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クレアチンの飲み方と安全性、国際スポーツ栄養学会の公式見解を読み解く

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
テーブルの上の白い粉末をすくったスクープ
SUMMARY|この記事の要約

国際スポーツ栄養学会(ISSN)は2017年の公式見解で、クレアチン・モノハイドレートの摂取方法や安全性に関する研究の到達点をまとめた。ローディングの量、維持量、体重増加の理由などを整理する。

クレアチンは、健康な人が推奨量の範囲で摂る限り安全性が高く、高強度の運動能力を高める効果が研究で繰り返し確認されている――。国際スポーツ栄養学会(ISSN)が2017年、学会誌『Journal of the International Society of Sports Nutrition』に掲載した公式見解(ポジションスタンド)の要旨である。筆頭著者は米テキサスA&M大学のリチャード・クライダー氏。数あるサプリメントの中でも研究の蓄積が特に多いクレアチンについて、飲み方から安全性までを網羅している。

公式見解とは何か:個別研究ではなく研究全体の整理

ポジションスタンドは、単一の実験結果ではなく、それまでに発表された多数の研究を専門家が検討し、学会としての見解を示す文書である。クレアチンについては、筋肉内のクレアチン量、運動能力、安全性、医療分野での応用などが幅広く検討された。本記事では、筋トレ愛好家に関わりの深い部分を中心に紹介する。

飲み方:ローディングと維持量

見解によると、筋肉内のクレアチンを最も早く増やす方法は、クレアチン・モノハイドレートを1回5g(体重1kgあたり約0.3g/日に相当)、1日4回、5〜7日間摂る「ローディング」である。これにより筋肉内のクレアチン量は20〜40%程度増えるとされる。その後は1日3〜5gで維持でき、体の大きなアスリートでは1日5〜10gが必要な場合もある。

テーブルに置かれた粉末入りのスクープ
写真はイメージです(Unsplash)

ローディングを行わず、1日3gを28日間摂り続ける方法でも筋肉内の量は増えるが、増え方はゆるやかになる。摂取をやめると、筋肉内の量が元に戻るまでにはおおむね4〜6週間かかる。

方法 量と期間
ローディング 5g×1日4回を5〜7日間
維持 1日3〜5g(大柄な選手は5〜10g)
ローディングなし 1日3gを28日間(増加はゆるやか)

また、炭水化物や、炭水化物とたんぱく質と一緒に摂ると、筋肉への取り込みがより安定して高まったとの報告があるとしている。モノハイドレート以外のさまざまな形態のクレアチンについては、モノハイドレートより多く体内に保持されるという主張には現時点で根拠がないと述べている。

安全性:唯一一貫して報告されるのは体重増加

見解は、健康な人では短期・長期(1日30gまでを5年間まで)の摂取が安全で、よく耐容されていると整理している。一貫して報告される副作用は体重の増加で、クレアチンの浸透圧作用により、摂り始めの時期に0.5〜1.0L程度の水分が体内に保持されることが一因とされる。腎機能の指標については、摂取者と非摂取者の間で臨床的に意味のある差はみられなかったとしている。「けいれんや脱水を起こしやすい」という俗説についても、摂取していた選手のほうがけいれんや暑熱障害・脱水の発生が少なかったとの報告を挙げている。

ただし、この見解はあくまで健康な人を対象とした研究のまとめである。2017年以降の研究は反映されていない点にも留意が必要だ。

KINNIKU TIMESの視点

クレアチンは食事からも1日1〜3g程度摂られており、必要量の残り半分ほどは主に肝臓と腎臓で合成されている。サプリメントとして使う場合、急いで筋肉内の量を増やしたいならローディング、急がないなら1日3〜5gを毎日続ける方法が、見解に沿った現実的な選択肢になる。食事と一緒に摂ると続けやすい。

摂り始めに体重が1kg前後増えることがあっても、主に水分によるものと理解しておけば慌てずに済む。一方で、腎臓などに持病がある人、服薬中の人、未成年者は、使用前に医師に相談してほしい。


出典:Kreider RB, Kalman DS, Antonio J, et al. International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine. Journal of the International Society of Sports Nutrition(2017)