植物性プロテインは動物性に劣らず 18RCT・1893人で体組成に有意差なし
Frontiers in Nutrition誌に2026年4月1日掲載されたメタ分析で、植物性プロテインと動物性プロテインの長期摂取(6か月以上)を比較した結果、除脂肪量・脂肪量・筋力・心血管代謝マーカーのいずれにも統計的な有意差は確認されなかった。
18件のRCT・成人1,893人分のデータを統合した解析で示された。
プロテインは「植物性か動物性か」よりも、総摂取量のほうが重要であることが、大規模なメタ分析で改めて示された。2026年4月1日、Frontiers in Nutrition誌に掲載された論文で、Sapienza University of Rome(ローマ・サピエンツァ大学)のMohammed Ahmed Yimam氏らの研究チームが報告した。18件のランダム化比較試験(RCT)・成人1,893人分のデータを統合した結果、植物性プロテインと動物性プロテインの間で、除脂肪量・脂肪量・筋力・心血管代謝マーカーのいずれにも統計的に有意な差は確認されなかったという。
どんな研究か 18件のRCT・1,893人を統合
今回の論文は「Long-term effects of plant vs. animal protein supplementation on body composition, muscle strength, physical performance, and cardiometabolic risk factors in adults」と題されたシステマティックレビュー・メタ分析である。18歳以上の成人を対象に、植物性プロテイン(PBP、主に大豆由来)と動物性プロテイン(ABP、主にホエイ・カゼイン由来)を6か月以上にわたって継続摂取した比較試験18件、合計1,893人分のデータを統合して解析した。評価項目は、除脂肪量(LBM)・脂肪量(FM)・総体重(TBM)・上肢および下肢の筋力・歩行速度(GS)・総コレステロール(TC)・LDLコレステロール・空腹時血糖(FBG)の9項目に及ぶ。
体組成に有意差なし
結果、植物性プロテインは動物性プロテインと比べて、体組成のいずれの指標でも統計的に有意な差を示さなかった。論文中の標準化平均差(SMD)は次の通りである。
| 指標 | SMD(標準化平均差) | 95%信頼区間 | p値 |
|---|---|---|---|
| 除脂肪量(LBM) | 0.26 | -0.58〜0.90 | 0.58 |
| 脂肪量(FM) | 0.16 | -0.58〜0.90 | 0.66 |
| 総体重(TBM) | 0.37 | -0.33〜1.07 | 0.30 |
SMDの数値がゼロに近く、信頼区間もゼロをまたいでいるため、いずれも「差があるとは言えない」という統計的な判定になる。
筋力・身体機能でも差はつかず
運動能力に関わる指標でも同様の傾向が確認された。上肢筋力のSMDは-0.88(95%信頼区間-1.99〜0.22、p=0.11)、下肢筋力のSMDは2.54(95%信頼区間-1.07〜6.14、p=0.16)、歩行速度のSMDは-0.00(95%信頼区間-0.34〜0.34、p=0.99)で、いずれも統計的に有意な差ではなかった。下肢筋力のSMDが大きく振れているのは、統合された研究数が少なく信頼区間が広いためで、著者らも異質性(研究間のばらつき)の高さを限界点として挙げている。
心血管代謝マーカーも同様の結果
総コレステロール(SMD -0.38、95%信頼区間-0.55〜0.13、p=0.14)、LDLコレステロール(SMD -0.34、95%信頼区間-0.87〜0.19、p=0.21)、空腹時血糖(SMD 0.24、95%信頼区間-0.32〜0.79、p=0.40)についても、植物性・動物性の間に統計的な有意差は見られなかった。
著者の結論 重要なのは「総摂取量」
論文は、これらの結果を踏まえて「タンパク質を十分な量、継続的に摂取している限り、プロテイン源の違い(植物性か動物性か)が長期的な体組成・筋力・心血管代謝マーカーに与える影響は乏しい」と結論づけている。ただし著者らは、統合した研究間の異質性が高いこと、出版バイアス(有意差が出た研究のほうが発表されやすい傾向)の可能性があることも限界点として明記しており、断定的な結論ではない点には注意が必要である。
よくある質問
植物性プロテインだけでも動物性と同じ効果は得られるのか
今回のメタ分析では、除脂肪量・筋力・心血管代謝マーカーのいずれにも統計的な有意差はなく、総タンパク質摂取量が確保されていれば、植物性中心でも動物性と同等の結果が期待できると著者は結論づけている。
大豆プロテインなど植物性プロテインの弱点はないのか
本論文はこの点を直接検証したものではないが、植物性プロテインは必須アミノ酸(特にロイシン)の含有量が動物性より少ない傾向があるとされる。摂取量をやや多めにする、複数の植物性ソースを組み合わせるといった工夫で補えるとする見解が一般的である。
KINNIKU TIMESの視点
プロテイン選びというと「ホエイか、ソイか」という源の違いに関心が向きがちだが、今回のメタ分析が示すのは、6か月以上の長期スパンで見た場合、体組成や筋力への影響は源の違いよりも総摂取量に左右されるという、地味だが実用的な結論である。ホエイプロテインの摂取量については、KINNIKU TIMESで既報の「プロテインは1日何gまで効く?」も参考になる。価格を比較しながら自分に合うプロテインを探したい読者は、筋トレ最安ナビのプロテイン価格比較ページもあわせて確認してほしい。
出典:Frontiers in Nutrition「Long-term effects of plant vs. animal protein supplementation on body composition, muscle strength, physical performance, and cardiometabolic risk factors in adults」(2026年4月1日、DOI: 10.3389/fnut.2026.1813846)/関連記事:プロテインは1日何gまで効く?ホエイは30〜35gで頭打ち、36研究で判明/クレアチン・プロテイン・オメガ3、筋力に効くのはどれ?1211人で比較
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