【理由別の対策表】ジムの退会理由で多いものと、変えられる理由の見つけ方
ジムの退会理由は、「時間がない」「続かない・面倒」「効果を感じない」「お金」「引っ越し・体調」「混雑や人間関係」のように、ジムが変えられる理由と変えにくい理由に分けて考えると対策が決めやすくなります。スポーツ庁の調査(令和7年11月調査)でも、運動の頻度が減った・増やせない理由の上位は「仕事が忙しいから」「面倒くさいから」「体力が衰えたから」でした。退会のときに理由を選択肢で集め、数の多い理由のうちジムが変えられるものから手を打ちましょう。
運動・スポーツの頻度が減った・増やせない理由(上位3つ、複数回答)
よくある退会理由と、理由別の対策
退会理由は、会員が口にした言葉そのままではなく、裏にある原因で分けると対策が見えます。「忙しくなった」の裏には「通う時間帯が合わない」があり、「効果がない」の裏には「メニューがわからない」があることもあります。下の表は、よくある理由を原因と対策で整理したものです。
| 退会理由 | 裏にありがちな原因 | ジムができる対策の例 |
|---|---|---|
| 時間がない・忙しい | 通える時間帯と営業時間・混む時間が合わない | 短時間メニュー、空いている時間の案内、休会制度 |
| 続かない・面倒 | 来る理由が「自分の意思」だけになっている | 予約制の少人数クラス、スタッフの声かけ、会員どうしのつながり |
| 効果を感じない | 目標とメニューが合っていない、変化を測っていない | 月1回の振り返り、体の測定、メニューの見直し |
| 料金が高い | 使う回数に対して料金が見合わないと感じる | 回数の少ないプラン、平日昼のプランへの変更 |
| 引っ越し・転勤 | 物理的に通えない | ほかの店舗への移籍(多店舗の場合)、再入会の案内 |
| 体調・けが | 一時的に運動ができない | 休会制度、復帰したときの案内 |
| 混雑・設備・人間関係 | 待ち時間、清掃、ほかの会員のマナー | 混雑状況の表示、清掃の見直し、ルールの掲示 |
表のうち、引っ越しのようにジムが変えられない理由は、無理に引き止めるより、気持ちよく送り出して再入会につなげるほうが得策です。力を入れるべきは、「続かない」「効果を感じない」「混雑」のように、ジムの運営で変えられる理由です。
公的な調査から見る「続かない理由」
自分のジムの退会理由を集める前に、運動が続かない理由の全体の傾向を知っておくと、選択肢を作るときの参考になります。スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査(令和7年11月調査)」(2026年10月23日確認)では、1年前に比べて運動・スポーツの実施頻度が減った、または増やせない理由(複数回答)として、次の結果が示されています。
- 「仕事が忙しいから」26.5%で最も高く、次いで「面倒くさいから」22.8%、「体力が衰えたから」15.2%
- 性別では、「仕事が忙しいから」は男性、「家事が忙しいから」は女性の割合が高い
- 年代別では、「家事が忙しいから」「育児が忙しいから」は30代が最も高く、「仲間がいないから」は年齢が低いほど高い
この調査はジムの退会者だけを対象にしたものではありませんが、「忙しさ」と「面倒さ」が運動の続けにくさの大きな理由であることがわかります。30代の女性会員が多いジムなら家事・育児と両立できる時間帯や短いメニュー、若い会員が多いジムなら一緒に通う仲間づくりのように、会員の層に合わせて対策の重みを変えましょう。
退会理由の集め方と記録のしかた
退会理由は、集め方しだいで役に立つかどうかが決まります。自由に書いてもらうだけだと、集計できず対策につながりません。退会の手続きの中に、短い選択式の質問を入れるのが基本です。
| 集め方 | やり方の例 | 注意すること |
|---|---|---|
| 退会フォームの選択肢 | 上の表の理由を選択肢にし、1つ選んでもらう。「その他」に自由記述欄 | 答えなくても退会できるようにする |
| 受付での一言 | 手続きのときに「差し支えなければ」と聞き、スタッフが選択肢で記録 | 引き止めの場にしない。聞いた内容は事実だけを書く |
| 来館の記録と合わせる | 退会前の3か月の来館回数を一緒に記録する | 「来なくなってから辞めた」のかを見分けられる |
体調や病気を理由に退会する会員もいます。個人情報保護法(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)では、病歴などは「要配慮個人情報」に当たり、第20条第2項で、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならないとされています。選択肢は「体調・けが」までにとどめ、病名などをくわしく書かせたり、スタッフが記録したりしないようにしましょう。集めた理由は、個人を特定しない形で集計して使います。
月の退会率が理由別の対策でどれだけ下がるかを入れると、会員数と売上がどう変わるかを試算できます。どの理由から手を打つかの優先順位を決めるのに使ってください。
収益改善シミュレーションを無料で使う対策の優先順位の決め方
理由が集まったら、毎月同じ形で集計し、次の順で対策を決めます。全部に同時に手を打つと、何が効いたのかわからなくなります。
- 手順1:3か月分の退会理由を集計し、多い順に並べる
- 手順2:上の表で「ジムが変えられる理由」に当たるものだけを残す
- 手順3:一番多い理由に対して、対策を1つだけ決めて1〜2か月続ける
- 手順4:その理由で辞めた人の数と、月の退会率の変化を見る
- 手順5:効果があれば続け、なければ別の対策に替える
たとえば「続かない・面倒」が一番多いなら、入会後30日のフォローや少人数のクラスから始めます。「混雑」が多いなら、混雑状況の表示や、混む時間帯のマシンの配置を見直します。ジム開業ナビの試算モデルが示すとおり、会員数が落ち着く先は「月の新規入会 ÷ 月の退会率」で決まるので、退会率を少し下げるだけでも、集客を増やすのと同じ効き方をします。
よくある質問
ジムの退会理由で一番多いのは何ですか?
ジムの退会理由だけを全国でまとめた公的な統計は見当たりませんでした。参考として、スポーツ庁の調査(令和7年11月調査)では、運動の頻度が減った・増やせない理由の1位は「仕事が忙しいから」26.5%でした(2026年10月23日確認)。自分のジムの理由を集めるのが確実です。
退会理由を聞くのは失礼になりませんか?
答えなくても退会できる形にし、「今後の改善のため」と目的を伝えれば、聞くこと自体は一般的です。引き止めの場にしないことが大切です。
体調を理由に辞める会員の病名を記録してもよいですか?
病歴は個人情報保護法の要配慮個人情報に当たり、原則として本人の同意なく取得できません(2026年10月23日確認)。「体調・けが」の選択肢にとどめ、くわしい内容は記録しないようにしましょう。
退会理由がわかったら、まず何をすればよいですか?
一番多い理由のうち、ジムが変えられるものを1つ選び、対策を1〜2か月続けて退会率の変化を見ます。変えにくい理由(引っ越しなど)は、再入会の案内で関係を残しましょう。
出典
- スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査(令和7年11月調査)」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」第20条(2026年10月23日確認)
- ジム開業ナビ「退会率」(2026年10月)
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