プロテインは筋トレ前と後どっち?5研究のメタ分析、除脂肪量に差なし・脚の筋力は前が有利か
プロテインを筋トレの直前と直後のどちらに飲んでも、除脂肪量の増え方に差はなかった(5研究のメタ分析、SMD −0.08)。脚の筋力では直前がやや有利という結果も出たが、2研究のみの解析で確実性は低い。
プロテインを筋トレの直前に飲むか直後に飲むかで、除脂肪量(体脂肪以外の体重)の増え方に差はなかった。スペインのロヨラ・アンダルシア大学のカスソ(Rafael A. Casuso)らが2025年6月、学術誌「Nutrients」に発表したメタ分析(複数の研究を統合して解析する手法)の結果である。一方で、脚の筋力については「直前」がやや有利という結果も出た。
どんな研究を比べたのか
著者らは3つの論文データベースを2024年1月15日まで検索し、「毎回のトレーニングの前にたんぱく質を摂る群」と「後に摂る群」に無作為に割り付け、4週間以上続けた研究を集めた。3,311件の候補から条件を満たしたのは5研究(6報告)だった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 若い経験者の男性、若い経験者の女性、未経験の高齢男性、未経験の高齢女性、2型糖尿病の人 |
| 比較 | 筋トレの直前と直後(1研究は直前と2時間後) |
| 期間 | 6〜16週間 |
| 主な評価項目 | 最大挙上重量(チェストプレス・レッグプレス)、除脂肪量、筋厚 |
プロテインは筋トレ前と後どっちがいい?
結果を標準化平均差(SMD、正の値なら「前」が有利)で示す。
| 評価項目 | SMD | 95%信頼区間 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 除脂肪量 | −0.08 | −0.398〜0.244 | 差なし |
| チェストプレスの最大挙上重量 | 0.07 | −0.248〜0.395 | 差なし |
| レッグプレスの最大挙上重量 | 0.70 | 0.005〜1.388 | 「前」が有利(p=0.048) |
体脂肪量や、上腕・太ももの筋厚にもタイミングによる差はなかった。著者らは「たんぱく質の摂取タイミングは、運動による除脂肪量の変化を大きく左右しない」と結論づけたうえで、「運動前15分以内の摂取が脚の筋力向上に役立つ可能性がある」と付け加えている。
脚の筋力の結果はどこまで信頼できる?
慎重に受け止める必要がある。レッグプレスの解析は2研究のみに基づき、信頼区間の下限は0.005とほぼゼロに近い。チェストプレスとの違いも統計的には傾向の段階(p=0.07)にとどまった。GRADE(根拠の確実性の評価)はほとんどの項目で「低い」〜「非常に低い」とされた。対象も年齢や健康状態がばらばらで、年齢別や経験者別の解析はできていない。
筋トレ中にプロテインを飲む方法については、8週間の試験で糖質ドリンクと差がなかった研究も紹介している。
よくある質問
プロテインは筋トレ後30分以内に飲まないと意味がない?
そうとはいえない。今回のメタ分析では、筋トレの前に飲んでも後に飲んでも除脂肪量の増え方に差はなかった。
筋トレ前に飲むと筋力が伸びやすい?
脚の筋力では「前」が有利という結果が出たが、2研究のみの解析で確実性は低い。現時点では可能性の段階である。
タイミングより大事なことは?
1日のたんぱく質の総量である。筋トレをする人では体重1kgあたり約1.6gが一つの目安とされる。
KINNIKU TIMESの視点
「筋トレ後すぐにプロテインを飲まないと筋肉が育たない」と焦る必要はなさそうだ。まずは1日のたんぱく質の総量を確保し、そのうえで自分の生活に合うタイミングを選べばよい。食事から時間が空いた状態でトレーニングする人は、トレーニング前に1杯飲んでおくのも合理的な選択肢である。プロテインの価格を比べたい場合は筋トレ最安ナビのプロテイン比較も参考にしてほしい。