クレアチンの種類で効果は違う?サッカー選手40人の4週試験、HCl・エチルエステルが上回る
サッカー選手40人を対象にした4週間の試験で、クレアチン塩酸塩(HCl)とエチルエステルを摂った群は、モノハイドレート群よりジャンプやスプリント、ピークパワーの伸びが大きかった。ただし1群10人の小規模試験で、過去にはエチルエステルがモノハイドレートに劣ったとする試験もあり、優劣は確定していない。
クレアチンは「種類」によってトレーニング効果の上乗せに差が出るのか。サッカー選手40人を対象にした4週間の試験で、クレアチン塩酸塩(HCl)とクレアチンエチルエステルを摂った群は、定番のクレアチンモノハイドレートを摂った群よりもジャンプやスプリントの伸びが大きかった。中国・温州医科大学のチャンユアン・ドゥアン(Changyuan Duan)氏らの研究で、国際スポーツ栄養学会誌(Journal of the International Society of Sports Nutrition)に2026年9月10日付で掲載された。
どんな試験だったのか?
対象は大学のサッカー部に所属する若い男子選手40人。4つの群に無作為に分け、全員が同じ「レピートスプリントトレーニング」(全力走を短い休息で繰り返す練習)を4週間行った。違いは摂取したサプリメントだけである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 大学サッカー選手(男子)40人 |
| 群分け(各10人) | モノハイドレート/エチルエステル/塩酸塩(HCl)/プラセボ(偽薬) |
| 期間・練習 | 4週間、週3回(計12回)のレピートスプリントトレーニング |
| 体力テスト | 反動付き垂直跳び、20m走、Lラン(方向転換走) |
| 生理学的テスト | ウィンゲートテスト(ピークパワー・平均パワー・疲労指数)、漸増負荷テスト(最大酸素摂取量) |
クレアチンを摂るとスプリント練習の効果は上がる?
4週間後、プラセボ群を含む全ての群で体力と生理学的な指標が改善した。そのうえで、クレアチンを摂った3群は、プラセボ群と比べて垂直跳び・20m走・Lランの伸び、ピークパワー、疲労指数の変化が有意に大きかった。
一方、30秒間の平均パワーと最大酸素摂取量には群間の差がみられなかった。クレアチンの上乗せは、短時間で爆発的な力を出す種目に限られたといえる。
HClやエチルエステルはモノハイドレートより効く?
論文の要旨によると、エチルエステル群とHCl群は、モノハイドレート群よりも体力テストとピークパワーの伸びが有意に大きかった。著者らは、短期の準備期間にこの2種類が特に有効である可能性を指摘している。
ただし、この結果をそのまま「モノハイドレートより上」と受け取るのは早い。1群10人と小規模で、期間も4週間と短い。編集部が確認した要旨には各群の摂取量が記載されておらず、量の条件がそろっていたかは確認できていない。
過去の研究とも食い違う。同じ学会誌に2009年に掲載された試験(筋トレ未経験の男性30人・7週間)では、エチルエステルは血中・筋中のクレアチン濃度や体組成、筋力の改善でモノハイドレートに及ばず、血中クレアチニンが高くなったと報告された。国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解も、最も研究が多く効果が確かな形態としてモノハイドレートを挙げている(ISSNの公式見解の解説記事)。
よくある質問
クレアチンHClはモノハイドレートより効果が高い?
今回の小規模試験では上回ったが、1件の結果にすぎず、モノハイドレートより優れるという評価は確立していない。
クレアチンで持久力も上がる?
この試験では、最大酸素摂取量と30秒間の平均パワーにプラセボとの差はなかった。効果がみられたのはジャンプやスプリントなど短時間の種目である。
クレアチンは1日何g飲めばよい?
ISSNの公式見解では、1日3〜5gを続ける方法か、体重1kgあたり0.3gを5〜7日摂った後に1日3〜5gへ移る方法が示されている。
KINNIKU TIMESの視点
「新しい形態のほうが効く」という結果は話題になりやすいが、今回は40人・4週間の1試験である。現時点では、研究の蓄積が最も多いモノハイドレートを基本にし、HClやエチルエステルは追試の結果を待ってから判断するのが現実的だ。形態ごとに1gあたりの価格も大きく違うため、選ぶ際は筋トレ最安ナビのクレアチン比較で費用も確認したい。
出典:Duan C, et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition(2026年9月10日)/Spillane M, et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition(2009年)/Kreider RB, et al. ISSN公式見解(2017年)