クレアチンの飲むタイミングは?11人の試験、運動2時間前の1回摂取で総挙上量が増加
運動2時間前に体重1kgあたり0.1gのクレアチンを1回飲むと、ベンチプレスとスクワットの総挙上量がプラセボや何も飲まない場合より多かった。ただし対象は男性11人の小規模な試験で、毎日飲み続ける場合のタイミングの結論にはならない。
クレアチンを筋トレの2時間前に1回飲むと、ベンチプレスとスクワットの総挙上量がプラセボ(偽薬)や何も飲まない場合より多かった。チュニジアのスファックス大学などの研究チームが、運動習慣のある男性11人を対象にした小規模な試験の結果を、2026年6月1日に学術誌「Nutrients」で発表した。
どんな試験だった?
対象は運動習慣のある男性11人(平均26.1歳)。同じ人が5つの条件をすべて試すクロスオーバー方式で、条件の間には7日間の間隔を空けた。クレアチン(クレアチン一水和物)の量は体重1kgあたり0.1g(体重70kgなら7g)で、事前に数日間多めに飲む「ローディング」は行っていない。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 運動前 | トレーニングの2時間前にクレアチンを摂取 |
| 運動中 | トレーニング中に分けて摂取 |
| 運動後 | トレーニング直後に摂取 |
| プラセボ | 2時間前にマルトデキストリンを摂取 |
| 対照 | 何も飲まない |
トレーニングはベンチプレスとバックスクワットを最大挙上重量(1RM)の80%で6セットずつ(12・11・10・9・8・7回)。成績は6セットで挙げた重量の合計(総挙上量、kg)で比べた。
クレアチンは運動前と後、どっちが効く?
運動前に飲んだ条件は、2種目ともプラセボ・対照の両方を統計的に有意に上回った。差の大きさ(95%信頼区間)は次のとおりである。
| 比較 | ベンチプレス | スクワット |
|---|---|---|
| 運動前 vs プラセボ | +2.97〜18.85kg(効果量d=0.56) | +6.67〜19.69kg(d=0.49) |
| 運動前 vs 対照 | +0.97〜9.94kg(d=0.28) | +3.69〜9.56kg(d=0.24) |
- 運動中に飲んだ条件も、2種目ともプラセボ・対照を上回った
- 運動後に飲んだ条件は、スクワットでのみプラセボ・対照を上回った
- スクワットでは、運動前が運動中よりも総挙上量が多かった(d=0.20)
一方、垂直跳び(カウンタームーブメントジャンプ)の成績、主観的な疲労感や回復感、筋肉痛、集中力のテストには条件による差が見られなかった。筋ダメージの目安とされる血中のクレアチンキナーゼは、運動後に飲んだ条件で高かった。
この結果をどう読むべき?
著者ら自身が「探索的な結果」と強調している点に注意が必要である。主な限界は次のとおり。
- 参加者は11人と少なく、男性のみ
- プラセボは「2時間前」にしか設定されておらず、運動中・運動後の条件は本人が飲むタイミングを知っていた
- 食事の管理がなく、7日間の間隔ではクレアチンが体から抜けきらない可能性がある
- 1回だけの摂取の結果で、毎日飲み続ける通常の使い方にそのまま当てはめられない
クレアチンの基本的な飲み方は国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解の記事、長期的な効果は61試験のメタ分析の記事で解説している。
よくある質問
クレアチンは運動前に飲むべき?
今回の11人の試験では、2時間前の1回摂取で総挙上量が多かったが、小規模な1回摂取の試験であり、毎日飲む場合のタイミングの結論にはならない。
1回にどれくらい飲んだ?
体重1kgあたり0.1gで、体重70kgなら7gに相当する。
毎日飲む場合もタイミングは重要?
この試験では調べておらず、毎日の継続摂取でタイミングの差がどれだけ出るかは別の検証が必要である。
KINNIKU TIMESの視点
クレアチンは筋肉にためて効かせるサプリであり、毎日続けることが基本という位置づけは今回の結果でも変わらない。そのうえで「どうせ飲むならトレーニングの前に」という選び方は、手間もコストも増えないため試しやすい。ただし差が出たのは11人・1回摂取という限られた条件である。飲むタイミングに悩んで続かなくなるより、決まった時間に毎日飲む習慣をつくる方が優先度は高いだろう。商品選びでは価格差も大きいので、クレアチンの最安比較も参考にしてほしい。
出典:Ben Maaoui K, et al. Nutrients(2026年6月1日)/NutraIngredients(2026年6月10日)