プロテイン摂取「運動後30分以内」は絶対か、最新メタ分析で検証
2025年発表のメタ分析により、プロテイン摂取のタイミングは除脂肪体重の変化に大きな影響を与えないことが示された。1日の総摂取量(体重1kgあたり約1.6g)の方が重要とされる。
「トレーニング後30分以内にプロテインを摂らないと筋肉が減る」という通説について、2025年に発表されたメタ分析は、摂取タイミングが除脂肪体重の変化に大きな影響を与えないと報告した。米フィットネス専門メディアFitnessVoltが日本時間で9月28日付けで伝えた内容を基に、元の研究論文と専門家が指摘する「タイミングが効く場面」を整理する。
「ゴールデンタイム30分」説は本当か
Rafael A. Casuso氏とLennert Goossens氏による2025年のメタ分析(国際学術誌「Nutrients」掲載)は、3311件の論文候補から5研究(6報告)の無作為化比較試験(RCT)を抽出して分析した。対象は若年のトレーニング経験者、高齢の未訓練者、2型糖尿病患者など多様な集団を含む。結果、上半身(チェストプレス)の筋力にはタイミングによる差は見られず、除脂肪体重全体でもタイミングは重要な修正要因ではなかったという。一方で下半身(レッグプレス)の筋力に限っては、運動前の摂取が運動後よりも優勢だった(標準化平均差・SMD=0.70、p=0.048)と報告されている。対象研究には高齢者や基礎疾患のある人も含まれる小規模な研究群であるため、若いボディビルダーなど典型的な筋トレ愛好者にそのまま当てはまるかは、今後さらなる検証が必要である。
1日の総摂取量は1.6g/kgが目安、Morton論文が示すもの
カナダ・マクマスター大学のStuart M. Phillips教授らによる2018年のメタ分析(英国スポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」掲載)は、49件の無作為化比較試験、被験者計1863人分のデータを分析した。プロテイン補給により最大筋力(1RM)は平均2.49kg、除脂肪体重は平均0.30kg増加した。さらに、体重1kgあたり約1.62g/日を超える総プロテイン摂取は、さらなる除脂肪体重の増加にはつながらなかったという。つまり、タイミングよりまず1日の総量を確保することが優先されるべきと考えられる。
それでもタイミングが効く、3つの場面
FitnessVolt記事の著者であるTom Miller氏(認定ストレング・コンディショニング・スペシャリスト、CSCS)は、以下の3つの場面ではタイミングが実際に意味を持つと指摘している。
| 場面 | 目安 |
|---|---|
| 就寝から11時間以上の空腹状態を経た早朝のトレーニング | 運動後に25~40gのプロテイン摂取が有効 |
| トレーニング前後の食事間隔が5時間以上開く場合 | トレーニング前後に20~40gを配置するのが有用 |
| 1日のプロテイン目標量を達成しづらい場合 | 固定的な摂取タイミングを決めることが継続の助けになる |
これらはミラー氏自身の実践的な推奨であり、全ての人に当てはまる新しい研究結果ではない点には注意したい。
よくある質問
結局、運動後すぐプロテインを飲むべきか。
空腹時間が長い場合や食事間隔が開く場合は摂ると良いが、「30分以内でなければ意味がない」というのは俗説であり、1日の総摂取量の方が重要とされる。
1日にどれくらいタンパク質を摂ればいいか。
Mortonら(2018年、49件のメタ分析)では体重1kgあたり約1.6gが目安とされ、それ以上摂取しても除脂肪体重の増加効果に大きな上乗せはみられなかった。
高齢者にも同じことが言えるか。
Casuso・Goossens(2025)のメタ分析には高齢者や2型糖尿病患者のデータも含まれるが、対象者による違いにはさらなる研究が必要とされている。
KINNIKU TIMESの視点
プロテインの摂取タイミングに気を配るよりも、まず1日の総摂取量(体重1kgあたり約1.6gを目安)を確保することが優先である。その上で、早朝の空腹時トレーニングや食事間隔が開く日など、自分の生活パターンに合わせてプロテインを配置するのが合理的だろう。糖尿病など基礎疾患がある場合の摂取量調整は、自己判断せず医師や管理栄養士に相談したい。
出典:FitnessVolt「Protein Timing Is Overrated. These Three Situations Still Matter」(2026年9月28日)/Casuso & Goossens, Nutrients 17(13):2070 (2025)/Morton et al., Br J Sports Med 52(6):376 (2018)
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