クレアチン・プロテイン・オメガ3の効果を比較 35試験・1,211人の分析で目的別に差
35試験・1,211人のネットワークメタ分析では、筋力を伸ばす効果はクレアチン(SMD 0.46)、持久力はプロテイン(0.28)、回復はオメガ3(0.40)が最も上位だった。対象はトレーニング経験のあるアスリートで、サプリ同士の比較の多くは間接比較である。
筋力を伸ばす効果はクレアチン、持久力はプロテイン、回復はオメガ3が最も上位だった。トレーニング経験のあるアスリートを対象にした35件のランダム化比較試験(計1,211人)をまとめたネットワークメタ分析の結果で、ワン(Ziyu Wang)氏らが2026年3月、学術誌「Nutrients」に発表した。

どんな研究か? 対象者と方法
ネットワークメタ分析は、「クレアチン対偽薬」「プロテイン対偽薬」のように別々に行われた試験を統計的につなぎ、直接比べていないサプリ同士の優劣も推定する手法である。今回の対象は、トレーニング経験のあるアスリートを対象にした35件のランダム化比較試験で、比べたのは次の3種類と偽薬である。
- プロテイン(たんぱく質):1日に体重1kgあたり1.2〜2.4g
- クレアチン一水和物:ローディングまたは継続摂取
- オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
介入期間はプロテインとクレアチンが4〜12週間、オメガ3が4〜10週間だった。
筋力・持久力・回復に効くのはどれ? 結果の数字
効果の大きさは標準化平均差(SMD)で示されている。目安として0.2前後が「小さい」、0.5前後が「中程度」とされる。SUCRAは「1位になりやすさ」を0〜100%で表した指標である。
| 項目(試験数) | クレアチン | プロテイン | オメガ3 |
|---|---|---|---|
| 筋力(28件) | 0.46(SUCRA 82.4%) | 0.33 | 0.16(有意差なし) |
| 持久力(15件) | 0.05(有意差なし) | 0.28(SUCRA 85.2%) | 0.18(有意差なし) |
| 回復(18件) | 0.22 | 0.17(有意差なし) | 0.40(SUCRA 88.7%) |
※数値は偽薬と比べたSMD。「有意差なし」は95%信頼区間が0をまたいだもの。
筋力ではクレアチンが最も大きく、プロテインも有意な効果を示した。持久力で有意だったのはプロテインだけで、クレアチンはほぼゼロだった。筋損傷の指標であるクレアチンキナーゼや筋肉痛、機能の回復をまとめた「回復」では、オメガ3が最も大きかった。著者らは、主な目的に合わせてサプリを選ぶ「目的別」の使い方を支持する結果だとしている。
この研究の限界は?
- サプリ同士の比較の多くは間接比較で、直接比べた試験より不確実性が大きい。
- 試験間のばらつき(異質性)は中程度(I²=34〜41%)だった。
- オメガ3の試験は4〜5件と少なく、推定の幅が広い。
- 対象はトレーニング経験のあるアスリートに限られ、初心者にそのまま当てはまるとは限らない。
クレアチンの量や飲み方の基本は国際スポーツ栄養学会の公式見解の解説で整理している。
よくある質問
筋力を伸ばしたいならクレアチンとプロテインのどちらが優先?
この分析では筋力への効果はクレアチン(SMD 0.46)がプロテイン(0.33)を上回った。ただし間接比較を含む推定で、両者を併用した場合の効果は検証していない。
オメガ3は筋トレに意味がある?
筋力や持久力では有意な効果は確認されなかったが、回復の指標では3種類の中で最も大きな効果(SMD 0.40)を示した。試験数が少ない点には注意が必要である。
クレアチンは持久系の競技に効く?
この分析では持久力への効果はほぼなかった(SMD 0.05、有意差なし)。
KINNIKU TIMESの視点
「どのサプリが一番効くか」ではなく「何のために飲むか」で選ぶべきだという、実践的な示唆である。筋力や挙上重量を伸ばしたいならクレアチン、日々のたんぱく質が足りていなければまずプロテインで総量を満たすのが基本線になる。オメガ3は回復面で期待できるものの、根拠はまだ少ない。いずれもトレーニングと食事を土台にした上乗せにすぎない点は変わらない。価格を比べて選ぶならクレアチン最安ナビとプロテイン最安ナビも参考にしてほしい。
出典:Wang Z, Qin G, Kim BM. Nutrients 18(6):909(2026年3月13日)/PubMed Central(PMC13029179)