【研究で整理】更年期にパーソナルジムは向いている?選び方と注意
更年期にパーソナルジムを使う場合、「ほてりなどの症状をおさめるため」というより、「筋力をつける運動を、体調に合わせて安全に続けるため」と考えるのが現実的です。運動がほてりや発汗に効くかどうかは研究で確かめられておらず、症状の治療は婦人科の役割です。一方、筋力トレーニングで筋力が伸びることは閉経の前後で差がなかったという大きなまとめもあります。症状が重い人、持病がある人、骨粗しょう症と言われている人は、始める前に医師に相談してください。
更年期とパーソナルジム:研究でわかっていること
- 筋トレで筋力が伸びる幅は、閉経前と閉経後で差がなかった
- 骨粗しょう症の人にも、筋トレとバランス運動を含む運動が勧められている
- 国のガイドは筋トレを週2〜3日勧めている
- 運動でほてり・発汗がおさまるか(根拠が足りない)
- パーソナルジムという形が、ほかの運動の場より優れているか
- どのメニューが更年期の症状に合うか
更年期とは?知っておきたい基本
日本産科婦人科学会によると、日本人女性が閉経する平均年齢は50歳前後で、閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間を「更年期」といいます。この時期に出る症状のうち、特に重く日常生活に支障が出る状態を「更年期障害」と呼びます(日本産科婦人科学会「更年期障害」)。
| 症状の分類 | 例 | ジムで気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 熱を放出するときの症状 | ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗 | 室温や換気、水分補給。症状が強い日は軽めにする |
| からだの症状 | めまい、動悸、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、疲れやすい | めまいや動悸があるときは運動を休み、医師に相談する |
| こころの症状 | 気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、眠れない | 予約のキャンセルや振替がしやすいかを確かめておく |
同じページでは、更年期障害の治療は、まず問診のうえで生活習慣の改善(食事や運動、睡眠時間の確保など)や心理療法を試み、それでも改善しない場合にホルモン補充療法・漢方薬・向精神薬などの薬物療法を行うと説明されています。症状の陰に別の病気がないかを確かめることも大切だとされています。
運動は更年期の症状に効く?研究でわかっていること
運動とほてり・発汗などの症状の関係を調べたコクランレビューでは、5件のランダム化比較試験(733人)がまとめられました。運動と、何もしない場合を比べた3件(454人)では、ほてりなどの頻度や強さに差は見られず、根拠の質も低いとされています。著者は「運動がこれらの症状の治療として効果的かを示すには根拠が足りない」と結論づけています(Daleyら, 2014)。
一方、筋力トレーニングそのものについては、健康な女性4,019人(うち66.2%が閉経後)を対象にした126件の研究をまとめた2026年の研究で、閉経前・閉経後のどちらでも筋力が伸び、その伸び方に差はなかったと報告されています(Isenmannら, 2026)。年齢を理由に筋トレをあきらめる必要はない、という結果です。
| 目的 | 研究・指針 | 内容 |
|---|---|---|
| ほてり・発汗 | Daleyら(2014) | 運動の効果を示すには根拠が足りない |
| 筋力 | Isenmannら(2026) | 閉経前・閉経後のどちらでも筋力が伸び、差はなかった |
| 骨粗しょう症がある場合 | Giangregorioら(2014) | 筋トレとバランス運動を含む運動プログラムが強く勧められる |
| 運動量の目安 | 厚生労働省(2023) | 筋トレは週2〜3日 |
骨粗しょう症や背骨の骨折がある人を対象にした国際的な提言では、筋トレとバランストレーニングを含む複数の要素を組み合わせた運動が強く勧められています(Giangregorioら, 2014)。また、厚生労働省のガイドでは、大人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことが勧められています(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)。
更年期の人がパーソナルジムを選ぶときのポイント
パーソナルジムの利点は、その日の体調に合わせてメニューを変えてもらいやすいことです。次の点を体験や契約の前に確かめましょう。
