コンジュゲート法とは ウエストサイド・バーベル式3つのエフォート法
米オハイオ州の招待制ジム「ウエストサイド・バーベル」で生まれたコンジュゲート法は、毎週メイン種目を入れ替えながら最大筋力とスピードを同時に伸ばすトレーニング体系である。
マックスエフォート法・ダイナミックエフォート法・リピテーションエフォート法という3つの手法を組み合わせ、考案者ルイ・シモンズ氏(1947〜2022年)がソ連式・ブルガリア式を融合させて発展させた。
「コンジュゲート法(Conjugate Method)」は、米オハイオ州コロンバスの招待制パワーリフティングジム「ウエストサイド・バーベル(Westside Barbell)」で生まれた、メイン種目を毎週入れ替えながら最大筋力とスピードを同時に伸ばすトレーニング体系である。考案者のルイ・シモンズ氏(Louie Simmons、1947〜2022年)が、ソ連とブルガリアの2つのトレーニング理論を組み合わせて発展させたもので、現在もウエストサイド・バーベル公式サイトが詳細を公開している。
トップ画像:Unsplash(Bradley Gossett)より

コンジュゲート法とはどんなトレーニング体系か
ウエストサイド・バーベル公式サイトの説明によると、コンジュゲート法は「毎週、運動種目と負荷強度をローテーションさせることで身体的な弱点を減らす」ことを目的にしたシステムである。1週間のトレーニングを、最大筋力を試す日、スピードを磨く日、総合的な運動能力(GPP)を高める日に分け、それぞれの日で計画的なボリュームを積み上げて弱点を補強していく構成になっている。
3つの「エフォート法」をどう使い分けるか
公式サイトは、コンジュゲート法の核となる3つの方法を次のように説明している。
| 方法 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| マックスエフォート法(ME) | 最大の抵抗に対して最大の負荷を扱う | カンバードバーのグッドモーニング、SSBボックススクワット、フロアプレス、アクスルデッドリフトなど |
| ダイナミックエフォート法(DE) | 最大ではない負荷を可能な限り最高速度で動かす | バンド抵抗スクワット、スピードベンチ、バンド付きデッドリフトなど |
| リピテーションエフォート法(RE) | 最大ではない負荷を疲労困憊まで繰り返す | ディップス、スレッドドラッグ、トライセプスエクステンション、バーベルロウなど |
公式サイトは、RE法について「疲労した状態での最後の数回で最大の力が発達する」という考え方を紹介している。
なぜ毎週メイン種目を変えるのか
公式サイトによれば、ME種目は毎週ローテーションさせることで燃え尽き(バーンアウト)を防ぎ、約9週ごとに再テストを行うとされる。DE種目は3週間を1つの波形(ウェーブ)として負荷を変化させ、3週間ごとに種目自体を変更する。全体の作業量の配分は、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトといった主要種目が約20%、RE中心の特別種目(補助運動)が約80%を占めるという。通常は週4日の構成だが、公式サイトでは週2〜3日しか確保できない選手向けの調整方法も示されている。
どんな歴史的背景から生まれたのか
公式サイトの解説では、コンジュゲート法は2つの既存システムを土台にしている。1つは旧ソ連式で、高いボリュームと戦略的な補助種目を重視し、主要種目で100%を超える試技はほとんど行わない。公式サイトは、ソ連の運動生理学者ザツィオルスキー(Zatsiorsky)の知見として「最大努力が筋肉間・筋肉内の協調性を高め、中枢神経系の抑制を減らす」という考え方を紹介している。もう1つはブルガリア式で、1日に複数回のセッションを行い、高頻度で最大近くの単発挙上を行う方法だが、負傷や燃え尽きのリスクも大きいという。シモンズ氏はこの2つを組み合わせ、独自の体系を築いたと公式サイトは説明している。
考案者ルイ・シモンズ氏とウエストサイド・バーベルについて
公式サイトとRogue Fitness公式サイトによると、シモンズ氏は1947年生まれで、2022年に74歳で死去した。約30〜40年にわたりエリート級のパワーリフティング選手として競技し、5つの階級で「エリート」資格を得たとされる。ウエストサイド・バーベルは1970年代後半にオハイオ州コロンバスで設立された招待制のジムで、1950年代にカリフォルニア州カルバーシティにあった同名クラブの名を受け継いでいる。Rogue Fitness公式サイトは、シモンズ氏を「現代パワーリフティングの父」と紹介し、コンジュゲート法はパワーリフティングだけでなくクロスフィットやアメリカンフットボール、陸上など幅広い競技に影響を与えたとしている。
よくある質問
コンジュゲート法は初心者でもできるのか
公式サイトも「非線形でフィードバックに基づくプログラミングは、初心者には難しい場合がある」と述べている。専用の補助器具を使う種目も多く、経験のあるコーチの指導を受けながら取り入れるのが望ましい。
プログレッシブオーバーロードとはどう違うのか
プログレッシブオーバーロードは負荷や量を段階的に増やす「原則」であるのに対し、コンジュゲート法は種目自体を毎週入れ替える「具体的な週間プログラムの体系」である点が異なる。
KINNIKU TIMESの視点
コンジュゲート法は、競技パワーリフターが最大挙上重量(1RM)を伸ばすために作られた体系であり、バンドやチェーンといった専用器具を使う種目も多く、一般的なジムでの筋トレより専門性が高い。すぐに模倣するよりも、まずは本誌で紹介したRPE・RIRやプログレッシブオーバーロードといった基礎的な負荷管理を押さえた上で、興味があれば経験のあるコーチの指導のもとで部分的に取り入れるのが現実的だろう。
出典
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