【退会率1ポイントの差を計算】ジムの閑散期対策|夏・年末に会員を減らさない
ジムの閑散期対策は、入会が減る夏(7〜8月)と年末(12月)に「新規を無理に集める」より、「今いる会員を減らさない」「会員1人あたりの売上を少し上げる」「固定費と資金繰りを先に整える」の3つに力を移すことです。会員数は「前月の会員数 ×(1 − 退会率)+ 新規入会」で動くため、新規が減る月ほど退会率の差が会員数に大きく響きます。やめたい人に休会を選べる仕組みを用意しておくことも、閑散期の会員数を守る手になります。
閑散期の3か月で、退会率の違いが会員数に与える差(例)
閑散期の数字の見方:新規が減る月は退会が会員数を決める
夏の暑さやお盆、年末の忙しさで、入会が減る月はどのジムにもあります。いつが閑散期かは業態や地域で違うため、まず自店の過去2〜3年の月別の入会・退会を並べて確かめましょう。そのうえで、新規が減る月に会員数がどう動くかを計算しておきます。
| 月(例) | 退会率5%のまま | 退会率4%に改善 |
|---|---|---|
| スタート | 300人 | 300人 |
| 1か月目(新規6人) | 291人 | 294人 |
| 2か月目(新規6人) | 282人 | 288人 |
| 3か月目(新規6人) | 273人 | 282人 |
上の表は「前月の会員数 ×(1 − 退会率)+ 新規入会」で毎月計算した例です(小数点以下は切り捨て)。冒頭の図の数字は、同じ計算で新規を月10人にした場合(300人 → 285人/294人)です。閑散期に新規を数人増やすのは難しくても、退会率を1ポイント下げられれば、3か月で数人から十数人の差になります。数字はすべて計算のための例です。
計算に使う前提は、FITPEAK Business の収益改善シミュレーションと同じ「会員数 = 前月の会員 ×(1 − 退会率)+ 新規」です。自店の会員数・退会率・新規を入れると、閑散期を何人で越えられるかの見通しが立ちます。
会員を減らさない:休会の仕組みと閑散期の声かけ
閑散期にやめる人の中には、「夏のあいだだけ通えない」「年末は忙しい」という一時的な理由の人がいます。こうした人には、退会ではなく休会を選べる仕組みが役に立ちます。
| 仕組み | 決めておくこと |
|---|---|
| 休会制度 | 休会中の月額(無料か少額か)、最長の期間、申し込みの締め日、再開の方法 |
| 来館が減った人への声かけ | 何週間来ていない人に、どの方法で、何を伝えるか |
| 閑散期の会員向け企画 | 記録会・フォーム講習・短期の目標づくりなど、来館のきっかけ |
| 退会の理由の記録 | 退会の手続きのときに理由を選んでもらい、月ごとに集計する |
休会制度を新しく作る、退会の締め日を変えるなど、会員規約を途中で変える場合は注意が要ります。民法第548条の4は、定型約款を変更して個別の合意なく契約内容を変えられる場合を、相手方の一般の利益に合うときか、変更の必要性や内容の相当性などに照らして合理的なときに限っています。変更するときは効力が生じる時期を定め、変更の内容とその時期をインターネットなどで周知する必要があります(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。休会制度の追加のように会員に有利な変更でも、周知の方法は弁護士に確認しておきましょう。
今の会員数・新規入会・退会率を入れると、閑散期のあいだに会員数がどう動くか、退会率を下げたときにどれだけ差が出るかを試算できます。
収益改善シミュレーションを無料で使う会員1人あたりの売上を少し上げる
新規が減る月は、来ている会員に向けた追加のサービスを試しやすい時期でもあります。押し売りにならないよう、会員の目的に合うものを選んで案内します。
- パーソナルトレーニングの単発の回:普段は利用していない会員に、フォームの確認として1回だけ
- 短期の目標づくりの面談:秋や年始に向けた計画を一緒に立てる
- 物販:プロテインやドリンクなど、運動の前後に使うもの
- 家族・友人の紹介:会員の紹介で入会した人と会員の両方に特典
紹介や物販の特典を出すときは、景品表示法の景品の上限に気をつけます。商品の購入などに付けて全員に渡す景品は、取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2が上限とされています(消費者庁「景品規制の概要」、2026年10月23日確認)。
閑散期の前に固定費と資金繰りを整える
入会が減る月は、売上の伸びが止まる一方で、家賃やリースなどの固定費はそのままかかります。閑散期に入ってから慌てないよう、前の月までに次のことを済ませておきます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 閑散期の2か月前 | 過去の閑散期の売上を見て、手元資金が何か月分あるかを確かめる |
| 閑散期の1か月前 | 広告費を閑散期に合わせて減らすか、効く方法だけに絞る |
| 閑散期のあいだ | 電気代・清掃・システムなどの固定費を見直す。設備の点検や入れ替えを空いている時間に行う |
| 閑散期の終わり | 次の繁忙期(秋・年始)の告知を準備する |
夏は空調の電気代が上がりやすく、年末年始は短縮営業で売上が少なくなることがあります。閑散期の月だけ収支が赤字になる場合でも、年間で見て黒字であれば計画どおりということもあります。月ごとの資金繰り表で、手元の資金が足りなくならないかを先に確かめておきましょう。
よくある質問
ジムの閑散期はいつですか?
一般に夏や年末に入会が減ると言われますが、業態・地域・客層で違います。自店の過去2〜3年の月別の入会と退会を並べて、どの月が少ないかを確かめるのが確かな方法です。
閑散期に広告を止めてもよいですか?
すべて止めると、次の繁忙期の立ち上がりが遅れることがあります。入会1人あたりの費用が高い方法から減らし、効いている方法は少額でも続けるのが無理のない進め方です。
休会制度を作ると退会は減りますか?
一時的な理由でやめる人が休会を選べば、退会は減る可能性があります。ただし休会中の料金や期間の上限を決めておかないと、売上が下がることもあります。自店の退会の理由を集計してから制度を決めましょう。
出典
- e-Gov法令検索「民法」第548条の4(定型約款の変更)(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「景品規制の概要」(2026年10月23日確認)
- FITPEAK Business「収益改善シミュレーション」の計算方法(2026年10月23日確認)
あわせて読む
このジムの近くで、一緒にトレーニングする仲間を探せます
同じジムに通う人どうしで、補助やフォームチェックをし合える合トレ相手を見つけられます。写真・レベル・自己紹介を登録すると、同じ県の仲間と「合トレしたい」でつながり、チャットで日時を決められます。連絡先はお互いが承認するまで出ません。
公式LINEを友だち追加すると、合トレナビのURLが届きます(無料)。18歳以上・合トレ目的の方のみ。