【逆算の式3つ】ジムの広さと会員数の目安は同時利用人数で決める
ジムの広さと会員数の関係は、「一番混む時間に、館内に同時に何人いても快適か」から逆算すると決めやすくなります。同時にいる人数は、1時間に来る人数と1人の滞在時間のかけ算で決まり、1時間に来る人数は会員数・来館の頻度・混む時間への集まり方で決まります。この式に自分の前提を入れ、損益分岐の会員数を上回る余裕があるかを確かめるのが基本の流れです。
損益分岐の会員数を1坪あたりにすると(ジム開業ナビの試算モデル)
広さから会員数を出す3つの式
「1坪あたり何人」という決まった数字はありません。業態によって、1人の滞在時間も、混む時間への集まり方も違うからです。上の図のように、損益分岐の会員数を坪で割っただけでも、業態で2倍以上の差があります。そこで、次の3つの式を順に使います。
式3の「快適に同時にいられる人数」は、器具の台数とフリースペースから決めます。器具1台に1人、ダンベルやストレッチの場所に数人、と数えるのが簡単です。広さで考える場合は「トレーニングに使える面積 ÷ 1人あたりに取りたい面積」で出しますが、1人あたりの面積は業態と客層で変わるため、近くの似た施設を混む時間に見て決めるのが現実的です。
計算例:同じ30坪でも前提で上限が変わる
ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)の24時間ジム30坪・マシン13台を例に、前提を変えて会員数の上限を出してみます。快適に同時にいられる人数は、器具13台+ダンベル・ストレッチ4人で17人とします。
| 前提(すべて例) | 計算 | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 週2回・集まる割合12%・滞在1時間 | 17 ÷(2÷7 × 0.12 × 1) | 約496人 |
| 週2回・集まる割合12%・滞在1.5時間 | 17 ÷(2÷7 × 0.12 × 1.5) | 約331人 |
| 週3回・集まる割合15%・滞在1時間 | 17 ÷(3÷7 × 0.15 × 1) | 約264人 |
「集まる割合」は、1日の来館者のうち一番混む1時間に来る人の割合です。滞在時間が1時間から1.5時間に延びるだけで、上限は3分の2になります。試算モデルの損益分岐は232人なので、3つ目の前提では上限との差が小さく、混む時間の快適さを保ちにくいことがわかります。数字はいずれも計算のための例で、実際の値は開業後の入館記録で確かめます。
逆算:目標の会員数から必要な広さを出す
物件を探す前なら、式を逆に使って「目標の会員数を受け入れるのに、同時に何人分の場所が要るか」を出し、そこから広さを考えます。
| 手順 | やること | 例 |
|---|---|---|
| 1. 目標を決める | 損益分岐に余裕を足した会員数 | 損益分岐232人の1.5倍で約350人 |
| 2. 同時の人数を出す | 350 × 週の来館回数÷7 × 集まる割合 × 滞在時間 | 350 × 2÷7 × 0.12 × 1 = 12人 |
| 3. 器具と場所に直す | 同時の人数を、器具の台数とフリースペースに振り分ける | 器具10台+フリースペース2〜3人 |
| 4. 面積に直す | 器具の使う範囲・通路・共用部を足す | 図面に置いて確かめる |
手順4では、器具ごとの使う範囲が要ります。たとえば Hammer Strength の HDエリート ID ハーフラックは使う範囲2.1×3.0m、Concept2 の RowErg は使用時274×122cmとされています(各社公式サイト、2026年10月23日確認)。器具の数が同じでも、ラックが多いか、有酸素マシンが多いかで必要な面積は変わります。
必要な広さの見当がついたら、床・壁・照明の仕上げを選んで、その広さの内装費の目安を確かめましょう。選んだ仕上げは3Dのフロアと初期費用にすぐ反映されます。
内装シミュレーションを無料で使う会員数が増えたときに見るべきサイン
会員数の上限は、計算で出したあとも実際の様子で見直します。会員数が落ち着く先は「月の新規入会 ÷ 月の退会率」で出せるので、入会のペースが上限を超えそうなら、早めに手を打てます。
| サイン | 考えられること | 手の打ち方の例 |
|---|---|---|
| 混む時間に有酸素マシンが埋まる | 有酸素の台数が少ない、滞在が長い | 台数配分の見直し、混む時間の利用時間の目安を掲示 |
| ラック待ちが続く | フリーウエイトの利用者が想定より多い | ハーフラックの追加、ダンベル種目の場所を広げる |
| 混む時間の退会理由に「混雑」が増える | 上限に近づいている | 混まない時間の料金プラン、入会の受け入れ方の見直し |
| 昼間がほとんど空いている | 集まる割合が高い | 昼の時間帯向けの企画、法人契約 |
よくある質問
ジムの広さに対して会員数は何人が目安ですか?
決まった数字はなく、業態・来館の頻度・滞在時間で変わります。参考として、ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)の損益分岐を坪で割ると、24時間ジムが約7.7人、総合ジムが約5.3人、パーソナルが約3.1人、ファンクショナルが約2.9人です。これは採算の目安で、混雑の上限ではありません。
同時利用人数はどう決めればよいですか?
器具1台に1人、ダンベルやストレッチの場所に数人として数えるのが簡単です。近くの似た施設を混む時間に見て、どのくらいの人数で窮屈に感じるかを確かめると、前提の精度が上がります。
会員数が多すぎると何が起きますか?
混む時間に器具の順番待ちが増え、混雑を理由にした退会につながりやすくなります。会員数が落ち着く先(月の新規入会 ÷ 月の退会率)を出し、上限を超えそうなら料金プランや器具配分を見直しましょう。
出典
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
- Life Fitness(Hammer Strength)「HDエリート IDスタンダード ハーフ・ラック」(2026年10月23日確認)
- Concept2「RowErg」仕様(2026年10月23日確認)
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