【やりすぎの境目】最大回復可能ボリュームの見つけ方と、5週間の採点例
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どこからが「やりすぎ」なのか。量を増やすほど気になるのが、最大回復可能ボリュームです。提唱元の採点方法と、5週間の仮の記録で、境目の見つけ方を整理します。
最大回復可能ボリューム(MRV)は回復が追いつく量の上限で、前週の成績を再現できなくなった週が、境目のサインです。
- 提唱元は、筋肉痛の回復と成績をそれぞれ1〜4点で採点し、翌週のセット数を決めます
- 成績が4点(前週を再現できない)なら、回復の週かデロードに入ります
- 睡眠不足や強いストレスの週は、前週と同じ量を繰り返して確かめます
- 週約33セットでも逆効果にならなかった試験もあり、MRVは人で大きく違います
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5週間の仮の記録:週の総負荷量(背中、1セット450kg換算)
この記事でわかること
- MRVの意味と、MEVとの違い
- 2つの採点表と、翌週のセット数の決め方
- 5週間の仮の記録で、境目に気づく流れ
- MRVの数字を信じすぎない理由
最大回復可能ボリューム(MRV)とは何か
MRVは、回復が追いつく量の上限です。これを超えて続けると、体が成長より回復を優先し、進歩が止まるとされます。
提唱元の解説は、MRVに一時的に触れる、あるいは少し超える程度なら、超回復を引き出すことがあるとも述べています。問題になるのは、その水準で何週も続けることです。
| 量 | 名前 | 特徴 |
|---|---|---|
| 出発点 | MEV | 筋肉が増え始める最小の量 |
| 成長の範囲 | MAV | MEVとMRVの間 |
| 上限 | MRV | 回復が追いつく限界 |
| 回復の週 | MV付近 | 維持量まで落とす |
出発点の探し方は最小有効ボリュームの見つけ方、全体の流れはMEV・MAV・MRVの意味と6週間の例にあります。
2つの採点表と、翌週のセット数の決め方
提唱元の方法は、前の週のトレーニングを2つの面から採点するものです。
| 点数 | 筋肉痛の回復 | 成績 |
|---|---|---|
| 1点 | 痛みなし | 目標を楽に超えた |
| 2点 | 次の日までに回復 | 予定どおり |
| 3点 | ぎりぎり間に合った | 目標に苦戦した |
| 4点 | 次回も痛みが残る | 前週を再現できない |
点数から、翌週のセット数を決めます。
| 採点 | 翌週のセット数 |
|---|---|
| 両方1点 | 2〜3セット増やす |
| 2点、または1点と2点 | 1セット増やす |
| 3点が出て、筋肉痛が3〜4点 | 今の量を保つ |
| 成績が4点 | 回復の回かデロード |
成績が4点なら、MRVに来た可能性が高いと読みます。ただし睡眠不足や仕事の疲れなど、一時的な事情のこともあります。その場合は前週と同じ量を繰り返し、もう一度確かめます。
5週間の仮の記録で、境目に気づく流れ
背中を例に、仮の5週間をたどります。1セットは、ラットプルダウン45kgを10回で、450kgとします。
| 週 | セット数 | 採点(痛み・成績) | 総負荷量 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 12 | 1点・1点 | 5,400kg |
| 2週目 | 15 | 2点・1点 | 6,750kg |
| 3週目 | 16 | 3点・3点 | 7,200kg |
| 4週目 | 16 | 4点・4点 | 6,720kg |
| 5週目 | 6 | デロード | 2,700kg |
1週目は両方1点なので、2〜3セット増やして15セットにしました。2週目は2点と1点なので、1セット増やして16セットです。
3週目は、3点が出て筋肉痛も3点でした。量を保ちます。4週目は、前週を再現できず成績が4点になりました。ここで量を落とし、5週目を6セットのデロードにします。
検算します。450×12=5,400kg、450×15=6,750kg、450×16=7,200kgです。
4週目は、1セットあたり420kgに下がりました。420×16=6,720kgです。3週目の450kgから、約6.7%の低下です。5週目は450×6=2,700kgです。
見どころは、4週目です。セット数は同じ16なのに、1セットあたりが下がりました。これが、量の上限に近づいたサインの一例です。「頭打ち」の見つけ方はボリュームの頭打ちを記録で見極める方法にもあります。
MRVの数字を信じすぎない理由
MRVは、研究が確かめた数字ではありません。提唱元の考え方です。
| 研究 | 対象 | わかったこと |
|---|---|---|
| Camargo他(2026年) | 筋トレ歴1〜5年の25人、8週間 | 週約33セットでも、約18セットと増え方に差なし |
| Pelland他(2026年) | 67研究、2,058人 | 増やすほど伸びるが、上乗せは小さくなる |
週約33セットまで増やしても、太ももの筋肉の増え方は、約18セットと変わりませんでした。逆効果にならない一方で、さらに増えることもなかった、という結果です。25人・8週間・脚の1筋肉の試験なので、他の部位や長期には当てはまるとは限りません。
この結果は、MRVが人によって高い可能性を示します。同時に、増やしても得にならない可能性も示します。詳しくは週のセット数を2倍超にしても筋肉は増えるかを検証した研究の解説にあります。
採点表にも弱点があります。筋肉痛や「苦戦した」の感覚は主観です。睡眠、食事、ストレスで変わります。採点は、記録の傾向をつかむ補助にとどめてください。
Souhukaでは、記録画面に前回の重量と回数が出るので、成績を前週と比べやすくなります。部位別グラフと週次レポートで、週ごとの総負荷量と先週比を見られます。採点は自分でメモします。手計算なら登録なしで総負荷量を計算するブラウザ版が使えます。
向かない人もいます。まだ週に数セットの人や、記録が数回しかない人です。まず量と継続を優先してください。強い疲れ、痛み、眠れないなどが続くときは、数字より先に休み、医師や専門家に相談してください。回復の考え方はデロードが必要な理由の解説が参考になります。
よくある質問
最大回復可能ボリュームとは何ですか
回復が追いつく量の上限のことです。MRVと略します。これを超えて続けると、進歩が妨げられるとされています。
MRVは週何セットですか
決まった数字はありません。提唱元の例では週20セットがありますが、一例です。人、部位、経験で変わります。
MRVを超えたら、筋肉が減りますか
そうとは限りません。MRVに一時的に触れる程度なら、超回復を引き出すことがあると説明されています。問題は、その水準で何週も続けることです。
成績が下がったのは、MRVのせいですか
睡眠不足や強いストレスなど、一時的な事情の可能性もあります。前週と同じ量を繰り返して、もう一度確かめます。
まとめ
- MRVは、回復が追いつく量の上限です
- 筋肉痛の回復と成績を1〜4点で採点し、翌週のセット数を決めます
- 仮の記録では、4週目に成績が下がり、5週目にデロードへ入りました
- MRVは研究が確かめた数字ではなく、人で大きく違います
記録を始めると、前回の重量と回数が記録画面に出ます。前週の成績を再現できたか、すぐに確かめられます。
記録を始めて前回比を見るAndroid版はGoogle Playから。登録なしで試すならブラウザ版の総負荷量計算へ。
出典
- RP Strength「Training Volume Landmarks for Muscle Growth」(2026年10月確認)
- Camargo JBB, et al. Journal of Applied Physiology(2026年)。筋トレ歴1〜5年の25人・8週間(2026年10月確認)
- Pelland JC, et al. Sports Medicine 56(2):481-505(2026年)。67研究・2,058人(2026年10月確認)