万円・20万円・40万円の3つの線
減価償却資産は、本来は耐用年数に合わせて何年かに分けて経費にします。ただし金額が小さいものは、手間を減らすために早く経費にできるしくみがあります。国税庁のタックスアンサー No.2100(所得税)・No.5408(法人税)で確かめた内容を、個人と法人に分けて整理します(2026年10月23日確認)。
| しくみ | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|
| 10万円未満・使用可能期間1年未満 | 全額をその年の必要経費 | 損金経理すれば全額を損金 |
| 一括償却資産(20万円未満) | 合計額の3分の1ずつを3年で必要経費 | 合計額を3年で損金 |
| 少額減価償却資産の特例 | 一定の要件を満たす青色申告者。10万円以上40万円未満、合計300万円まで | 青色申告の中小企業者等(常時使用する従業員400人以下など)。40万円未満、合計300万円まで |
| 特例の期限 | 令和11年(2029年)3月31日までに取得して使い始めたもの | |
国税庁 No.5408 では、令和8年度の改正で、2026年4月1日以後に取得したものの基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられ、従業員数の基準は「500人以下」から「400人以下」に引き下げられたと説明されています。開業準備の時期によって、同じ金額のベンチでも扱いが変わることがある点に注意しましょう。
また、いずれのしくみも、2022年4月1日以後に取得して「貸付け」に使うもの(主要な業務として行う貸付けを除く)は対象外です。レンタルジムのように設備を貸すこと自体が本業の場合と、一部の場所を副次的に貸す場合とで扱いが変わるため、税理士に確認してください。
ダンベル・ベンチ・ラックでの判定のしかた
金額は「1個いくら」ではなく、「通常1単位として取引される単位」で判定します。国税庁 No.5403 は、応接セットはテーブルと椅子の1組で、カーテンは部屋ごとの合計で判定する例を示しています(2026年10月23日確認)。ジムの備品に当てはめると、考え方は次のようになります。金額はすべて説明のための例です。
| 買うもの(例) | 判定の単位の考え方 | 確かめること |
|---|---|---|
| ダンベル(1kg刻みのペアを何組も) | ペアごとに使えるなら、通常取引される単位(ペア・セット)で判定 | 見積書がセット一式か、ペアごとの単価か |
| ダンベルとラックのセット | ラックと一体で販売・使用されるなら、セットで判定されることがある | 別々にも買える商品か |
| フラットベンチ・アジャスタブルベンチ | 1台ごとに機能するため、1台の金額で判定 | 配送・組立費を含めた金額 |
| パワーラック+バーベル+プレート | 一体として使う構成なら合計額で判定されやすい | 構成と単体の機能 |
| ヨガマット・チューブなど消耗品 | 使用可能期間が1年未満なら少額の扱い | 交換の頻度の実績 |
取得価額には、本体の代金だけでなく、引取運賃や据付費など、使えるようにするための費用も含まれます(国税庁 No.2100・No.5400)。「ベンチ本体は9万円でも、送料と組立費を足すと10万円を超える」ということも起こります。
消費税を含めるかどうかは経理の方式で変わります。国税庁 No.2100 では、税込経理なら消費税込み、税抜経理なら消費税抜きの金額で判定し、免税事業者は税込経理になるとされています。開業したばかりで免税事業者のジムは、税込の金額で判定すると考えておきましょう。
備品をいつ、どの単位で、いくらで買うかは、開業前の発注で決まります。チェックリストでマシン・備品の発注と、税理士への確認の項目を一緒に管理できます。
開業準備チェックリストを無料で使うどの方法を選ぶか:経費の早さと償却資産税
早く経費にできる方法が、いつも有利とは限りません。開業1年目は売上が小さく赤字になりやすいため、その年に経費を集めても税の効果が小さいことがあります。青色申告なら赤字を翌年以降に繰り越せるため、どの年に経費を出すかを税理士と一緒に考えると無駄がありません。
もう一つの違いが、市区町村(東京23区は都)が課税する固定資産税(償却資産)です。東京都主税局の案内(2026年10月23日確認)では、申告の対象と対象外が次のように説明されています。
| 処理の方法 | 固定資産税(償却資産)の申告 |
|---|---|
| 10万円未満で一時に経費(損金)にしたもの | 対象外 |
| 20万円未満で3年の一括償却をしたもの | 対象外 |
| 中小企業者等の特例で一時に経費(損金)にしたもの | 対象(申告が必要) |
| 少額でも個別に減価償却したもの | 対象(申告が必要) |
同じ案内では、課税標準額の合計が150万円未満なら固定資産税(償却資産)は課税されないとされています(免税点)。ただし申告そのものが必要かどうかは自治体ごとの案内で確かめてください。15万円のベンチを特例で全額経費にすると、償却資産の申告対象になる点が、一括償却との違いです。
選び方の目安をまとめます。
- 10万円未満のもの:迷わず使い始めた年の経費
- 10万〜20万円未満のもの:その年に経費を出したいなら特例、償却資産の申告を減らしたいなら一括償却
- 20万〜40万円未満のもの:特例か通常の減価償却。年300万円の上限に収まるかを確かめる
- どの方法も、選んだ内容を帳簿と確定申告書(減価償却の明細)に正しく書く
よくある質問
ダンベルセットは1個ずつの金額で判定できますか?
国税庁の考え方では、通常1単位として取引される単位で判定します。セットでしか売られず、セットで使うものは、セットの合計額で判定されることがあります。購入前に見積書の形を決め、税理士に確認してください。
白色申告でも30万円(40万円)未満の特例は使えますか?
使えません。少額減価償却資産の特例は、一定の要件を満たす青色申告者(法人は青色申告の中小企業者等)が対象です。白色申告の場合は、10万円未満の全額経費と、20万円未満の一括償却が使えます。
中古のマシンを買った場合も対象になりますか?
中古でも、取得価額が基準を下回れば対象になります。取得価額には運送費や設置費も含まれるため、総額で判定してください。中古資産の耐用年数の見積もりは別のルールがあるため、税理士に確認しましょう。
リースのマシンは少額資産になりますか?
リース契約の形によって、資産として扱うか、リース料を経費にするかが変わります。契約書を税理士に見せて確認してください。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.2100「減価償却のあらまし」(2026年10月23日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(2026年10月23日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5403「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」(2026年10月23日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5400「減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用」(2026年10月23日確認)
- 東京都主税局「固定資産税(償却資産)」(2026年10月23日確認)
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