【研究の範囲で解説】ピラティスは更年期の症状によい?始め方と注意
ほてりや不眠など更年期の不調があり、ピラティスで少しでも楽になるか知りたい人へ。この記事では、研究でわかっていることと限界、始めるときの注意点をまとめました。
結論:ピラティスで更年期の症状がよくなった小さな研究はありますが、改善すると言い切れる段階ではありません。
- 閉経後の女性30人の研究で、症状の点数や生活の質がよくなった結果があります
- 有酸素運動と比べた研究では、はっきりした差は出ていません
- 「ピラティスかどうか」より「続けられる運動か」で選ぶのが現実的です
- ほてりや不眠、気分の落ち込みがつらいときは、まず婦人科などの医師に相談してください
更年期とピラティス・運動の研究(研究の範囲で)
| 研究 | 対象・方法 | 結果 |
|---|---|---|
| Yiğit Kocamerら(2025) | 閉経後の女性30人。ピラティス8週間と、情報提供のみを比較 | ピラティスの群で更年期の症状の点数や生活の質がよくなった |
| Canら(2026) | 閉経後の女性30人。ピラティスと有酸素運動を週2回・8週間で比較 | どちらも睡眠や気分などがよくなったが、群の間にはっきりした差はなかった |
| Choudharyら(2025) | 更年期前後の女性を対象にした13の研究(1,470人)をまとめたもの | 有酸素運動・ヨガ・ピラティス・筋トレなどの運動で、睡眠や心の状態がよくなったとされる |
この記事でわかること
- 更年期に起こりやすい体と心の変化
- ピラティスと更年期の症状について、研究でわかっていること
- 更年期の人がピラティスを始めるときのポイント
- 体調に合わせてもらいやすいレッスン形式と1回あたりの料金
- 運動の前に医師に相談したほうがよい症状
更年期に起こりやすい体と心の変化
厚生労働省の「スマート・ライフ・プロジェクト」の解説によると、閉経前後の10年くらいは女性ホルモンが大きく減る時期です。その影響で、次のような症状や痛みが起こりやすくなります。
| よく挙げられる変化 | 例 | 運動との関係で考えること |
|---|---|---|
| 自律神経の症状 | ほてり、のぼせ、動悸、汗、めまい | 暑い部屋での運動は無理をしない。症状が強いときは休む |
| 心と睡眠 | イライラ、気分の落ち込み、不眠 | 運動と睡眠・心の状態の研究はある(後述) |
| 体の痛み | 肩こり、腰痛、関節痛 | 痛みが強いときは医師に相談してから |
| その後の健康 | 骨粗しょう症、脂質や血管の変化 | 筋トレや骨に負荷がかかる運動もあわせて考える |
更年期のあとに高まるのが、骨粗しょう症などのリスクです(スマート・ライフ・プロジェクト)。
同じ解説では、更年期・高齢期の女性に「週3回程度の適度な運動習慣を続けること」がすすめられています。特別な運動でなくても、日常生活でこまめに体を動かすことも大切だという考えです。
ピラティスと更年期の症状:研究でわかっていること
ピラティスと更年期の症状を直接調べた研究は、まだ多くありません。主なものを見てみましょう。
- ピラティスと情報提供のみの比較:閉経後の女性30人の研究です。8週間ピラティスを行う群と、更年期の説明を受けるだけの群を比べました。ピラティスの群で、症状の点数(Menopause Rating Scale)や生活の質がよくなっています(Yiğit Kocamerら, 2025)。
- ピラティスと有酸素運動の比較:閉経後の女性30人が、どちらかを週2回・8週間行いました。どちらの群も、気分や睡眠、生活の質の一部がよくなりました。ただし、群の間にはっきりした差はありません。著者は、好みや通いやすさで選んでよいとしています(Canら, 2026)。
- 運動全体のまとめ:更年期前後の女性の13の研究(1,470人)をまとめたレビューです。対象は有酸素運動・ヨガ・ピラティス・筋トレ・ストレッチなど。いずれも睡眠の質や心の状態がよくなったとされます(Choudharyら, 2025)。
一方、国際閉経学会の提言づくりのために、補完療法のレビューも行われました(Maunderら, 2026)。ヨガなど心と体を使う方法を含め、多くは「有望だが、根拠の確かさは低い〜とても低い」という評価です。
FITPEAK編集部では、今の研究を次のように整理しています。
- 言えること:運動を続けると、睡眠や気分によい可能性がある
- 言えないこと:ピラティスが特別に効く、ほてりがおさまる
- まだわからないこと:マシンとマットのどちらが向いているか
更年期の人がピラティスを始めるときのポイント
研究の結果からは、「ピラティスかどうか」より「続けられるかどうか」が大切だと考えられます。始めるときは次の点を確かめましょう。
| ポイント | 確かめること |
|---|---|
| 先に医師に相談 | ほてりや動悸が強い、持病や服薬がある、骨粗しょう症と言われた場合は、運動の内容を相談しておく |
| 部屋の温度 | ほてりやすい時期は、室温が高すぎないスタジオを選ぶ。水分をとれるようにする |
| 背骨を強く丸める動き | 骨粗しょう症と言われている場合は、背骨を強く丸めたりねじったりする種目を行ってよいか医師に確かめる |
| 形を見てもらえるか | 体調に合わせて種目を変えてほしいなら、マンツーマンや少人数のレッスンが向いている |
| ほかの運動との組み合わせ | 厚生労働省は筋力トレーニングを週2〜3日行うことをすすめている。ウォーキングなどと組み合わせる |
厚生労働省のガイドでは、大人に次の3つがすすめられています(身体活動・運動ガイド2023)。
