【表で比較】ピラティスとバレエエクササイズの違い|姿勢・強さ・研究
「ピラティスとバレエエクササイズは何が違うの?」と迷う人に向けて、運動の中身、強さ、研究でわかっていることを表で比べました。
ピラティスは寝た姿勢やマシンで体幹と呼吸を整える運動、バレエエクササイズはバーにつかまり立って脚や姿勢を使う運動です。
- ピラティスは体幹の安定と呼吸を意識して、体をコントロールします
- バレエエクササイズは、バレエの基本動作をもとに立った姿勢で動きます
- ピラティスは系統的レビューなどの研究が比較的多く、バレエエクササイズは研究がまだ少ない状況です
- 痛みや持病がある人は、始める前に医師に相談してください
ピラティスとバレエエクササイズの違い
- あお向け・横向きなど寝た姿勢の種目が多い
- マットか、リフォーマーなどのマシンを使う
- 体幹の安定・呼吸・背骨の動きを重視
- 研究(系統的レビュー)が比較的多い
- 立った姿勢でバーにつかまる種目が中心
- バー、マット、小さなボールなどを使う
- 脚の動き・姿勢・バランスを重視
- フィットネスとしての研究はまだ少ない
この記事でわかること
- ピラティスとバレエエクササイズの姿勢・道具・重視することの違い
- メッツ表で見る運動の強さ
- 研究でわかっていることと、まだわからないこと
- 目的別の選び方と、体験で確かめる点
- 妊娠中や痛みがあるときの注意
ピラティスとバレエエクササイズの違い
ピラティスは、ジョセフ・ピラティスが考えた運動法です。体幹の安定・筋力・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸を重視する運動と整理されています(Wellsら, 2012)。
一方、バレエエクササイズは、バレエのレッスンで使うバー(手すり)や基本の動作を取り入れたフィットネスです。「バレエエクササイズ」「バーレッスン」など、スタジオによって呼び方も内容もさまざまです。
| 比べるところ | ピラティス | バレエエクササイズ |
|---|---|---|
| 主な姿勢 | 寝た姿勢・四つ這い・座った姿勢が多い | 立った姿勢が中心 |
| 使う道具 | マット、リフォーマーなどのマシン、小道具 | バー、マット、ボールやバンドなど |
| 重視すること | 体幹の安定、呼吸、背骨を一つずつ動かすこと | 脚のポジション、姿勢、片脚で立つバランス |
| 動きの特徴 | ゆっくりコントロールしながら動く | 小さな動きをくり返したり、音楽に合わせたりすることが多い |
| 研究の量 | 系統的レビューやメタ分析がある | フィットネスとしての研究は少ない |
なお、ピラティスの歴史をまとめたPilates Method Alliance(PMA)の資料があります。それによると、考案者は1930年代後半以降のニューヨークで、ダンサーのけがのケアが評判になりました。多くのダンサーが彼のもとで学んだとされています(Pilates Method Alliance)。ピラティスとダンスは歴史的にもつながりがあります。
運動の強さ(メッツ)で比べると
運動の強さは「メッツ」で表します。安静に座っている状態を1としたとき、何倍のエネルギーを使うかを示す値です。日本語版の表では、次のようになっています。
| メッツ表の項目 | メッツ |
|---|---|
| ピラティス:伝統的、マットを用いた | 1.8 |
| ピラティス:全般 | 2.8 |
| バレエ:モダン、ジャズ、全般、リハーサルや教室 | 5.0 |
| バレエエクササイズ(プリエ、タンデュ、ジュッテ、ロン・ドゥ・ジャンブなど) | 6.3 |
出典:中江・吉村・小野「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」(PDF)
注意したいのは、メッツ表の「バレエエクササイズ」が、バレエの基本動作そのものを指す項目である点です。フィットネスクラブのクラスと同じ強さとは限りません。クラスによって、ゆったりしたものから息が上がるものまで幅があります。数字は目安として考えましょう。
研究でわかっていること
| テーマ | ピラティス | バレエエクササイズ |
|---|---|---|
| 慢性腰痛 | 118の試験の分析で、痛みや支障を減らす運動の上位だったという結果(Fernández-Rodríguezら, 2022) | 本記事で調べた範囲では、系統的レビューは見当たらなかった |
| 体重 | 過体重・肥満の大人で体重が平均2.40kg減ったという分析(Wangら, 2021)。研究の質には課題がある | 同上 |
