【職種別の評価項目つき】ジムのスタッフ評価制度の作り方|数字と行動
ジムのスタッフの評価制度は、「数字の評価」と「行動の評価」を組み合わせて作るのが基本です。数字だけだと、立地や季節など本人の力では動かせない要素に左右され、行動だけだと売上とのつながりが見えにくくなります。評価の結果を昇給につなげるなら、昇給の決まりは労働条件の明示事項で、常時10人以上の労働者を使う場合は就業規則にも書く事項なので、評価の基準と昇給の関係を文書にしておきます。
数字の評価と行動の評価
- 体験からの入会の数
- 担当会員の継続
- パーソナル・物販の売上
- 点検・清掃の実施率
- 会員への声かけ
- マニュアルどおりの手順
- 報告・連絡の早さ
- 新人への教え方
評価項目の作り方:職種ごとに「数字」と「行動」を選ぶ
評価の項目は、ジムが伸ばしたいことから逆算して選びます。受付とトレーナーでは役割が違うので、同じ項目で評価しないようにします。
| 職種 | 数字の項目(例) | 行動の項目(例) |
|---|---|---|
| 受付 | 体験からの入会の割合、物販の売上、手続きのミスの件数 | 来館した会員への声かけ、混雑時の案内、引き継ぎの記録 |
| トレーナー | 担当会員の継続、パーソナルの売上、体験の担当数 | 安全の確認、記録の付け方、会員の目的を聞く姿勢 |
| 店長・責任者 | 店舗の会員数、退会率、人件費の割合 | スタッフとの面談の実施、マニュアルの更新、トラブル対応 |
| 清掃・夜間 | チェック表の実施率、器具の不具合の早期報告 | 手順どおりの作業、気づいたことの報告 |
項目は多すぎると覚えられません。1つの職種で数字2〜3個、行動3〜4個ほどに絞り、それぞれ「何ができたら3点か」を言葉で書いておきます。
点数の付け方と、処遇へのつなげ方
点数は5段階より3段階のほうが付けやすく、評価する人によるばらつきも小さくなります。数字と行動の重みは職種で変えます。
| 項目 | 重み(受付の例) | 3点 | 1点 |
|---|---|---|---|
| 体験からの入会の割合 | 30% | 店舗で決めた目標以上 | 目標の半分未満 |
| 手続きのミス | 20% | 半年でミスなし | 同じミスがくり返し |
| 会員への声かけ | 25% | 来館した会員に名前で声をかけている | 声かけがほとんどない |
| 報告・連絡 | 25% | 不具合やクレームをその日に報告 | 報告が遅れる・抜ける |
重みと基準は例です。合計点を「昇給する」「据え置き」などに結びつけるなら、その対応表もあらかじめ示します。
法令との関係では、労働基準法施行規則第5条が、賃金の決定・計算の方法と昇給に関する事項を、契約のときに明示する労働条件に入れています。また労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使う場合、賃金の決定・計算の方法や昇給に関する事項を就業規則に定めることを求めています(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。評価制度を作ったら、就業規則や賃金規程との関係を社会保険労務士に確認しましょう。
評価の項目に「体験からの入会」や「会員の継続」を入れると、スタッフの動きが利益につながりやすくなります。新規入会や退会率を変えたときに利益がいくら変わるかを、24か月の推移で比べてみましょう。
収益改善シミュレーションを無料で使うパート・アルバイトの評価と、待遇の差の説明
パートやアルバイトも、同じ評価の仕組みに入れると働く意欲を保ちやすくなります。正社員と待遇に差を付ける場合は、その理由を説明できるようにしておきます。
パートタイム・有期雇用労働法第8条は、短時間・有期雇用労働者の基本給・賞与などの待遇について、通常の労働者との間で、業務の内容や責任の程度、配置の変更の範囲などに照らして不合理と認められる相違を設けてはならないとしています(2026年10月23日確認)。
- 仕事の内容と責任:正社員は店舗の数字に責任を持ち、パートは担当業務の手順に責任を持つ、など
- 配置の変更の範囲:異動や担当業務の変更があるかどうか
- 評価の基準:職種ごとの基準を同じ仕組みで示し、違いがどこから来るのかを明確にする
運用:面談の時期と、評価する人のそろえ方
- 期初の面談:評価項目と基準を伝え、本人の目標を一緒に決める
- 毎月の振り返り:店舗の数字と本人の数字を共有し、行動について短く話す
- 中間面談:半分の時点で、できていることと足りないことを伝える
- 評価面談:点数と理由を伝え、次の期の目標を話す
評価する人が複数いる場合は、同じ場面を見て点数を付け合わせる練習をすると、基準のずれが小さくなります。評価の記録は、根拠になった出来事と日付を書いて残しておきます。
数字だけで評価しないことも大切です。会員の数は立地や季節、近くの競合の出店でも変わります。数字が下がった月は、行動の評価と合わせて、本人が動かせた部分を話し合いましょう。
よくある質問
小さなジムでも評価制度は必要ですか?
スタッフが数人でも、何ができたら給与が上がるのかが見えると、続けて働く理由になります。項目を絞った簡単な表から始めましょう。
評価項目に売上を入れてもよいですか?
入れてもかまいませんが、本人が動かせる範囲の数字にします。売上だけを重く見ると無理な勧誘につながることがあるので、行動の評価や退会の数字と組み合わせます。
評価の結果で給与を下げてもよいですか?
給与を下げる仕組みは、就業規則や労働契約での定め、本人への説明など手続きが関わります。導入する前に社会保険労務士に確認してください。
パートとアルバイトで評価を分ける必要はありますか?
呼び方ではなく、仕事の内容と責任で項目を分けます。同じ仕事をしているなら、同じ基準で評価するのが基本です。
出典
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第5条(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「労働基準法」第89条(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」第8条(2026年10月23日確認)
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