【6項目の例】ジムの測定会のやり方|安全確認と継続への使い方
ジムの測定会は、会員の継続を支える企画として使えます。ただし、退会が減るとは言い切れず、安全の確認と個人情報の管理が前提です。
測定会では、体組成や体力を数字にして、半年ごとなど決まった間隔で比べます。数字の変化を会員と一緒に見ることが、通い続ける理由になります。
体力の測定項目は、スポーツ庁の「新体力テスト」が参考になります。2026年10月25日に実施要項を確認しました。
測定会の流れ(4つの手順)
測定会で何を測るか
測定会の項目は、会員が変化を実感しやすく、短時間で終わるものを選びます。スポーツ庁の新体力テスト(20歳〜64歳対象)は、次の6項目です。急歩と20mシャトルランは、どちらか一方を選びます。
| 項目 | 測るもの | ジムでの使いやすさ |
|---|---|---|
| 握力 | 握る力 | 握力計があれば短時間で測れる |
| 上体起こし | 腹筋まわりの筋力・持久力 | マット1枚で実施できる |
| 長座体前屈 | 柔軟性 | 測定器か手作りの台が必要 |
| 反復横とび | 敏捷性 | 床にラインを引く広さが要る |
| 急歩・20mシャトルラン | 全身持久力 | 広さと時間が必要。体への負荷が大きい |
| 立ち幅とび | 瞬発力 | 着地の安全に配慮が要る |
ジムでは、体組成計、握力、柔軟性、トレーニングの種目の記録(会員の希望があれば)が現実的です。急歩やシャトルランは、体への負荷が大きいため、無理に入れないほうが安全です。
体組成計の数字は、機種や測る時間帯で変わります。同じ機種、同じ時間帯で測り、「前回との比較」として見ることをすすめます。
実施前の安全確認で決めておくこと
新体力テストの実施要項は、実施上の一般的注意として、被測定者の健康状態に十分注意し、事故防止に万全を期すことを求めています。医師から運動を禁止または制限されている人と、当日に発熱や倦怠感などの体の異常を訴える人には行いません。
また、40歳以上では、体調や自覚症状のチェックに加えて、血圧と心拍数の測定を必ず行うとされています。可能な限り、医師が立ち会うことが望ましいとも書かれています。
- 参加前の確認書:体調・持病・服薬・けがを書いてもらい、当日に体の異常がないかも聞く
- 医師の許可:薬の治療を受けている人は、可能な限り主治医の許可を得てもらう
- 準備運動:測定の前後に、準備運動と整理運動を入れる
- 水分と環境:水分補給ができる状態にし、換気に気を配る
- 無理をさせない:途中でやめてよいことを最初に伝える
ジムの測定会は学校の調査とは違い、法律で義務づけられた手順ではありません。ただ、同じ考え方を参考にすると、事故の可能性を減らせます。事故に備える保険の内容は、保険会社または専門家に確認してください。
測定会の効果を数字で考える
測定会の目的は、会員の継続です。まず、退会率が変わると会員数がどう動くかを計算します。会員数が落ち着く先は、月の新規入会を月の退会率で割った数です(ジム開業ナビの考え方)。
| 前提(説明用の例) | 月の新規入会 | 月の退会率 | 会員数の落ち着く先 |
|---|---|---|---|
| 測定会の前 | 20人 | 5% | 400人(20÷0.05) |
| 退会率が1ポイント下がった場合 | 20人 | 4% | 500人(20÷0.04) |
この例では、会員が100人増えます。月会費を7,000円とすると、月70万円の差です。ただし、数字はすべて説明用の例です。測定会を開いたからといって、退会率が下がるとは限りません。
一方、ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、24時間ジム30坪の損益分岐は232人、パーソナルジム15坪は46人です。会員が少ないジムほど、数人の退会が経営に響きます。
退会率が変わると、損益分岐や利益がどう動くかを試算できます。ジムの会費と会員数を入れて、測定会にかける費用の目安を決めてください。
損益分岐の会員数を試算する(無料)登録は不要で、入力した数字は試算のためだけに使います。
測定結果の扱いと、向かないケース
体重や体組成、握力の記録は、個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、利用目的をできる限り特定し、申込書などで直接取得するときはあらかじめ示すことを求めています。
- 測定前に「何のために使うか」を書面で伝える(例: 会員への結果の説明、次回の比較)
- 他の会員に結果が見えない場所で説明する
- 掲示や投稿に使うときは、本人の同意を得る
- 結果の保管場所と、退会後の扱いを決める
次のような場合は、測定会が向きません。
- 会員数が少なく、日ごろの会話で状態を把握できている
- 測定をするスタッフと時間が足りず、説明が雑になる
- 数字の悪さで、会員の気持ちを下げてしまう運用になりやすい
運営の考え方は、ジムのイベント企画、ジムの退会防止、トレーニング記録アプリの記事も参考にしてください。
よくある質問
ジムの測定会は、どのくらいの間隔で開くのがよいですか?
決まりはありません。変化が数字に出るまでの期間を考え、3か月から半年ごとにする例が考えられます。スタッフの負担も合わせて決めます。
体組成計での測定は、誰でも安全ですか?
機種によっては、取扱説明書に使用できない人や注意が必要な人が書かれています。必ず確認し、該当する会員には使わないでください。
測定会は無料で開くべきですか?
会員向けの無料企画にして、継続を支える使い方が考えやすいです。外部の人も参加できる有料の形にする場合は、費用と会場の安全を先に計算してください。
測定の結果をSNSに載せてもよいですか?
本人の同意がある場合だけにします。同意の内容と範囲は、書面で残してください。
出典
- スポーツ庁「体力・運動能力調査-調査の概要」(新体力テスト実施要項(20歳〜64歳)、2026年10月25日確認)
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2026年10月25日確認)
- FITPEAK Business「ジム開業ナビ 開業費用」(試算モデル、2026年10月)
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