【先頭が有利】種目の順番とボリューム、優先種目を最初に置く理由を検算
Share
「ベンチプレスの前に肩をやっていいのか」など、種目の順番は迷いやすい点です。種目の順番とボリュームの関係を、研究と計算で整理しました。
種目の順番は、筋力を伸ばしたい種目を練習の先頭に置くのが基本で、筋肥大が目的なら順番による差は確認されていません。
- 11研究のメタ分析で、筋力は先頭に置いた種目ほど伸びました
- 筋肥大では、順番による差は確認されませんでした
- 後ろの種目の回数が1回減ると仮定すると、優先種目の総負荷量は12.5%下がります
- 回数が1回減る仮定は編集部の例で、研究の数値ではありません
重量・回数・セットを入れるだけで、種目ごとの総負荷量を自動計算します。種目の順番を変えた週の数字の違いも、記録画面で確認できます。ダウンロードは無料です。
Souhukaを無料でダウンロードするAndroid版はGoogle Playから。登録なしで試すならブラウザ版の総負荷量計算へ。
ベンチプレスの総負荷量(置く順番による違い)
この記事でわかること
- 種目の順番を調べたメタ分析の結果
- 順番を入れ替えたときの総負荷量の検算
- 優先する種目の決め方
- 順番を気にしすぎなくてよい人
種目の順番は、筋力と筋肥大で影響が違う
種目の順番の影響を調べた研究を、まとめて分析した報告があります。条件の良い11の研究が対象です。
筋力は、練習の先頭に置いた種目ほど大きく伸びました。多関節を先にした場合、多関節種目の筋力の伸びが大きくなりました(効果量0.32)。単関節を先にした場合は、単関節種目の筋力の伸びが大きくなりました(効果量−0.58)。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 筋力(全体) | 順番による差なし |
| 筋力(各種目) | 先頭に置いた種目ほど伸びる |
| 筋肥大 | 順番による差なし(効果量0.03) |
つまり、筋力は「先に置いた種目に有利」で、筋肥大は「どちらでも似た結果」です。著者らは、筋力を重視するなら、優先する種目を先頭にするよう勧めています。
注意点があります。この分析は、研究の整理です。順番を変えた長期の結果や、女性、高齢の人の結果は、この分析からは言えません。研究の数も11と多くありません。
後ろの種目の回数が減る仮定で、総負荷量を検算する
順番がボリュームに与える影響を、計算で確かめます。ベンチプレスとショルダープレスを、各3セット行う例です。
前提は、編集部の仮定です。後ろに置いた種目は、疲れの影響で、各セットの回数が1回減ると考えます。研究で測られた数値ではありません。
| 種目 | 先に行うとき | 後ろで行うとき |
|---|---|---|
| ベンチプレス(60kg) | 8回×3=1,440kg | 7回×3=1,260kg |
| ショルダープレス(30kg) | 10回×3=900kg | 9回×3=810kg |
順番Aは、ベンチプレスを先にします。1,440+810=2,250kgです。
順番Bは、ショルダープレスを先にします。900+1,260=2,160kgです。
全体の差は90kgで、約4%です。小さな差です。一方、優先したい種目だけを見ると、ベンチプレスは1,440kgから1,260kgへ、180kg(12.5%)下がります。
つまり、順番の影響は、全体の合計より、種目ごとの数字に出ます。ある種目の数字が下がったときは、順番を変えたかどうかも、原因の候補に入ります。
回数の減り方は、人や種目で違います。ほとんど減らない人もいれば、2回以上減る人もいます。自分の記録で、先頭に置いた日と後ろに置いた日の回数を比べてください。
比べるときは、重量とセット数を同じにします。休憩時間が違うと、回数も変わるためです。休憩を短くしたり、延ばしたりすると、回数は変わります。
手計算が面倒なら、登録なしで総負荷量を計算するブラウザ版も使えます。
優先する種目を決めて、順番を組む手順
順番は、次の手順で決めると迷いません。これは編集部の整理で、研究が決めた基準ではありません。
- 最も伸ばしたい種目を1つ決める(多くは多関節)
- その種目を、練習の先頭に置く
- 残りは、疲れを残したくない順に並べる
- 数週間は順番を変えず、種目ごとの前回比を見る
多関節と単関節の配分は、多関節と単関節の配分を解説した記事で扱っています。1部位の種目数は、1部位の種目数を解説した記事が参考になります。
順番を週ごとに入れ替えると、前回比を比べにくくなります。改善を見たいときは、同じ順番を数週間続けてください。
種目の順番を気にしすぎなくてよい人と、注意点
次の人は、順番にこだわりすぎなくて構いません。
- 筋肥大が目的で、特定の種目の筋力を競わない人
- 1回の練習が短く、種目が2〜3つしかない人
- 器具が空くのを待って、順番を入れ替えざるを得ない人
反対に、順番に注意が必要な人もいます。疲れた状態で重い多関節種目を行うと、フォームが乱れやすくなります。重い種目を後ろに置くときは、重量を下げて安全を優先してください。
痛みがあるときは中止し、ケガや持病がある場合は医師や理学療法士に相談してください。
よくある質問
種目の順番は、筋肥大にも影響しますか
メタ分析では、筋肥大に順番による差は確認されませんでした(効果量0.03)。ただし、研究の数は多くありません。筋力を重視するなら、優先種目を先頭にする考え方があります。
大きい筋肉から小さい筋肉の順に行うべきですか
必須ではありません。多関節を先にして単関節を後に置く並びは、よく使われます。ただし、この記事の研究では、順番の影響は筋力に出て、筋肥大には出ませんでした。
種目の順番を変えると、総負荷量はどう変わりますか
全体の合計では小さな差でも、後ろに置いた種目の数字が下がる可能性があります。この記事の例では、全体で約4%、優先種目で12.5%の差でした。ただし、回数が1回減る仮定は、編集部の例です。
弱点の部位は、練習の最初に置くべきですか
置いても構いません。筋力の伸びは先頭の種目に有利だったため、伸ばしたい種目を先頭に置く考え方は筋が通っています。部位集中の考え方は、別の記事でも扱っています。
まとめ
- 筋力は、練習の先頭に置いた種目ほど伸びやすいです
- 筋肥大では、順番による差は確認されませんでした
- 後ろの種目の回数が1回減る仮定では、優先種目の総負荷量は12.5%下がります
- 順番は数週間固定して、種目ごとの前回比を見ます
記録を始めると、前回の重量と回数が記録画面に出ます。種目の順番を変えた週も、種目ごとの数字を先週比で確かめられます。
Souhukaで記録を始めて前回比を見るAndroid版はGoogle Playから。登録なしで試すならブラウザ版の総負荷量計算へ。
出典
- Nunes JP et al. European Journal of Sport Science(2021年)。種目の順番と筋力・筋肥大のメタ分析(2026年10月確認)
- 総負荷量計算 by Souhuka(FITPEAK LAB)(2026年10月確認)