筋トレに電気刺激(NMES)を追加すると効果増 374人のメタ分析で判明
通常のレジスタンス運動に電気刺激(NMES)を組み合わせると、筋力・筋肉量の伸びが単独より大きくなることが、374人を対象とした13研究のメタ分析で示された。
筋力の指標でSMD0.31、筋肉量の指標でSMD0.26と、いずれも統計的に有意な差が確認された(p=0.02)。
通常のレジスタンス運動(筋力トレーニング)に電気刺激(NMES、神経筋電気刺激)を組み合わせると、筋力・筋肉量の伸びが単独より大きくなることが、374人を対象とした13研究のメタ分析で示された。米テキサス大学エルパソ校(UTEP)のスディップ・バジペイ教授らの研究チームが、European Journal of Applied Physiology誌(2025年、2024年10月受付・12月受理)に発表した。
どんな研究か
論文「The additive effect of neuromuscular electrical stimulation and resistance training on muscle mass and strength」は、レジスタンス運動中にNMES(Neuromuscular Electrical Stimulation、電気刺激装置で筋肉を外部から収縮させる手法)を併用した場合と、レジスタンス運動単独の場合を比較した既存研究を集め、システマティックレビュー(15研究・488人)とメタ分析(13研究・374人)を行った。対象は健康な成人12研究に加え、10代を対象とした研究1件、高齢者を対象とした研究2件を含み、メタ分析の374人は男性198人・女性121人、年齢16〜84歳だった。介入期間は2〜16週間で、大半は4〜12週間だったという。
筋力・筋肉量とも有意に上乗せ
論文によると、筋力の指標では標準化平均差(SMD)0.31(95%信頼区間0.13〜0.49、p=0.02)、筋肉量の指標ではSMD 0.26(95%信頼区間0.04〜0.49、p=0.02)と、いずれも統計的に有意な差が確認された。SMDは効果の大きさを示す統計指標で、0.2前後が「小さい効果」、0.5前後が「中程度の効果」とされる目安であり、今回の結果は小〜中程度の上乗せ効果に相当する。論文は「NMESをレジスタンス運動中に使用すると、運動単独よりも大きな筋力・筋肉量の増加が得られる」と結論づけている。
研究の限界
論文自身が挙げる限界点として、筋肉量を分析した研究はメタ分析に含まれる13研究のうち6研究にとどまること、筋肉量の測定が主に下肢の筋肉に限られていること、使用したNMES機器の出力強度が研究間で統一・測定されていないこと、各研究で食事管理が統制されていないことを挙げている。筋力の効果量についてもI²(研究間のばらつきを示す指標)が73.05%と高く、研究ごとの結果にはばらつきがある点にも注意が必要だ。
よくある質問
NMESとはどのような機器ですか?
皮膚の上から電気刺激を与えて筋肉を外部から収縮させる装置の総称で、今回の研究ではレジスタンス運動(筋力トレーニング)と併用する形で使われた。市販の家庭用EMS機器とは出力や用途が異なる場合があるため、同一の効果が得られるとは限らない。
誰でも同じ効果が期待できますか?
メタ分析の対象は主に健康な成人で、介入期間も2〜16週間とさまざまだった。研究間の結果のばらつき(I²=73.05%)も大きく、個人差があることを前提に見る必要がある。持病がある場合やペースメーカーなど医療機器を使用している場合は、電気刺激機器の使用前に医師に相談することが望ましい。
KINNIKU TIMESの視点
NMESは目新しい手法ではないが、通常のレジスタンス運動に組み合わせることで追加の効果が見込めるという今回の結果は、血流制限(BFR)トレーニングなど「通常の筋トレに一手間加える」系のアプローチと同じ文脈で捉えられる。本サイトで紹介した血流制限(BFR)トレーニングと同様、あくまで通常のレジスタンス運動が土台であり、NMESの使用だけで効果が生まれるわけではない点を踏まえておきたい。
出典:Narvaez et al., European Journal of Applied Physiology (2025) 論文PDF/UTEP大学 研究発表(2025年1月14日)
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