クレアチンの効果は筋トレ次第?37試験のメタ分析、除脂肪量が増えたのは併用時のみ
18〜30歳の健康な男性を対象とした37件のランダム化比較試験のメタ分析で、クレアチンによる除脂肪量の増加(プラセボ比で平均3.39kg)が確認されたのは筋トレを併用した場合だけだった。一方、30秒間の全力こぎで測る瞬発的なパワーは、筋トレの有無にかかわらず向上した。
クレアチンで除脂肪量が増えたのは、筋トレと組み合わせた場合だけだった。中国とマレーシアの研究者らによるチーム(筆頭著者:ジンファ・グー〈Jinfa Gu〉)が、18〜30歳の健康な男性を対象とした37件のランダム化比較試験(RCT)を統合したメタ分析を、2026年4月8日に学術誌「Frontiers in Nutrition」で発表した。筋トレを併用した試験と併用しない試験を分けて比べたところ、体組成と瞬発的なパワーで異なる結果が出た。

どんな研究?対象と方法
分析の対象は、18〜30歳の健康な男性だけを集めたRCTである。クレアチンとプラセボ(偽薬)を比べた試験を集め、筋トレと組み合わせた試験(筋トレ併用)と、筋トレ以外の条件で行われた試験(筋トレ非併用)に分けて効果を比べた。評価した指標は、スクワットとレッグプレスの最大挙上重量(1RM)、垂直跳び(CMJ)、30秒間の全力こぎで測るウィンゲートテストのパワー、除脂肪量(FFM)と除脂肪体重(LBM)である。
多くの試験は、1日20gを5〜7日間飲む「ローディング」の後に1日2〜10gで維持する方法を採用しており、期間は4〜10週間程度のものが中心だった。
筋トレ併用で除脂肪量は何kg増えた?
プラセボ群と比べた差(平均差)は次の通りである。
| 指標 | 筋トレ併用 | 筋トレ非併用 |
|---|---|---|
| 除脂肪量(FFM) | +3.39kg(12試験・228人) | −0.89kg(有意差なし) |
| 除脂肪体重(LBM) | +2.70kg(12試験・279人) | −0.54kg(有意差なし) |
| スクワット1RM | +9.58kg(12試験・219人) | +17.57kg(4試験・81人) |
| ウィンゲート最大パワー | +61.35W | +119.72W |
| ウィンゲート平均パワー | +36.33W | +45.33W |
| 垂直跳び(CMJ) | +4.19cm(有意差なし) | +1.57cm(有意差なし) |
除脂肪量と除脂肪体重は、筋トレ併用の試験でのみ有意に増え、非併用の試験では増加がみられなかった。この2項目とスクワット1RMでは、筋トレの有無によって効果に差があると統計的に判断された。
筋トレなしでもパワーは上がる?
ウィンゲートテストの最大パワーと平均パワーは、筋トレの有無にかかわらず向上した。全試験をまとめた最大パワーの向上(+71.27W)は、エビデンスの確実性が「高」と評価された唯一の項目である。一方、筋トレ非併用のスクワット1RMの伸びは併用時より大きかったが、4試験・81人と少ないデータに基づく結果である。
研究の限界は?
著者らは、短期間の試験で除脂肪量が増えた分には、クレアチンによる筋肉内の水分増加が一部含まれる可能性を指摘している。筋トレ非併用の試験数が少ないこと、垂直跳びでは試験間のばらつきが大きいこと(I²=89%)も限界として挙げた。対象は若い男性に限られ、女性や中高年にそのまま当てはまるとは限らない。なお、45〜65歳を対象にした別の試験では、運動しない群でも除脂肪量が増えたと報告されている(関連記事)。
よくある質問
クレアチンを飲むだけで筋肉は増える?
若い男性を対象とした今回の分析では、筋トレを併用しない試験で除脂肪量の有意な増加はみられなかった。筋肉量を増やす目的なら、筋トレとの併用が前提となる。
クレアチンは1日何g飲む?
分析に含まれた試験の多くは、1日20gを5〜7日間飲んだ後、1日2〜10gで維持する方法だった。ローディングをせず毎日一定量を飲む方法の試験も含まれている。
飲み始めて体重が増えるのは筋肉?
短期間の増加には、筋肉内の水分が増えた分が含まれる可能性がある。筋肉そのものの増加かどうかは、数週間の変化だけでは判断しにくい。
KINNIKU TIMESの視点
今回の結果は「クレアチンは筋トレの効果を上乗せするもの」という位置づけを改めて示した。体を大きくしたい人は、まず筋トレの継続が土台であり、クレアチンはその上で役立つ。一方、短時間の全力運動のパワーは筋トレをしていなくても伸びており、球技や陸上の短距離など瞬発系の競技者にとっても検討の余地がある。初心者と経験者の違いは61試験のメタ分析の解説も参考になる。購入の際はクレアチンの価格比較で1gあたりの価格を確認したい。
出典:Gu J, et al. Frontiers in Nutrition(2026年4月8日)/DOI: 10.3389/fnut.2026.1800546