RPE・RIRとは何か、筋トレの強度を自分で決める目安
RPE(自覚的運動強度)とRIR(レプス・イン・リザーブ)は「あと何回挙げられるか」を基準にする負荷調整法である。RPE10が「あと0回(RIR0)」、RPE9が「あと1回(RIR1)」に対応すると、関連論文で定義されている。
「あと何回できるか」を基準にトレーニングの強度を決める方法が、RPE(自覚的運動強度)とRIR(レプス・イン・リザーブ)である。ニュージーランド・オークランド工業大学のエリック・ヘルムス氏らが2016年に『Strength and Conditioning Journal』に発表した論文などで、その実用的な使い方が整理されている。重量計算だけに頼らず、その日の体調に応じてセットごとに負荷を調整できる点が特徴だ。
RPE・RIRとは何か
RPEはもともと全身持久力運動の「しんどさ」を自己評価する指標として使われてきたが、レジスタンストレーニング向けに作り直されたのが、RIR(あと何回挙げられるか)に基づくRPEスケールである。米フロリダ・アトランティック大学のマイケル・ザードス氏らが2016年に『Journal of Strength and Conditioning Research』で報告した論文では、RPE10が「もう1回も挙げられない(RIR0)」、RPE9が「あと1回なら挙げられる(RIR1)」に対応すると定義されている。数値が1つ下がるごとに、おおむね「あと1回分」の余力が増えると捉えるスケールである。
なぜ重量の数字だけでは不十分なのか
同じ80kgのスクワットでも、睡眠不足の日と好調な日では「きつさ」は違う。ヘルムス氏らの論文は、RIRベースのRPEを使えば、こうした日々の体調の違いをふまえてセットごとに負荷や回数を微調整できる可能性があると述べている。実際の挙上速度(バーの動く速さ)とRPE・RIRの間には強い相関があることも、ザードス氏らの研究で確認されている。
使い方の目安
一般的な使い方としては、メインのセットを「RPE7〜9(RIR1〜3)」の範囲に収める方法が広く紹介されている。限界(RPE10)まで追い込むセットを毎回続けると、疲労がたまりやすく、オーバートレーニングのリスクも高まる。追い込みの頻度と回復のバランスを取るうえで、RPE・RIRは一つの目安になる。回復が追いつかなくなるサインについては、オーバートレーニング症候群の解説記事で詳しく解説している。
よくある質問
RPE・RIRは初心者でも使えますか。
経験が浅いうちは「あと何回できるか」の自己評価がずれやすいとされる。ザードス氏らの研究でも、経験者と初心者ではRPEの付き方に差が見られた。最初は専門家や指導者と一緒に基準を確認するのが望ましい。
毎回RPE10まで追い込むべきですか。
必ずしもそうではない。限界までの追い込みを毎セット続けると回復が追いつかなくなる場合がある。種目や周期によってRPEの目標値を変える使い方が一般的である。
KINNIKU TIMESの視点
重量だけを記録するトレーニング日誌に、RPEやRIRという「余力」の感覚を加えると、好不調に応じた調整がしやすくなる。ただし感覚である以上、個人差や慣れの影響を受けやすいツールでもある。腰や関節に不安がある場合、自己判断で限界まで追い込むのではなく、医師や専門家に相談のうえで強度を決めてほしい。
出典:Helms ER, Cronin J, Storey A, Zourdos MC. "Application of the Repetitions in Reserve-based Rating of Perceived Exertion Scale for Resistance Training." Strength and Conditioning Journal, 2016, 38(4): 42-49. / Zourdos MC, et al. "Novel Resistance Training-specific Rating of Perceived Exertion Scale Measuring Repetitions in Reserve." Journal of Strength and Conditioning Research, 2016, 30(1): 267-275.
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