コラーゲンペプチド摂取で腱の構造改善 19研究768人のメタ分析で判明
コラーゲンペプチドを筋力トレーニングと併用すると、腱の構造や除脂肪量、最大筋力に有意な改善効果が見られることが、19件の介入試験・768人を対象にした海外のメタ分析で示された。
効果量は腱の形態変化で最も大きく、最大筋力への上乗せ効果は小さいものの統計的に有意だったという。
筋力トレーニングにコラーゲンペプチドの摂取を組み合わせると、腱の構造や除脂肪量、最大筋力に小〜中程度の改善効果が見られることが、海外の系統的レビュー・メタ分析で示された。ウィーン大学(オーストリア)のケビン・ビショフ(Kevin Bischof)氏らの研究チームが、トレーニングとコラーゲンペプチド摂取を組み合わせた19件の試験・合計768人のデータを統合して分析し、2024年に専門誌「Sports Medicine」に結果を発表した。
コラーゲンペプチドとは何か
プロテイン(ホエイ・ソイなど)やクレアチンとは原料が異なり、コラーゲンペプチドは皮膚・腱・軟骨などの結合組織に豊富に含まれるたんぱく質「コラーゲン」を分解し、体内に吸収しやすくしたものである。腱や軟骨の材料になりやすいとされるグリシン・プロリン・ヒドロキシプロリンといったアミノ酸を比較的多く含む点が特徴とされる。ボディビルダーやパワーリフターの間では、関節や腱のケアを目的に取り入れられることが多い。
どのような研究を集めたメタ分析か
ビショフ氏らは、コラーゲンペプチドの摂取とトレーニングを組み合わせた介入試験を対象に文献を検索し、条件に合致した19件・合計768人分のデータを統合した。研究の概要は次の通りである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象研究数 | 19件 |
| 参加者数 | 合計768人(健康な成人) |
| コラーゲンペプチドの摂取量 | 1日3〜30g(最も多かったのは1日15gで12研究) |
| 摂取期間 | 最短8週間(運動後の回復効果だけを見る試験は最短1週間) |
| 併用したトレーニング | レジスタンストレーニングや、これと持久力トレーニングを組み合わせた「コンカレントトレーニング」など、週2回以上の頻度 |
腱・筋肉・筋力への効果は数字でどう出たか
結果は「標準化平均差(SMD)」という、介入群と対照群(コラーゲンペプチドを摂取しなかった群)の差を統一の尺度で表した効果量で示されている。目安として、SMDが0.2前後なら小さい効果、0.5前後なら中程度の効果とされることが多い。
| 評価項目 | 効果量(SMD) | 95%信頼区間 | 統計的有意性 |
|---|---|---|---|
| 腱の形態(断面積など) | 0.67 | 0.16〜1.19 | p<0.01 |
| 除脂肪量(体脂肪を除いた体重) | 0.48 | 0.22〜0.74 | p<0.01 |
| 筋肉の構成(筋線維の性質など) | 0.39 | 0.16〜0.61 | p<0.01 |
| 最大筋力 | 0.19 | 0.07〜0.31 | p<0.01 |
| 運動後48時間の反応筋力の回復 | 0.43 | 0.01〜0.84 | p=0.045 |
最も大きな効果量が確認されたのは腱の形態変化で、除脂肪量や筋肉の構成への効果も中程度だった。一方、最大筋力への上乗せ効果は統計的には有意だったものの、数値としては小さいものにとどまった。研究チームは「コラーゲンペプチドの摂取は、トレーニングによる筋骨格系のパフォーマンス向上を後押しする、有益な補助手段になりうる」と結論付けている。
プロテインやクレアチンとはどう違うのか
KINNIKU TIMESでは以前、プロテイン・クレアチン・オメガ3の効果を比較した別のメタ分析を紹介している。筋肉量そのものを増やす力では、必須アミノ酸をバランス良く含むホエイプロテインの方が優れるとされているが、コラーゲンペプチドは腱など結合組織への効果が確認されている点で役割が異なる、と位置づけることができる。プロテインの基礎知識は姉妹メディア「プロテインナビ」でも解説している。
よくある質問
コラーゲンペプチドは筋肉を増やす効果があるのか
今回のメタ分析では、除脂肪量(体脂肪を除いた体重)の増加と関連する中程度の効果量が確認されている。ただし最大筋力への上乗せ効果は統計的に有意ながら数値は小さく、ホエイプロテインのような主要なたんぱく質源の代わりになるものではないとされる。
どのくらいの量をいつ摂ればよいのか
今回分析された研究では1日3〜30gの範囲で、最も多かったのは1日15gだった。最適な量やタイミングは研究によって異なり、あくまでトレーニングの補助的なサプリメントという位置づけである。持病がある場合や薬を服用している場合は、摂取前に医師に相談することが望ましい。
この結果は誰にでも当てはまるのか
対象は健康な成人で、トレーニングと組み合わせた場合の効果である。高齢者やけがからの回復期など対象が異なれば効果の出方も変わる可能性があり、研究チーム自身も研究間のばらつきが大きい点を指摘している。あくまで統計的な傾向であり、個人差があることを前提に受け止めたい。
KINNIKU TIMESの視点
腱や関節のケアは、筋トレを長く続けるうえで見落とされがちなテーマである。今回のメタ分析が示したのは「コラーゲンペプチドがホエイプロテインに代わる」という話ではなく、トレーニングの土台となる腱・結合組織のコンディショニングに役立つ可能性がある、という位置づけだ。プロテインやクレアチンで筋肉・パフォーマンスを高めつつ、関節や腱に不安がある人は選択肢の一つとして検討してもよいだろう。ただし効果量には研究間のばらつきがあり、即効性を期待するものではない点は押さえておきたい。
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