摂取方法・タイミング

クレアチンのローディングとは?やり方・体重別の量とメリット・デメリット

公開 ・ クレアチンナビ編集部 ・ 読了目安 12分
クレアチンのローディング法のイメージ

2026年10月21日更新

クレアチンのローディングとは、最初の5〜7日だけ1日約20g(体重1kgあたり約0.3g)を4回に分けて摂り、筋肉のクレアチンを早く満たす方法です。その後は1日3〜5gの維持量に切り替えます。必須の手順ではありません。

国際スポーツ栄養学会(ISSN)の立場声明(Kreider 2017)と、よくある疑問に答えた論文(Antonio 2021)をもとに、ローディングのやり方、体重別の量、ローディングしない方法との違い、メリット・デメリット、向いている人を整理しました。

クレアチンのローディングとは?目的と仕組み

クレアチンの約95%は骨格筋にあり、その約3分の2はクレアチンリン酸として、短く強い運動のエネルギー(ATP)の再合成に使われます。ISSNの立場声明によると、体重70kgの人の筋肉内のクレアチン量は乾燥筋1kgあたり平均約120mmolで、多くの人の上限は約160mmolとされています。つまり、普通の食事をしている人の筋肉は「6〜8割くらい満たされた状態」で、サプリメントで補うと筋肉内のクレアチンとクレアチンリン酸が20〜40%増えると報告されています。

ローディングは、この「満タンまでの差」を短期間で埋めるための摂り方です。毎日少しずつ摂っても最終的にはほぼ同じところまで届きますが、届くまでの日数が違います。

摂り方 量と期間 筋肉のクレアチンが満ちるまで
ローディングあり 1日約20g(約0.3g/kg)を5〜7日 → 以降1日3〜5g 約1週間
ローディングなし(低用量継続) 最初から1日3〜5g(ISSNが示す例は1日3g×28日) 約3〜4週間

この違いを示した代表的な研究が、1996年のHultman氏らの試験です。男性31人を対象に、1日20gを6日間摂ると筋肉の総クレアチン量は約20%増え、その後1日2gで30日間保たれました。一方、1日3gを28日間摂った場合も、ゆっくりですが同じく約20%増えています。研究の詳細は20g×6日と3g×28日を比べたHultmanの研究の解説にまとめています。貯蔵量の推移をグラフで見たい方はローディング法を図解で追う記事もどうぞ。

クレアチンローディングのやり方(5〜7日間の手順)

ISSNの立場声明では、筋肉のクレアチンを最も早く増やす方法として「クレアチンモノハイドレート5g(または体重1kgあたり約0.3g/日)を1日4回、5〜7日間」を挙げています。実際の手順は次のとおりです。

  1. 1日量を決める:体重×0.3gが目安です(70kgなら約21g)。迷ったら一般的な1日20gで構いません。
  2. 4回前後に分ける:朝・昼・夕・寝る前など、1回5g前後にします。Antonio氏らの論文は、ローディング中は1回10g以下に分けることを勧めています。
  3. 食事と一緒に摂る:ISSNは、炭水化物や、炭水化物とたんぱく質と一緒に摂ると、クレアチンがより安定して体に保持されると報告しています。食後に摂ると続けやすくなります。
  4. 水分をいつもどおりしっかり摂る:粉末は水やジュースによく溶かして飲みます。
  5. 5〜7日たったら維持量へ:1日3〜5gを1回にまとめて毎日続けます。

維持期の続け方や、トレーニングのない日の扱いはローディング期後のメンテナンス(維持)期の記事で詳しく説明しています。

体重別:ローディング期と維持期の摂取量の目安

ISSNの「体重1kgあたり約0.3g/日」を体重別に計算すると、次のようになります。1回量は1日4回に分けた場合です。維持期の3〜5gはISSNの一般的な目安で、体の大きい人や激しいトレーニングをしている人は1日5〜10gが必要な場合もあるとされています。

体重 ローディング期の1日量(0.3g/kg) 1回量(4回に分けた場合) 維持期の1日量
50kg 15g 約3.8g 3〜5g
60kg 18g 4.5g 3〜5g
70kg 21g 約5.3g 3〜5g
80kg 24g 6g 3〜5g(大柄・高強度なら5〜10gの場合も)
90kg 27g 約6.8g 5g前後(大柄・高強度なら5〜10gの場合も)

自分の体重と目的を入れると、たんぱく質とクレアチンの1日量を一度に計算できる摂取量診断(無料)も用意しています。ローディング期は消費量が維持期の4倍以上になるため、1回5gあたりの価格を毎日比べているクレアチン最安値ランキングで、量の多い袋を選ぶと費用を抑えやすくなります。たとえば70kgの人が1日21gを7日間摂ると、ローディング期だけで約150g、その後1日5gなら1か月で約150gを使う計算です。

ローディングのメリット・デメリット

メリット:早く満タンにできる

最大のメリットは、筋肉のクレアチンを約1週間で高められることです。ISSNは、少量(1日3〜5g)から始める方法は3〜4週間かけて貯蔵量が増えるため、最初の数週間の運動パフォーマンスへの効果は、ローディングに比べて裏づけが少ないとしています。大会や試合、測定日が近い人にとっては、この「早さ」が意味を持ちます。

デメリット1:体重が一時的に増える

Antonio氏らの論文によると、1日20gを5〜7日間摂る最初のローディング期には、体重が1〜3kgほど増えることが多く、その大部分は体内の水分の増加によるものとされています。ISSNの立場声明も、初期の研究では約0.5〜1.0Lの水分保持が見られ、急な体重増加とほぼ見合っていたと述べています。脂肪が増えたわけではありませんが、減量中や階級制の競技の人は注意が必要です。詳しくはクレアチンで水太りする?の記事をご覧ください。