| 高齢者のバランス | 60歳以上でバランスや転倒リスクの指標が改善したという分析(Fernández-Rodríguezら, 2021) | 同上 |
研究が少ないことは「効果がない」という意味ではなく、「まだよくわかっていない」という意味です。厚生労働省のガイドは、高齢者向けの多要素な運動の例として、体操やダンス、ヨガなど多様な動きを伴う運動を挙げています(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)。楽しく続けられることも、運動を選ぶ大切な基準です。
どちらを選ぶ?目的別の考え方
- 体幹や呼吸、姿勢を細かく見てもらいたい:ピラティス。特にマシンピラティスは、ばねで負荷や支えを調整できます。
- 音楽に合わせて楽しく、立った姿勢で動きたい:バレエエクササイズ。
- 腰や首に不安がある:どちらの場合も医師に相談し、痛みが出ない内容かを体験で確かめます。
- 研究を参考に選びたい:現時点ではピラティスのほうが研究の蓄積があります。
どちらにするか決めきれないときは、体験レッスンで次の点を確かめるのがおすすめです。
- 動いている間に、腰や首、ひざに痛みが出ないか
- 先生の説明と、実際の動きの難しさが自分に合っているか
- 通う頻度を無理なく続けられそうか
ピラティスの料金は、スタジオごとに大きく違います。マシンピラティス料金比較で、料金の目安を見られます。ピラティスとほかの運動の違いは、ピラティスとヨガの違いも参考にしてください。
よくある質問
バレエ経験がなくてもバレエエクササイズはできますか?
経験がなくても始められます。初心者向けのクラスを用意しているスタジオもあります。ただし内容はスタジオによって違うため、体験で動きの難しさを確かめましょう。
脚を細くしたいならどちらがいいですか?
どちらの運動でも「脚が細くなる」と言い切れる根拠はありません。体重や体脂肪を減らしたい場合は、食事と運動全体で考える必要があります。
両方やってもいいですか?
体に痛みがなければ、組み合わせてかまいません。厚生労働省は大人に筋力トレーニングを週2〜3日すすめています。疲れが残らない範囲で予定を組みましょう。
妊娠中でもできますか?
妊娠中は、運動してよいか、どの動きを避けるべきかを必ず医師に相談してください。片脚立ちなどバランスをとる動きには特に注意が必要です。
まとめ
- ピラティスは寝た姿勢やマシンで体幹と呼吸を整える運動です
- バレエエクササイズはバーにつかまり、立った姿勢で脚や姿勢を使います
- メッツ表では、ピラティス(全般)が2.8、バレエエクササイズが6.3です
- 研究が多いのはピラティスで、バレエエクササイズはまだ少ない状況です
- 痛みや持病、妊娠中は、始める前に医師に相談してください
ピラティスのスタジオを比べたい人は、マシンピラティスのおすすめで料金とサポート内容を見られます。
出典
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012
- Pilates Method Alliance「The History of Pilates」
- 中江悟司・吉村英一・小野玲「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」
- Fernández-Rodríguez R, et al. Best Exercise Options for Reducing Pain and Disability in Adults With Chronic Low Back Pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2022
- Wang Y, et al. Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis. Front Physiol. 2021
- Fernández-Rodríguez R, et al. Pilates improves physical performance and decreases risk of falls in older adults. Physiotherapy. 2021
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
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