ふくらはぎの筋トレ 立位カーフレイズは座位より効果大と12週研究で判明
ふくらはぎは、膝を伸ばした立位で行うカーフレイズの方が、座位よりも筋肥大の効果が大きいことが12週間の研究で示された。外側腓腹筋は立位脚で12.4%増加したのに対し、座位脚は1.7%にとどまり、統計的な有意差が確認されている。
ふくらはぎのトレーニングは、膝を伸ばしたまま立って行う「立位カーフレイズ」の方が、膝を曲げて座って行う「座位カーフレイズ」よりも筋肥大の効果が大きいことが、12週間のトレーニング研究で示されている。腓腹筋とヒラメ筋という2つの筋肉の性質の違いが、この差を生む理由である。

ふくらはぎはどんな筋肉で構成されているか
ふくらはぎの表層にあるのが腓腹筋で、内側頭と外側頭の2つに分かれ、膝と足首の両方の関節をまたいでいる。その深層にあるのがヒラメ筋で、足首の関節だけをまたぎ、膝の動きには関与しない。この構造の違いが、立位と座位でのトレーニング効果の差に直結する。
立位カーフレイズと座位カーフレイズ、研究では何を比べたか
木下桃花(Momoka Kinoshita)氏ら9名の研究者が2023年12月に学術誌「Frontiers in Physiology」で発表した研究は、トレーニング経験のない健康な成人14人(平均年齢23.3歳)を対象に、同じ人の片方の脚を膝を伸ばした立位カーフレイズ、もう片方の脚を膝を90度曲げた座位カーフレイズに割り振り(脚の左右は参加者ごとに入れ替えて相殺)、2つの条件を比較した。1RM(最大挙上重量)の70%の負荷で1セット10回、1回のトレーニングで3〜5セットを週2回、12週間続けた。
12週間で、ふくらはぎはどれだけ太くなったか
MRIで測定した筋体積の変化は、外側腓腹筋が立位脚で12.4%増加したのに対し座位脚は1.7%(統計的に有意差あり、p=0.001)、内側腓腹筋は立位脚9.2%に対し座位脚0.6%(p=0.002)、ふくらはぎ全体(下腿三頭筋)では立位脚5.6%に対し座位脚2.1%(p=0.011)だった。一方、深層のヒラメ筋は立位脚2.1%・座位脚2.9%で、両者に統計的な差はなかった(p=0.410)。腓腹筋は膝を伸ばした立位の方がより伸ばされた状態で負荷がかかるため、筋肥大が起きやすかったと考えられる。
| 部位 | 立位(膝伸展) | 座位(膝屈曲90度) | 有意差 |
|---|---|---|---|
| 外側腓腹筋 | +12.4% | +1.7% | あり(p=0.001) |
| 内側腓腹筋 | +9.2% | +0.6% | あり(p=0.002) |
| 下腿三頭筋全体 | +5.6% | +2.1% | あり(p=0.011) |
| ヒラメ筋 | +2.1% | +2.9% | なし(p=0.410) |
回数・セット・頻度の目安は
この研究では1セット10回・1RMの70%の負荷で週2回・12週間というペースが採用された。可動域を最後まで使い、つま先立ちの頂点でしっかり収縮させることがポイントになる。ヒラメ筋も鍛えたい場合は、膝を曲げたシーテッドカーフレイズを別メニューとして組み合わせるとよい。
| レベル | 種目 | 回数 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者(自宅) | 立位カーフレイズ(自重) | 15〜20回 | 2〜3 | 60秒 |
| 初心者(ジム) | スミスマシンカーフレイズ | 10〜15回 | 3 | 60秒 |
| 中級者 | シーテッドカーフレイズ(ヒラメ筋) | 12〜15回 | 3 | 60秒 |
| 中級者 | レッグプレスマシンのカーフレイズ | 10〜12回 | 3 | 60〜90秒 |
よくある間違いとチェックポイントは
- 反動で跳ねるように上げる:腱への負担が増え、筋肉への刺激が逃げる。トップでいったん止めて収縮を感じる。
- 可動域の後半しか使わない:かかとを最後まで下ろし、ストレッチを感じる位置まで戻す。
- 膝を軽く曲げたまま立位カーフレイズを行う:腓腹筋への刺激が弱まる。膝はしっかり伸ばす。
ふくらはぎのトレーニングで注意することは
アキレス腱やふくらはぎの肉離れは、ウォームアップ不足や急な負荷増加で起こりやすい。違和感や痛みがある場合は無理に続けず、長引く場合は医師や理学療法士に相談してほしい。
よくある質問
ふくらはぎを太くするには立位と座位、どちらを優先すべき?
腓腹筋(ふくらはぎの表層・丸みを作る部分)を優先するなら膝を伸ばした立位カーフレイズが有利である。ヒラメ筋も含めてバランスよく鍛えるなら、立位と座位の両方を組み合わせるとよい。
ふくらはぎは週何回鍛えればいい?
この研究では週2回・12週間で明確な差が出ている。回復を考えると週2〜3回に分けるのが現実的である。
ふくらはぎは筋肉が付きにくいと言われるが本当か?
この研究は対象者14人と少人数のため断定はできないが、座位(膝を曲げた状態)では筋肥大がほとんど見られなかった一方、立位では明確な増加が確認された。種目選びと可動域の使い方次第で結果が変わる可能性がある。
KINNIKU TIMESの視点
ふくらはぎは「鍛えても大きくならない」と言われがちな部位だが、今回の研究は種目選び(立位か座位か)が結果を左右する可能性を示している。腓腹筋を狙うなら膝を伸ばした立位カーフレイズを中心に、ヒラメ筋も鍛えたい場合は座位種目を補助的に組み合わせたい。可動域全体を使い、反動に頼らないことが共通のポイントになる。パーシャルレップとふくらはぎの筋肥大に関する研究も合わせて参考にしてほしい。
この記事の次に読まれている記事
筋トレに使える無料ツール
コメント
この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。