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重い種目の後に跳ぶと記録が伸びる「PAPE」、休息3〜7分が効果的と確認

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
ジャンプ系のトレーニングを行う人物
SUMMARY|この記事の要約

スクワットなど重い種目の直後にジャンプすると記録が一時的に伸びる「ポストアクティベーション増強効果(PAPE)」について、休息時間ごとの効果を比較したメタ分析がFrontiers in Physiology誌に発表された。

22件のランダム化比較試験・468人を統合した結果、休息3〜7分で最も高い効果(SMD1.47)が確認され、8分以上では統計的な有意差が確認できなかった。

スクワットなど重い種目を行った直後にジャンプ系の動作を行うと、記録が一時的に伸びる「ポストアクティベーション増強効果(PAPE)」について、どれくらいの休息時間を置くと効果が最も大きいかを検証した新しいメタ分析が、学術誌Frontiers in Physiology(16巻)に2026年1月15日付で発表された。

重いバーベルをリフトする様子
写真はイメージです(Unsplash)

PAPE(ポストアクティベーション増強効果)とは何か

PAPE(Post-Activation Potentiation Enhancement)とは、スクワットなど高強度の種目を行った後、一定時間にわたって神経や筋の働きが変化し、ジャンプやスプリントなど瞬発的な動作のパフォーマンスが一時的に高まる現象を指す。大会前のウォームアップや、重い種目と爆発的な種目を組み合わせる「コンプレックストレーニング」の理論的な土台として知られている。

今回の研究は何を・どう調べたのか

中国・寧波大学のYing Zhou(周瑛)氏らの研究チームが、ランダム化比較試験(RCT)22件・参加者468人分のデータを統合したメタ分析を行った。重い種目を行った後、どれくらいの休息を置くとジャンプパフォーマンスへの増強効果が最も大きくなるかを、休息時間別(3分以内・3〜7分・8分以上)に分けて比較した。

休息時間でどう変わるのか

通常の筋トレ(対照群)と比べ、PAPEを狙った介入群は全体としてジャンプパフォーマンスが統計的に有意に向上した(標準化平均差SMD=1.36、95%信頼区間0.89〜1.83、p<0.0001)。休息時間別に見ると、次のような結果だった。

休息時間 研究数(参加者数) 効果量(SMD) 95%信頼区間 p値
3分以内 11件(189人) 1.32 0.63〜2.01 0.0002
3〜7分 9件(242人) 1.47 0.79〜2.14 <0.0001
8分以上 3件(37人) 0.77 -1.16〜2.69 0.43(有意差なし)

3分以内と3〜7分では統計的に有意な効果が確認された一方、8分以上休むと効果量こそ正の値だったものの、研究数・参加者数が少なく(3件・37人)、統計的な有意差は確認できなかった。著者らは、研究間の結果のばらつき(異質性、I²=51%)が中程度あることも報告している。

読者が実践するならどうすればいいか

大会や試合前のウォームアップで、重いスクワットなどを行った数分後にジャンプ系の種目を組み込む「コンプレックストレーニング」の考え方に活用できる可能性がある。ただし今回の対象研究の多くは一定のトレーニング経験がある人を想定しており、全ての人に同じ効果が出るとは限らない。重い種目のフォームが崩れた状態で無理に行うとケガのリスクが高まるため、必要に応じてトレーナーなど専門家の指導を受けることを勧める。

よくある質問

PAPEは誰でも同じように効果がありますか

今回の研究の対象は主に一定の訓練経験がある人であり、個人差も大きいとされるため、誰にでも同じ効果が出るとは言い切れない。

休息時間はどれくらいが良いのですか

今回のメタ分析では、3分以内でも3〜7分でも統計的に有意な効果が確認されたが、8分以上では有意差が確認できなかった。

PAPEを使った具体的なトレーニング法はありますか

重い種目の後に爆発的な種目を組み合わせる「コンプレックストレーニング」などで活用されることがある。関連記事(上級者向け筋トレ8手法を比較したメタ分析の記事)も参照してほしい。

KINNIKU TIMESの視点

大会直前に重い種目を行ってから跳ぶと一時的に出力が上がる、という考え方自体は以前から知られていたが、休息時間ごとの効果を整理した今回の分析は実践のヒントになる。ただし研究間のばらつき(I²=51%)があり、長い休息(8分以上)のデータは3件・37人と少なく、今後さらなる検証が必要な段階である。あくまで短時間のパフォーマンス向上を狙う手法であり、筋力や筋肉量そのものを増やす手法ではない点も覚えておきたい。


出典:Zhou Y, Zhang X, Wang J. "Post-activation potentiation enhancement induction strategies with different rest intervals on jump performance: a meta-analysis." Frontiers in Physiology 16(2026年1月15日公開、DOI:10.3389/fphys.2025.1696129)

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