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【初心者向け】懸垂ができない人へ|1回できるまでの5段階と週2〜3回の練習法

FITPEAK編集部 読了目安 9分

懸垂が1回もできず、どう練習すればよいか迷っている人に向けた記事です。

懸垂は、自分の体重をまるごと引き上げる種目です。できなくて当然なので、段階を踏んで進めます。

この記事では、正しいフォームと、1回目に届くまでの5段階、回数と頻度の目安をまとめました。(2026年10月確認)

懸垂0回の人は、ぶら下がり、ネガティブ、斜め懸垂の順に5段階で進めると、1回目に近づきます。

  • 最初の目標は、バーにぶら下がって、肩を下げた形を保つことです。
  • 次に、あごを上げた形から3〜5秒かけて下りるネガティブ懸垂を行います。
  • 練習は、週2〜3日が目安です(厚生労働省のガイド)。
  • 5段階の進め方は、研究で確かめた処方ではなく、編集部の目安です。

3D種目図鑑で懸垂の動きを見る
FITPEAK内のページに移動します(2026年10月確認)

段階1 ぶら下がり
肩を耳から離して、20〜30秒ぶら下がる
段階2 肩甲骨を下げる
腕を伸ばしたまま、体を少し持ち上げる
段階3 ネガティブ懸垂
あごを上げた形から、3〜5秒かけて下りる
段階4 斜め懸垂
低いバーで、体を斜めにして引く
段階5 補助つき懸垂
足を台にのせて、軽く助けてもらい引く
懸垂1回
図解:FITPEAK編集部作成。懸垂が1回できるまでの5段階(編集部の目安。個人差があります)

段階の内容は、このあと順に説明します。まずは、正しいフォームを確かめてください。

懸垂の正しいやり方は?

ここで扱うのは、手のひらを前に向ける順手の懸垂です。手のひらを自分に向ける逆手は、チンアップ(逆手懸垂)のやり方で解説しています。

懸垂を後ろから見た写真。順手で肩幅より少し広く棒を握り、肘を曲げて体を引き上げている
画像:PTPioneer「Pull-ups exercise from back」Wikimedia Commonsより(CC BY 2.0)。順手で棒を握り、肘を曲げて引き上げる様子

手順は4つ

  1. 握る:順手で、肩幅より少し広く棒を握ります。
  2. 肩を下げる:ぶら下がったまま、肩を耳から離します。
  3. 引き上げる:胸を棒に近づける意識で、肘を下に引きます。
  4. ゆっくり下りる:腕が伸びるところまで、落ちずに下ります。

この4つの手順は、編集部が基本の流れとしてまとめたものです。手幅は、上の写真のように肩幅より少し広い程度が目安です。

懸垂の3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

懸垂の上の位置の写真。順手で棒を握り、あごが棒の高さまで上がっている
画像:PTPioneer「Girl doing pull up top position」Wikimedia Commonsより(CC BY 2.0)。引き上げた位置

よくある間違い

  • 肩がすくんで、耳に近づいている
  • 反動をつけて、体を振っている
  • 下りるときに、一気に落ちている
  • 腕が伸びきる前に、次の1回を始めている

動画で動きを確かめたい人は、次の動画も参考になります。英語の解説で、題名は「懸垂を0回から10回以上に増やす3つのコツ」です。

懸垂ができない原因と、1回できるまでの5段階は?

懸垂は、背中・腕・握力の3つが同時に必要です。どれか1つが足りないと、1回目に届きません。

足りない所 起きること 先にやること
握力 手が先に離れる ぶら下がり
肩の安定 肩がすくむ 肩を下げる練習
引く力 途中で止まる ネガティブ
体重の重さ 体が上がらない 斜め懸垂

※編集部の整理です。原因は人によって異なり、複数が重なることもあります。

握力が先に尽きる人は、ストラップ(手首に巻く補助具)を使う方法もあります。使い方はパワーグリップ(リストストラップ型)の使い方が参考になります。ただし、最初は素手で握る練習を優先します。

5段階の目安を表で見る

上の図の5段階を、表にまとめました。回数と秒数は、編集部の目安です。

段階 種目 目安
1 ぶら下がり 20〜30秒×2〜3回
2 肩甲骨を下げる 5〜8回×2〜3セット
3 ネガティブ懸垂 3〜5回×2〜3セット
4 斜め懸垂 8〜12回×2〜3セット
5 補助つき懸垂 3〜5回×2〜3セット

※目安に楽に届いたら、次の段階へ進みます。きつくて形が崩れる日は、前の段階に戻します。

段階1と2:ぶら下がりと肩を下げる

ぶら下がって、肩が耳に近づかないように保ちます。次に、腕を伸ばしたまま、肩だけを下げて体を数センチ持ち上げます。

肘は曲げません。背中で体を支える感覚をつかむ段階です。

段階3:ネガティブ懸垂

踏み台に乗り、あごが棒の高さに来る位置からスタートします。そこから、3〜5秒かけて、ゆっくり下ります。

下りる動き(筋肉が伸ばされながら力を出す動き)は、上げる動きより大きな力を出せるとされます。そのため、1回も上がれない人でも練習できます。

段階4:斜め懸垂

低いバーに、体を斜めにしてぶら下がり、胸を近づけます。足の位置で、きつさを調整できます。

斜め懸垂の3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

詳しいやり方は斜め懸垂(インバーテッドロウ)のやり方にまとめています。

段階5:補助つき懸垂

足を低い台にのせるか、パートナーに腰を軽く支えてもらい、補助を受けながら引き上げます。補助は、できるだけ小さくします。

ジムにラットプルダウンのマシンがあれば、代わりの練習にもなります(次の節で研究を紹介します)。

回数・セット・頻度の目安は?