- 体調を聞いてくれるか:最初のカウンセリングで、症状、持病、飲んでいる薬、医師からの指示を確認してくれるか。
- メニューを調整できるか:ほてりやめまいがある日に、休憩を増やす・負荷を下げるといった対応ができるか。
- 室温や水分補給:室温の調整や、こまめな水分補給ができる環境か。
- 予約の変更・休会:体調で行けない日の振替や休会の条件を、契約書で確かめる。
- 食事指導の中身:極端な制限を勧められないか。持病がある人は医師の指示を優先する。
女性の担当者を希望する場合は女性トレーナーがいるパーソナルジムの選び方も参考にしてください。エリアや料金で比べるならパーソナルジムのおすすめにまとめています。
契約前に確かめたいこと
国民生活センターは2026年10月、パーソナルトレーニングの契約トラブルについて注意を呼びかけました。相談件数は2021年度の495件から2025年度は1,457件に増えており、無料体験のあとに高額なコースを勧められた、途中で解約しようとしたら割引がなくなり入会金も求められた、といった事例が紹介されています(国民生活センター, 2026)。
| 確かめたいこと | 理由 |
|---|---|
| 総額(入会金・コース料金・食事指導料など) | 月額や1回あたりの金額だけでは比べにくい |
| 途中解約の条件と返金の計算方法 | 体調で続けられなくなる可能性がある |
| 休会・振替のルール | 症状が強い時期に通えないことがある |
| その場で契約を求められないか | 持ち帰って家族や医師と相談してから決められるようにする |
医師に相談したほうがよいとき
- ほてり、不眠、気分の落ち込みなどで、仕事や家事に支障が出ている
- 動悸や胸の痛み、息切れ、めまいがある
- 不正出血がある、月経の出血が多い
- 骨粗しょう症、高血圧、糖尿病などの病気がある、または治療中
- 関節や腰の痛みが強い、しびれがある
ジムの運動は治療の代わりではありません。症状がつらいときは、ひとりで抱えずに婦人科などの医師に相談しましょう。
よくある質問
パーソナルジムでホットフラッシュはおさまりますか?
運動でほてりや発汗がおさまるかは、研究で確かめられていません。コクランレビューでも、根拠が足りないと結論づけられています。症状がつらい場合は婦人科で相談してください。
50代から筋トレを始めても意味がありますか?
閉経後の女性でも、閉経前と同じように筋力が伸びたという研究のまとめがあります。ただし持病や痛みがある人は、始める前に医師に相談しましょう。年代別の始め方は40代・50代のパーソナルジムで解説しています。
どのくらいの頻度で通えばいいですか?
厚生労働省のガイドでは筋トレを週2〜3日が目安とされています。ジムに通う日以外に自宅での運動や歩くことを組み合わせる方法もあります。通う頻度の考え方はパーソナルジムの頻度にまとめています。
ピラティスとどちらがよいですか?
更年期の症状に対して、どちらがよいかを比べた研究はありません。続けやすさや目的で選びましょう。ピラティスについてはピラティスは更年期の症状によい?で解説しています。
出典
- 日本産科婦人科学会「更年期障害」
- Daley A, et al. Exercise for vasomotor menopausal symptoms. Cochrane Database Syst Rev. 2014
- Isenmann E, et al. It's never too late: The impact of resistance training on strength and body composition in females across the lifespan. J Sci Med Sport. 2026
- Giangregorio LM, et al. Too Fit To Fracture: exercise recommendations for individuals with osteoporosis or osteoporotic vertebral fracture. Osteoporos Int. 2014
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 国民生活センター「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」(2026年10月7日)
あわせて読む
このジムの近くで、一緒にトレーニングする仲間を探せます
同じジムに通う人どうしで、補助やフォームチェックをし合える合トレ相手を見つけられます。写真・レベル・自己紹介を登録すると、同じ県の仲間と「合トレしたい」でつながり、チャットで日時を決められます。連絡先はお互いが承認するまで出ません。
公式LINEを友だち追加すると、合トレナビのURLが届きます(無料)。18歳以上・合トレ目的の方のみ。