プロバイオティクス摂取で体脂肪率0.46%減、持久力も向上と35試験の分析
プロバイオティクスの摂取で、体重が平均0.55kg、体脂肪率が0.46%減少し、VO2max(持久力)も改善したと、35試験・1,336人のメタ分析で示された。
一方で除脂肪量やBMIには有意差なく、筋肉を増やす効果は確認されていない。
プロバイオティクス(腸内環境を整える生きた菌)の摂取により、体脂肪率や体重がわずかに減り、運動後の筋損傷マーカーと持久力(VO2max)にも統計的に有意な改善が見られたことが、35件・1,336人分の試験データを統合したメタ分析で示された。学術誌「Physiological Reports」に2025年4月23日付で掲載された論文によるものである。
プロバイオティクスとは何か
プロバイオティクスとは、腸内環境に良い影響を与えるとされる生きた微生物(乳酸菌やビフィズス菌など)のことで、ヨーグルトや発酵食品、サプリメントとして広く摂取されている。今回の論文は、こうしたプロバイオティクスの摂取が運動する人の体組成や回復、パフォーマンスにどう関わるかを検証したものである。
どんな研究だったのか
研究チームは、プロバイオティクス摂取と運動に関する既存の臨床試験35件(41の効果量)を集め、系統的レビューとメタ分析を行った。対象になったのは介入群680人・対照群656人、合計1,336人分のデータである。無作為化比較試験を中心に統合した分析であり、単純な観察研究よりも因果関係に近い結論を示せる設計とされる。
| 指標 | 結果 | 統計的な有意差 |
|---|---|---|
| 体重 | 平均0.55kg減(p=0.010) | あり |
| 体脂肪率 | 平均0.46%減(p=0.014) | あり |
| 除脂肪量・BMI | 有意な変化なし | なし |
| CK(筋損傷マーカー) | 平均45.57IU/L減(p<0.001) | あり |
| VO2max(持久力の指標) | 平均1.55mL/kg/min向上(p=0.001) | あり |
体脂肪はわずかに減少、除脂肪量は変わらない
論文によると、プロバイオティクスを摂取した群は体重・体脂肪率がプラセボ群より統計的に有意に少なかった。ただし除脂肪量(筋肉などの重さ)やBMIには有意な差が確認されておらず、「筋肉を増やす」効果が示されたわけではない。減少幅も体重0.55kg・体脂肪率0.46%とわずかであり、過度な期待は禁物である。
筋損傷マーカーと持久力にも改善
運動後の筋損傷マーカーであるCK(クレアチンキナーゼ)は統計的に有意に減少し、持久力の指標であるVO2max(最大酸素摂取量)も有意に向上したと報告されている。一方でLDH(乳酸脱水素酵素)には有意差が確認されず、効果はすべての指標に一様に現れたわけではない。論文の著者らは利益相反がないことを明記している。
読者が実践するならどう考えるべきか
今回の結果は、プロバイオティクスが「痩せ薬」や「体づくりの近道」になることを示したものではない。効果量はいずれも小さく、含まれた試験の菌株・摂取量もさまざまである。基本となる食事内容や運動量を変えずにプロバイオティクスだけに期待するのは禁物で、腸内環境を整える選択肢の一つとして捉えるのが妥当である。持病や服薬中の人は、取り入れる前に医師に相談することが望ましい。
よくある質問
プロバイオティクスを摂れば筋肉が増えるのか
今回のメタ分析では除脂肪量(筋肉などの重さ)に統計的に有意な変化は確認されておらず、筋肉を増やす効果が示されたわけではない。
ヨーグルトを食べるだけでも効果があるのか
論文はサプリメントを中心とした試験を統合したものであり、ヨーグルトなど特定の食品だけで同じ効果が得られるかは、今回のデータからは判断できない。
KINNIKU TIMESの視点
プロバイオティクスは、体脂肪や持久力にわずかながら統計的に有意な効果を示した一方、筋肉量を直接増やすものではないことがあらためて確認された。ダイエットや体づくりの主役はあくまで食事・運動・睡眠であり、プロバイオティクスはそれらを支える補助的な選択肢の一つとして考えるのが妥当である。
出典:Mahmoudi Shirkoohi N, Mohammadi H, Gallaly DQ, Djafarian K. "The effects of probiotic supplementation on body composition, recovery following exercise-induced muscle damage, and exercise performance: A systematic review and meta-analysis of clinical trials." Physiological Reports(2025年4月23日) / 全文(CC BY 4.0):PMC12018167
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