- 歩行と同じくらい以上の強さの身体活動を1日60分以上
- 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
- 筋力トレーニングを週2〜3日
ピラティスは、このうちの一部として取り入れるのが現実的です。家で筋トレを足したい人は、自重トレ大全で種目とやり方を3Dで確かめられます。
体調に合わせてもらうなら:レッスン形式と1回あたりの料金
体調に合わせて種目を変えてほしいなら、マンツーマンや少人数のレッスンが向いています。FITPEAKが公式サイトで調べた、マシンピラティス22社の料金は次のとおりです。
| 形式 | 社数 | 1回あたりの範囲 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| グループ | 15社 | 1,833〜4,950円 | 3,561円 |
| マンツーマン | 7社 | 5,500〜11,000円 | 9,300円 |
FITPEAK調べ(2026年10月18日時点、22社の公式サイト)。1回あたりは「(月4回の月額+毎月の施設費)÷4回」で計算しています。
更年期の人向けに、FITPEAK編集部の選び分けをまとめました。
- 日によって体調の波が大きい人:その日に合わせて内容を変えてもらいやすいマンツーマン
- 費用を抑えて長く続けたい人:グループ
- どちらの場合も:体験レッスンで室温と、体調を伝えやすい雰囲気かを確かめる
スタジオごとの料金はマシンピラティス料金比較で確かめられます。形式の違いはピラティスのグループとマンツーマンの違いが参考になります。
更年期の症状で医師に相談したほうがよいとき
次のような場合は、運動を始める前に婦人科などの医師に相談しましょう。
- ほてり・不眠・気分の落ち込みなどで、仕事や家事に支障が出ている
- 月経の出血が多い、不正出血がある
- 動悸や胸の痛み、息切れがある
- 骨粗しょう症、高血圧、糖尿病などの病気がある、または治療中
- 関節や腰の痛みが強い、しびれがある
更年期の症状には、ホルモン補充療法などの治療もあります。運動は治療の代わりではありません。医師と相談しながら、生活に取り入れるものと考えてください。
よくある質問
ピラティスでホットフラッシュはおさまりますか?
ピラティスでほてり(ホットフラッシュ)がおさまると言い切れる研究はありません。症状の点数がよくなったという小さな研究はありますが、人数が少なく、確かさには限界があります。つらいときは婦人科などの医師に相談してください。
更年期は何歳からですか?
一般に、閉経をはさんだ前後の約10年間を更年期と呼びます。始まる時期や症状には大きな個人差があります。
マシンとマット、どちらが向いていますか?
研究ではどちらがよいかは比べられていません。マシンはばねで動きを支えたり負荷を調整したりでき、マットは自宅でも続けやすいという違いがあります。詳しくはマットピラティスとマシンピラティスの違いで比べています。
50代から始めても大丈夫ですか?
持病や痛みを先に医師に相談し、簡単な形から始めれば取り入れやすい運動です。始め方はピラティスは50代からでも大丈夫?にまとめています。
まとめ
- ピラティスで更年期の症状がよくなった小さな研究はありますが、改善すると言い切れる段階ではありません
- 有酸素運動と比べた研究では、はっきりした差は出ていません
- ピラティスは、歩く・筋トレなどと組み合わせる運動の一部と考えると続けやすくなります
- 室温や背骨を強く丸める動きなど、体調に合わせた注意が必要です
- 症状がつらいとき、持病があるときは、まず医師に相談してください
体調に合わせて内容を変えてもらいやすいスタジオは、マンツーマンのマシンピラティスおすすめで比べています。
出典
- 厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト「高齢期の女性に関する健康支援」(女性の健康週間2020)
- Yiğit Kocamer M, Atilgan E. Investigating the effects of Pilates exercises on menopausal symptoms and sexual dysfunction in postmenopausal women. Medicine (Baltimore). 2025(2026年10月確認)
- Can B, et al. Comparative Effects of Clinical Pilates Training and Aerobic Exercise on Menopausal Symptoms. BJOG. 2026(2026年10月確認)
- Choudhary A, Bansal K. Menopause and movement: exercise for better sleep and psychological well-being. Menopause. 2025(2026年10月確認)
- Maunder A, et al. Complementary therapies for management of menopausal symptoms: a systematic review. Climacteric. 2026(2026年10月確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- FITPEAK「マシンピラティス料金比較」(22社の公式サイト、2026年10月18日時点)
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