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メラトニンは運動前6時間超の夜摂取で持久力アップ、19件のメタ分析で判明

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
ベッドで眠る人のイメージ
SUMMARY|この記事の要約

運動の6時間以上前・夜にメラトニンを摂取すると持久系パフォーマンスと瞬発力が向上し、運動後の筋損傷マーカー(CK)も改善することが、19件266人のメタ分析で分かった。摂取タイミングが運動の直前に近いほど効果は確認しにくかったという。

運動前6時間以上あけて夜にメラトニンを摂取すると、持久系パフォーマンスと瞬発力(パワー)が向上し、運動後の筋損傷マーカーも改善することが、19件のランダム化比較試験・266人を対象にしたメタ分析で分かった。学術誌「Frontiers in Nutrition」に2026年2月13日付で発表された。

夜の寝室のイメージ
写真はイメージです(Unsplash)

メラトニンとは何か、なぜ運動と関係するのか

メラトニンは脳の松果体から分泌される、体内時計(睡眠・覚醒リズム)を調整するホルモンである。抗酸化作用や抗炎症作用も報告されており、運動によって生じる酸化ストレスや筋損傷を軽減する可能性が研究されてきた。今回のメタ分析は、Guoらの研究グループが19件のランダム化比較試験(RCT)・参加者266人分のデータを統合し、摂取タイミングによって効果が変わるかを検証したものである。

結果:タイミングによって効果が変わる

指標 標準化平均差(SMD) 統計的有意性
瞬発力(パワー) 0.29[95%信頼区間 0.05〜0.53] p=0.02(有意)
持久系パフォーマンス 0.58[95%信頼区間 0.29〜0.87] p<0.001(有意)
クレアチンキナーゼ(CK、筋損傷マーカー) 0.59[95%信頼区間 0.29〜0.89] p<0.0001(有意)
乳酸脱水素酵素(LDH) 0.45[95%信頼区間 -0.03〜0.94] p=0.07(有意差なし)

論文では、運動の6時間以上前・夜間にメラトニンを摂取した場合に、持久系パフォーマンスと瞬発力の改善が確認されたと報告されている。摂取タイミングが運動の直前に近いほど、こうした効果は確認しにくかったという。

運動後の筋損傷マーカーはどう変わったか

筋損傷の指標として使われるクレアチンキナーゼ(CK)の値は、メラトニンを摂取した群で統計的に有意な改善(SMD 0.59、p<0.0001)が見られた。一方、同じく筋損傷の指標であるLDHについては改善の傾向はあったものの、統計的な有意差は確認されなかった(p=0.07)。論文では、メラトニン補給が運動によって生じる筋損傷の軽減に関与している可能性があると述べられている。

この結果をどう受け止めるべきか

今回の分析対象には19件のRCTのうち5件が18歳以下の若年層を含んでおり、研究間の結果のばらつき(I二乗値)も指標によって0%から56%まで差があった。ランダム化比較試験(介入研究)の統合であるため観察研究より因果関係を推定しやすいデザインではあるが、研究数・参加者数はまだ限られており、摂取量や期間も研究ごとに異なる。長期的な安全性やちょうどよい摂取量については、まだ確立された結論が出ているわけではない。

よくある質問

メラトニンのサプリは市販されているの?

日本では、メラトニンを含む製品の多くが個人輸入サプリとして入手されており、国内の医薬品・食品としての位置づけは製品によって異なる。含有量や品質の確認が難しい商品もあるため、持病がある方や他の薬を服用中の方は、自己判断で摂取を始める前に医師や薬剤師に相談してほしい。

寝る前に飲むサプリとして効果がある?

今回の研究では「運動の6時間以上前・夜間」の摂取で効果が見られたが、これは夜間の摂取が結果的に運動から時間を空けた摂取になっていたためとみられる。摂取量や安全な使い方が確立されているわけではなく、睡眠の質そのものを改善する基本的な生活習慣(就寝時間を一定にする、就寝前のスマートフォンを控える等)の方が優先度は高い。

KINNIKU TIMESの視点

メラトニンは「飲めば回復が早まる魔法のサプリ」ではなく、タイミングによって結果が変わる研究段階の素材だということが今回のメタ分析からも分かる。回復を左右する一番の要素はやはり睡眠の量と質そのものであり、サプリはあくまで補助的な位置づけとして捉えたい。運動後の回復をサポートする他の成分については、タルトチェリーやクルクミンを扱った過去の記事も参考にしてほしい。

タルトチェリージュースは運動後の回復に効く?10試験212人のメタ分析で判明 / クルクミン摂取で筋肉痛・CK値が改善、10件のRCTメタ分析で判明


出典:Guo J, Zhou L, Gu J, Sun J, Liu G, Wei C. "Timing-dependent effects of melatonin supplementation on exercise performance and exercise-induced muscle damage: a systematic review and meta-analysis." Frontiers in Nutrition(2026年2月13日、DOI: 10.3389/fnut.2026.1742464)

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