【15研究34群】Schoenfeld 2017の週10セット超の根拠を読む
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「筋肥大は週10セット以上」という目安は、どこから来たのでしょうか。よく引用される Schoenfeld 氏らの2017年のメタ分析を、数字と限界の両方から読み解きます。
Schoenfeld 氏らの2017年のメタ分析は、15研究・34群を統合し、週のセット数が多いほど筋肥大が大きい量反応関係を示しました。
- 1セット増えるごとに、筋肉の増加が約0.37%上がる関係
- 各研究の中で量が多い群は、少ない群より増加率が約3.9%大きかった
- 3段階(5未満・5〜9・10以上)の比較は、P=0.074で傾向にとどまった
- 観察的な統合のため、増やせば必ず伸びる証明ではない
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週のセット数別の、筋量の増加率(概算)
この記事でわかること
- Schoenfeld 2017 が何を、どう調べたか
- 3つの分析の結果と、P値の意味
- 1セット増やすと何%変わるかの計算例
- この結果をどこまで信じてよいか
15研究34群を統合した Schoenfeld 2017 の中身
この論文は、Schoenfeld 氏、Ogborn 氏、Krieger 氏による系統的レビューとメタ回帰です。筋トレの週あたりの総量と、筋肉の大きさの変化の関係を調べました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 統合した研究 | 15研究・34の治療群 |
| 量の測り方 | 1筋群あたりの週のセット数 |
| 評価したもの | 筋肉の大きさの変化 |
| 掲載 | Journal of Sports Sciences 35(11)、2017年 |
論文は2016年にオンラインで公開され、2017年6月号に掲載されました。KINNIKU TIMESでは公開年を基準に紹介する場合もあり、年の表記が異なることがあります。
週10セット超の根拠:3つの分析の結果
抄録は、量の扱い方を変えた3つの分析を報告しています。結果の強さが違う点が大切です。
| 分析 | 結果 | P値 |
|---|---|---|
| セット数を連続値で扱う | 1セットごとに効果量+0.023(増加率+0.37%) | 0.002 |
| 各研究の中で量が多い群と少ない群 | 効果量の差0.241(増加率の差3.9%) | 0.03 |
| 3段階(5未満・5〜9・10以上) | 傾向あり | 0.074 |
連続値と、各研究内の比較では、量の効果は統計的に有意でした。一方、よく引用される「5未満・5〜9・10以上」の3段階では、P値が0.074で、一般的な基準の0.05に届いていません。
| 週のセット数 | 効果量 | 増加率(概算) |
|---|---|---|
| 5セット未満 | 0.307 | 約5.4% |
| 5〜9セット | 0.378 | 約6.6% |
| 10セット以上 | 0.520 | 約9.8% |
10セット以上の群は、5セット未満の群より約4.4ポイント(9.8−5.4)大きい概算です。著者らは、量が増えるほど筋肥大が大きい段階的な量反応関係があると結論づけています。詳しくは週何セット必要かの解説にまとめています。
1セット増やすと何%変わるか、計算してみる
「1セットごとに+0.37%」を使い、週のセット数を増やしたときの目安を出します。計算は単純な直線を仮定した例です。
| 増やし方 | 追加セット | 増加率の目安 |
|---|---|---|
| 週6セット→10セット | 4 | 約+1.48% |
| 週10セット→14セット | 4 | 約+1.48% |
計算は、4セット×0.37=1.48%です。1セットを600kg(60kg×10回)とします。
すると4セットで、週の総負荷量は2,400kg増えます。約2,400kgの増加が、約1.5ポイントに対応する見方です。
ただし、この直線は平均の傾きです。2026年の67研究のメタ回帰分析では、セットを増やすほど伸びるものの、追加効果は次第に小さくなる頭打ちの関係が示されています。10セットから14セットが、6セットから10セットと同じ効果とは限りません。
この頭打ちの考え方は週セット数の頭打ちを示したメタ分析の解説に、新しい指針はACSM指針の解説にあります。
この結果をどこまで信じてよいか
- 観察的なメタ回帰で、量を無作為に割り当てた結果ではない
- 研究ごとに、期間・経験・測定方法が異なる
- 量は「セット数」で測り、重量や追い込みの差は含まれにくい
- 3段階の比較は、統計的に確実とは言えない
つまり、「セットを増やせば必ず伸びる」ではなく、「平均的には、量が多い群ほど伸びが大きかった」と読むのが正確です。個人の回復力や経験で、最適な量は変わります。
自分の週のセット数は、部位ごとに数えると確かめられます。数え方の例はボリューム不足のサインの解説にまとめています。Souhukaの部位別グラフでは、8部位の総負荷量の推移を確認できます。登録なしで総負荷量を計算することもできます。
向かない人もいます。回復が追いつかない人、痛みがある人は、数字の目安よりも体の反応を優先してください。持病がある場合は、医師に相談しましょう。
よくある質問
Schoenfeld 2017のメタ分析は何を示しましたか
15研究・34群を統合し、週のセット数が多いほど筋肥大が大きい、段階的な量反応関係を示しました。1セット増えるごとに、増加率が約0.37%上がる関係でした。
週10セットは必須ですか
必須とは言えません。3段階の比較はP=0.074で傾向にとどまります。ただし、連続値の分析では量の効果が有意でした。
セットを増やせば増やすほど伸びますか
この論文は直線的な関係を報告しましたが、後の67研究の分析では、増やすほど追加効果が小さくなる頭打ちが示されています。
2016年と2017年、どちらが正しい年ですか
オンライン公開が2016年で、雑誌の掲載号が2017年6月です。どちらも同じ論文を指します。
まとめ
- この論文は、15研究・34群を統合した量反応関係の分析です
- 連続値と各研究内の比較では、量の効果が有意でした
- 3段階の週10セット以上の比較は、P=0.074で傾向にとどまります
- 1セット約+0.37%は平均で、頭打ちの可能性があります
記録を始めると、前回の重量と回数が記録画面に出ます。超える数字がひと目でわかります。
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出典
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. Journal of Sports Sciences 35(11):1073-1082(2017年)。15研究・34群(2026年10月確認)
- Pelland JC ほか. Sports Medicine 56(2):481-505(2026年)。67研究・2,058人(2026年10月確認)