【記録の4種類】ジムのトレーニング記録アプリの選び方|継続と個人情報の注意
ジムのトレーニング記録アプリは、「会員が自分で記録するもの」と「ジムが会員の記録を預かるもの」の2種類に分けて選びます。
会員の継続に使うなら、記録の手間が少ないことが最優先です。入力が面倒だと、使われないまま終わります。
体重や体組成などを預かる場合は、個人情報の扱いも決めておきます。ただし、記録アプリを入れれば退会が減るとは言い切れません。
トレーニング記録の4つのやり方
| やり方 | 記録する人 | ジムの手間 |
|---|---|---|
| 会員が市販の記録アプリを使う | 会員本人 | ほぼなし |
| ジム専用アプリ・会員アプリ | 会員本人(ジムが閲覧) | 契約・運用の手間と費用 |
| 紙のカード・ノート | 会員またはスタッフ | 回収・保管の手間 |
| スタッフが入力する | スタッフ | 人件費がかかる |
記録アプリで何を残すか
最初に決めるのは、アプリの種類ではなく「何を残すか」です。残す項目が多いほど、会員の入力は続きにくくなります。
| 項目 | 残す意味 | 入力の負担 |
|---|---|---|
| 来店日・来店回数 | 通う頻度の変化に気づける | 入館システムで自動記録できる場合は小さい |
| 種目・重量・回数 | 前回との比較で伸びが見える | 大きい(毎回入力) |
| 体重・体組成 | 体の変化を数字で確認できる | 測定器があれば中程度 |
| 目標と振り返りメモ | 通う理由を思い出せる | 月1回程度なら小さい |
おすすめは、来店日の記録から始める形です。通う頻度が落ちた会員に早く声をかけやすく、会員に入力を頼む必要もありません。来店記録の見方は、ジムの来店頻度の見方の記事で整理しています。
種目・重量・回数の記録は、会員自身が使う市販のアプリや紙のノートに任せる方法もあります。ジムが全部を預かる必要はありません。
アプリの費用はいくらまでか
運営システムの費用は、固定費の一部です。ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、24時間ジム30坪の運営システムは導入25.5万円、月額5.3万円です。
| 項目 | 試算モデルの値 | 前提 |
|---|---|---|
| システム導入 | 25.5万円 | 24時間ジム30坪・マシン13台 |
| システム月額 | 5.3万円 | 同上 |
| 月の費用の合計 | 202万円 | 目標会員数のとき |
| 損益分岐 | 232人 | 月会費・変動費はモデルの設定 |
システム月額は、月の費用の約2.6%にあたります(5.3万円÷202万円の計算。ジム開業ナビの試算モデル)。
記録アプリを別に契約すると、この月額に上乗せされます。いくら上がると、何人の会員を残せば元が取れるかを先に計算します。
計算式は、増える月額 ÷ 会員1人の月会費です。たとえば月額が3万円増え、月会費が8,000円なら、3.75人(3万円÷8,000円)。つまり、4人の退会を防げれば元が取れる、という例です。この月会費は説明用の例です。
記録アプリの月額を足すと、損益分岐の会員数がどれだけ動くかを確かめられます。ジムの条件を入れて、費用の全体を見てください。
月の費用と損益分岐を試算する(無料)登録は不要で、入力した数字は試算のためだけに使います。
会員の記録を預かるときの注意
会員の体重や来店記録は、個人情報にあたります。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、次の点が示されています(2026年10月25日確認)。
- 利用目的の特定:できる限り特定する。「事業活動に用いるため」のような抽象的な書き方では足りない(法第17条)
- 利用目的の明示:申込書などで直接取得するときは、あらかじめ利用目的を示す(法第21条)
- 安全管理措置:組織的・人的・物理的・技術的の4つの面で必要かつ適切な措置をとる(法第23条)
- 要配慮個人情報:健康診断の結果などは、原則として本人の同意を得て取得する(法第20条)
会員が自分で測った体重は、健康診断の結果とは別のものです。ただ、会員が診断結果や持病を書き込める欄を作ると、要配慮個人情報にあたる場合があります。そうした欄は必要なときだけ用意し、扱いは弁護士または個人情報の相談窓口に確認してください。
2026年7月には改正個人情報保護法が公布されました。施行はこれからで、細則は政令・規則で決まる段階です。アプリを選ぶ前に、事業者の対応予定も確かめます。
記録アプリを選ぶ前の確認と、向かないケース
- 残したい項目を、来店・体の数字・メモのどれにするか決める
- 会員が記録を入力する場面と、所要時間を想像する
- 退会時に、記録のデータをどう扱うか(削除・返却)を決める
- 解約の条件と、データの持ち出し方法を事業者に聞く
- 月額の増加分が、損益分岐に与える影響を計算する
次のようなジムでは、専用の記録アプリが向かない場合があります。
- 会員数が少なく、スタッフが一人ひとりの様子を直接見られる
- 無人運営で、スタッフが記録の見直しに時間を割けない
- 会員の多くが、すでに自分の記録アプリを使っている
記録は、見返す仕組みがあって初めて意味を持ちます。記録が増えるだけで誰も見ないなら、費用だけが残ります。入会初期の声かけは入会直後の会員フォロー、退会を減らす考え方はジムの退会防止の記事も参考にしてください。
よくある質問
ジムのトレーニング記録アプリは、会員に使わせるべきですか?
必須ではありません。使わせるなら、入力が少ないものを選びます。来店記録だけでも、通う頻度の変化は見えます。
自作のアプリやLINEで記録を取れますか?
可能ですが、個人情報の管理と保守の手間はジムの責任になります。作り方はジムの会員アプリ、LINEミニアプリの記事を参照してください。
記録アプリで退会は減りますか?
減るとは言い切れません。記録を見て声をかける運用があって初めて、効果が出る可能性があります。導入の前後で退会率を比べて確かめます。
会員の体重の記録を預かるのは違法ですか?
預かること自体が禁止されているわけではありません。利用目的を示し、安全に管理することが求められます。具体的な扱いは、弁護士や個人情報の相談窓口に確認してください。
出典
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2026年10月25日確認)
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」(2026年10月25日確認)
- FITPEAK Business「ジム開業ナビ 開業費用」(試算モデル、2026年10月)
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