頻度の公的な目安は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」にあります。筋力トレーニングを、週2〜3日行うことが推奨されています。

項目 目安 出どころ
頻度 週2〜3日 厚生労働省
セット数 2〜3セット 編集部
休憩 セット間に1〜2分 編集部
下ろす速さ 3〜5秒 編集部

※「編集部」の欄は研究で確かめた処方ではなく、練習の目安です。

懸垂の練習は、同じ背中や腕の筋肉を使います。連日行うより、1日おきに行い、間に休む日を作ると続けやすくなります。

休む日の考え方は自重トレーニングは毎日やっていい?で、回数やセットの決め方は自重トレーニングの回数・セット・頻度で解説しています。

頻度の研究は、同じ部位は週1回か3回か。25研究のメタ分析が参考になります。

順手と逆手の違いと、研究で分かっていることは?

順手と逆手で、効く筋肉は違う?

アメリカの研究(Youdasら、2011年)が、懸垂とチンアップの筋活動を比べています。対象は、男性21人と女性4人です。

筋肉 筋活動 差
広背筋 117〜130% —
上腕二頭筋 78〜96% 逆手が高い
大胸筋 44〜57% 逆手が高い
下部僧帽筋 45〜56% 順手が高い

※筋活動は、最大に力を入れたときを100%とした値です(3種類の動きの範囲)。差の欄は、論文が有意差を報告した筋肉だけ記入し、—は報告なしです。

広背筋は、どの動きでも強く働いていました。順手でも逆手でも、背中の主役は広背筋と言えます。

逆手は、腕の前側と胸を使いやすく、順手は、背中の下のほうの筋肉が働きやすい結果でした。最初は、やりやすいほうで始めてかまいません。

懸垂ができない人向けの研究は?

懸垂が1回もできない人だけを対象にした研究は、今回の確認では見つかりませんでした。そのため、5段階の進め方は、編集部の目安です。関連する研究は、次の2つです。

研究 対象 結果
Liら 2024 男子大学生34人 8週間後に回数が増えた
Roigら 2010 20件の試験 下ろす動きは高強度で有利

※Liらの対象は、懸垂1回以上できる人です。Roigらは、下ろす動きと上げる動きの筋トレを比べた分析です。

1つ目は、ラットプルダウン(マシンで棒を引き下ろす種目)の研究です。男子大学生34人が、週3回、8週間行いました。

結果は、2つの方法とも、懸垂の回数と、ラットプルダウンの最大の力が増えました。研究者は、懸垂を数回しかできない初心者の代わりの練習になりうると述べています。

2つ目は、下ろす動きの筋トレを、上げる動きと比べた分析です。20件の無作為化試験をまとめ、高い強度では、下ろす動きのほうが、筋力と筋量が増えやすいと報告しています。

ただし、どちらも懸垂ができない人の研究ではありません。ネガティブ懸垂が最短とは言い切れず、効果の出方には個人差があります。

注意点と、向かない人は?

肩・肘・手首に痛みがある人や、治療中の人は、始める前に医師か理学療法士に相談してください。痛みが出たらすぐやめてください。

  • バーは、体重に耐えられるものを使う(耐荷重は製品の表示で確認)
  • 公園の鉄棒は、ぐらつきやさびを確かめてから使う
  • ネガティブは、踏み台の安定を確かめる
  • ぶら下がるとき、肩をすくめたまま力を抜かない
  • 痛みがある日は、休むか前の段階に戻る

向かない人

  • 肩を脱臼したことがあり、不安が残る人
  • ぶら下がるだけで、肘や肩に強い痛みが出る人
  • 安全に使えるバーが近くに無い人

該当する人は、まず斜め懸垂や、自重で背中を鍛える種目から始めてください。

よくある質問

懸垂バーがない場合は、どうしますか?

低いテーブルの下に入って行う斜め懸垂は、道具が少なくてすみます。ぐらつくテーブルは使わないでください。

何週間で1回できるようになりますか?

期間は、研究で確かめられていません。体重や筋力で大きく変わります。回数より、毎回の形を整えることを優先してください。

ぶら下がるだけでも意味はありますか?

握力と肩の安定を作る入り口になります。ただし、それだけで1回できるとは限りません。段階2以降も組み合わせます。

ジムのラットプルダウンで代わりになりますか?

研究では、ラットプルダウンの練習でも、懸垂の回数が増えていました。ただし、対象は懸垂1回以上できる大学生でした。

毎日やってもよいですか?

公的な目安は、筋トレを週2〜3日です。連日は避け、休む日を作ってください。

まとめ

懸垂ができない人は、ぶら下がり、肩を下げる、ネガティブ、斜め懸垂、補助つきの順に進めます。

頻度は週2〜3日が目安です。ネガティブは、3〜5秒かけて下りることを意識してください。痛みがあるときは、無理をせず前の段階に戻します。

3D種目図鑑で斜め懸垂の動きを見る
FITPEAK内のページに移動します(2026年10月確認)

出典

2026年10月に開いて確認しました。

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この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。