デメリット2:お腹がゆるくなることがある

一度に多く摂ると、胃腸の不快感が出ることがあります。サッカー選手59人を対象にしたOstojic氏らの試験では、1日10gを「1回でまとめて」摂った群は下痢の報告が55.6%で、「5gを2回」に分けた群(28.6%)より多くなりました。ローディング中に1回量を5g前後に抑えるのはこのためです。対処法はクレアチンでお腹がゴロゴロするときの記事にまとめています。

デメリット3:最初に使う量が多い

1週間で100〜150g前後を使うため、最初の1袋の減りが早くなります。最終的に届く貯蔵量はローディングなしとほぼ同じなので、急がない人にとっては追加の出費になります。

ローディングは必要?しない方法との比較と選び方

結論として、ローディングは必須ではありません。Antonio氏らの論文は「クレアチンを“ローディング”する必要はない」とし、1日3〜5g(または体重1kgあたり0.1g)の少量でも、筋肉内のクレアチン、筋肉量、運動パフォーマンスを高めるのに有効だとまとめています。そのうえで、30日未満の短い期間で効果を出したい場合はローディング、30日以上続ける予定の人や体重増加を避けたい人は最初から維持量、という使い分けを示しています。

こんな人 向いている摂り方 理由
1か月以内に大会・試合・測定がある ローディングあり 約1週間で満たせる
長く続ける予定で、急いでいない ローディングなし 3〜4週間で同じ水準に届き、費用も少ない
減量中・階級制で体重を増やしたくない ローディングなし 初期の急な体重増加を避けやすい
胃腸が弱い・お腹がゆるくなりやすい ローディングなし、または1回量を小さく 1回10gを超えると下痢が増えるとの報告
菜食中心で肉や魚をあまり食べない どちらでも(伸びしろが大きい) もともとの貯蔵量が低く、増え幅が大きいとされる

ローディングをしない摂り方のメリット・デメリットはローディングを行わない「低用量継続法」の記事で詳しく比べています。

ローディング中・ローディング後の注意点

  • 飲み忘れても慌てない:筋肉のクレアチンは数日で急に減るものではありません。ISSNによると、いったん高まった貯蔵量が元に戻るまでには一般に4〜6週間かかります。Hultman氏らの試験でも、補給をやめてから30日後に元の値に戻っていました。
  • 途中でやめた後の再開:長く間が空いた場合は、もう一度ローディングをするか、維持量から始めて3〜4週間待つかを選べます。
  • 水分は普段どおり十分に:Antonio氏らは、クレアチンが脱水や筋けいれんを起こすという根拠はないとしています。それでも、汗をかく季節やトレーニング中は意識して水分を摂りましょう。
  • 健康診断の前:クレアチンの一部はクレアチニンとして尿に出ます。血液検査のクレアチニン値の見え方が気になる方は、医師に摂取していることを伝えてください。
  • 持病・服薬中・妊娠中の方:腎臓や肝臓に持病がある方、薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、ローディングに限らずクレアチンを摂る前に必ず医師に相談してください。

クレアチンナビの視点

ローディングは「早く満タンにする」ための近道で、「より多く溜める」方法ではありません。Hultman氏らの試験でも、20g×6日と3g×28日の到達点はどちらも約20%増でした。ですから選ぶ基準は「いつまでに満たしたいか」の1点です。

編集部としては、目標の日まで1か月以上あるなら、最初から1日3〜5gで始めるほうが、体重の急な変化やお腹の不調が少なく、続けやすいと考えます。一方で、試合や測定が2〜3週間後に迫っているなら、体重×0.3gを4回に分けて5〜7日というISSNの方法が理にかなっています。どちらを選んでも、大切なのはその後に毎日続けることです。体重が変わったときの量の見直しは摂取量診断で、いつでも計算し直せます。

よくある質問

クレアチンのローディングは必要ですか?

必須ではありません。1日3〜5gを続けても、3〜4週間でローディングとほぼ同じ貯蔵量に届くと報告されています。1か月以内に満たしたい事情がある場合にだけ選ぶ方法です。

ローディングは何日やればいいですか?

ISSNの方法では5〜7日です。それより長く続けても、筋肉に溜められる量には上限があるため、維持量に切り替えるのが一般的です。

クレアチンローディング中の1日の量は?体重60kgなら?

目安は体重1kgあたり約0.3gで、60kgなら1日18gです。4回に分けて1回4.5g前後にします。一般的な「1日20g」でも構いません。

ローディングで体重が増えるのは太ったということですか?

主に筋肉内の水分が増えたことによる一時的な増加とされ、体脂肪の増加とは異なります。最初のローディング期には1〜3kgほど増えることが多いと報告されています。クレアチンをやめると、貯蔵量の低下とともに数週間かけて戻っていきます。

ローディング中にお腹の調子が悪くなったら?

1回量を減らして回数を増やし、食後に摂ってみてください。1回10gを超えると下痢の報告が増えるとの研究があります。それでも続くときは、ローディングをやめて1日3〜5gの維持量に切り替えましょう。

ローディングしないと効果が出るまでどのくらいかかりますか?

1日3〜5gの場合、筋肉のクレアチンが満ちるまで約3〜4週間かかるとされています。ISSNが示す例は「1日3gを28日間」です。

維持期は1日何g?いつ飲めばいい?

1日3〜5gが一般的な目安で、体の大きい人や高強度で練習する人は5〜10gが必要な場合もあるとされています。時間帯よりも毎日続けることが大切です。

持病がある場合、ローディングをしても大丈夫ですか?

腎臓や肝臓に持病がある方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断でローディングを行わず、事前に必ず医師に相談してください。

出典

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