植物性プロテインは動物性に劣る?18試験・1,893人のメタ分析で筋肉量・筋力に差なし
6か月以上にわたり植物性(主に大豆)と動物性のたんぱく質補給を比べた18試験・1,893人のメタ分析では、除脂肪量・筋力・身体機能・血中脂質のいずれにも統計的な差はみられなかった。ただし参加者の多くは閉経前後の女性で、筋トレを併用した試験は3件にとどまる。
植物性たんぱく質を補給しても、動物性たんぱく質と比べて筋肉量や筋力に差は出なかった。モハメド・アーメド・イマム(Mohammed Ahmed Yimam)氏らの研究チームが、6か月以上続けた18件のランダム化比較試験(参加者計1,893人)を統合したメタ分析を、2026年4月1日に学術誌『Frontiers in Nutrition』で発表した。植物性の多くは大豆たんぱく質である。

どんな研究か?対象者と方法
分析の対象は、18歳以上の成人で植物性と動物性のたんぱく質補給を6か月以上比べた試験である。参加者の年齢は23〜74歳、補給量は1日8〜45gと幅がある。18試験のうち14試験は閉経前後の女性だけを対象とし、60歳以上を対象とした試験が9件あった。筋トレなどの運動を併用した試験は3件だけだった。
植物性と動物性で筋肉量や筋力に差はある?
結果は、調べたすべての項目で統計的に意味のある差がなかった。主な結果は次のとおりである(SMDは効果の大きさを示す標準化平均差。値が0に近いほど差が小さい)。
| 項目 | 結果(植物性と動物性の比較) |
|---|---|
| 除脂肪量(7試験・365人) | SMD 0.26、p=0.58(有意差なし) |
| 体脂肪量 | SMD 0.16、p=0.66(有意差なし) |
| 上半身の筋力 | SMD −0.88、p=0.11(有意差なし) |
| 下半身の筋力 | SMD 2.54、p=0.16(有意差なし) |
| 歩行速度 | SMD −0.00、p=0.99(有意差なし) |
| 総コレステロール・LDL・中性脂肪・血圧・空腹時血糖 | いずれも有意差なし |
年齢(60歳未満か以上か)、補給量、期間(9か月未満か以上か)、運動の有無で分けた解析でも、たんぱく質の種類による差はみられなかった。著者らは、十分な量のたんぱく質を長期的にとっていれば、供給源の違いによる差はごくわずかだと結論づけている。
この研究の限界は?
- 試験ごとの結果のばらつき(異質性)が大きく、I²は63〜98%に達した。
- 一部の解析で出版バイアス(差が出た研究ほど論文になりやすい偏り)が認められた。
- 参加者の多くが閉経前後の女性で、若い男性のトレーニーにそのまま当てはまるとは限らない。
- 筋トレを併用した試験は3件と少なく、12か月を超える長期のデータも限られる。
筋トレをしている人を対象にした単独の比較試験では、ビーガンと雑食で12週間の筋肥大に差がみられなかった研究もあり、今回の結果と方向性は一致している。
よくある質問
ソイプロテインでも筋肉はつく?
今回のメタ分析では、6か月以上の補給で大豆を中心とする植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の間に、除脂肪量や筋力の差はみられなかった。ただし筋トレ併用の試験は少ない。
植物性たんぱく質はコレステロールを下げる?
この研究では、総コレステロールやLDLコレステロールに動物性との統計的な差は確認されなかった。
植物性を選ぶときに気をつけることは?
著者らは「十分な量」をとることを前提にしている。1日の総たんぱく質量をまず確保することが重要である。
KINNIKU TIMESの視点
「植物性は筋肉がつきにくい」と決めつける必要はなさそうだ。ホエイが体質に合わない人や、食事の選択肢を広げたい人は、大豆などの植物性たんぱく質を選んでもよい。大切なのは種類より総量であり、目安は体重1kgあたり1.6g前後である。種類ごとの価格はプロテイン最安ナビで比べられる。一方、今回の対象は中高年女性が中心で、筋トレ経験者の筋肥大を直接調べた研究ではない点は押さえておきたい。