【原因5つと4段階の練習】ピラティスのロールアップができない人へ
「ロールアップだけできない」と悩む人に向けて、原因と、下ろす練習から始める4段階の練習をまとめました。
ロールアップができないのは、腹筋の力だけでなく、背骨を丸める感覚や反動、脚が浮くことなどが重なっているためです。
- 背骨を一つずつ丸める動きに、まだ慣れていないことが多いです
- 太ももの裏がかたいと脚が浮き、反動で起きようとすると途中で止まります
- 起き上がるより先に「下ろす」練習をすると、少しずつ近づけます
- 腰や首に痛みがある人は、始める前に医師に相談してください
ロールアップに近づく4つの段階
この記事でわかること
- ロールアップがどんな種目か
- できない5つの原因と、見直し方
- 下ろす練習から始める4段階の練習
- 痛みがある人の注意点
ロールアップとはどんな種目か
ロールアップは、あお向けに寝た姿勢から、背骨を首の方から一つずつ丸めて起き上がるマット種目です。前屈まで行ったら、また背骨を下から一つずつ床に下ろしていきます。腕は起き上がるときに前へ伸ばし、寝ているときは頭の上へ伸ばすのが基本の形です。
ピラティスは、筋力・体幹の安定・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸を大切にする運動と整理されています(Wellsら, 2012)。ロールアップは、おなかの力だけでなく、背骨の柔らかさ、動きのコントロール、呼吸のタイミングを同時に求める種目です。そのため「腹筋運動はできるのにロールアップはできない」ということがよく起こります。
| 項目 | ロールアップ | ふつうの上体起こし |
|---|---|---|
| 脚 | 伸ばして床につけたまま | ひざを曲げることが多い |
| 背骨の動き | 一つずつ丸めて、一つずつ下ろす | 背中を丸めて起き上がる |
| ゆっくり下ろす動き | 起き上がるのと同じくらい大切 | あまり意識しないことが多い |
| 柔軟性 | 太ももの裏・背中の柔らかさも関係する | あまり関係しない |
ロールアップができない5つの原因
| 原因 | 起こりやすいこと | 見直し方 |
|---|---|---|
| 背骨を一つずつ丸められない | 背中が板のようにまっすぐのまま起きようとして、途中で止まる | まず「下ろす」練習で、背骨を丸める感覚をつかむ |
| 反動で起きようとする | 勢いがなくなったところで止まる、腰に負担を感じる | 腕を振らず、息を吐きながらゆっくり丸める |
| 脚が浮いてしまう | 起き上がるときに脚が持ち上がり、体が後ろへ戻される | ひざを曲げる、足先を軽く押さえてもらう |
| 太ももの裏や背中がかたい | 前屈の位置まで体が倒れない | ひざを曲げてよい。ストレッチは無理のない範囲で |
| 首から引っぱって起きる | 首が疲れる、肩に力が入る | あごを軽く引き、目線をおなかへ。おなかから丸める |
とくに多いのは、最初の「背骨を一つずつ丸められない」ことです。起き上がることばかり考えると、背中をまっすぐにしたまま腹筋だけで持ち上げようとしてしまいます。ロールアップは「丸める・ほどく」動きだと考えると、取り組み方が変わります。
段階的な練習のしかた
- 下ろす練習(ロールダウン):ひざを曲げて座り、両手で太ももの裏を軽く持ちます。息を吐きながら骨盤を後ろへ傾け、腰・背中の順に床へ下ろしていきます。途中までで戻ってもかまいません。5回ほど。
- 途中まで起きる:あお向けでひざを立て、腕を前に伸ばします。息を吐きながら頭・首・肩の順に丸め、肩甲骨が床から離れたところで止めて、ゆっくり戻ります。5〜8回。
- 補助つきで通す:ひざを曲げたまま、手で太ももの裏を持って、起き上がる・下ろすを通して行います。手で引っぱりすぎず、おなかで丸めることを意識します。3〜5回。
- 基本の形:脚を伸ばし、腕を前に伸ばして、反動を使わずに起き上がり、前屈し、背骨を下から一つずつ下ろします。3〜5回から。
1つの段階で、形をくずさずに決めた回数ができるようになってから、次に進みましょう。足首に軽いおもりをのせたり、足先を壁の下に入れたりして、脚が浮かないように工夫する指導者もいます。
FITPEAK編集部では、つまずいた場所に合わせて、次のように戻ることをすすめています。
- 起き上がる途中で止まる:段階1の「下ろす練習」に戻る
- 脚が浮く:ひざを曲げた段階3で練習する
- 首が疲れる:あごを軽く引き、段階2で肩甲骨が離れるところまでにとどめる
一人では形がわかりにくい場合は、インストラクターに見てもらうと早く原因がわかります。マシンピラティスでは、ばねの力で動きを補助しながら背骨を丸める練習ができる種目もあります。料金はマシンピラティス料金比較で目安を確かめられます。
痛みがある人の注意点
- 腰や首に痛み・しびれがある人は、始める前に医師に相談してください。
- 骨粗しょう症など骨が弱いと言われている人は、背骨を強く丸める動きについて医師に相談してください。
- 妊娠中・産後の人は、あお向けやおなかに力を入れる種目について、医師に相談してから行いましょう。
- 途中で痛みが出たら、すぐに中止してください。
ピラティスの腰痛への効果を調べたコクラン・レビューがあります。運動をほとんどしない場合と比べて、痛みや動きにくさが軽くなったという結果でした。一方で、ほかの運動より優れるとは言えないとされています(Yamatoら, 2015)。ロールアップ1種目の効果を調べたものではない点にも注意してください。
よくある質問
ロールアップができるようになるまでどのくらいかかりますか?
期間は一概に言えません。体の柔らかさや筋力、練習の回数によって大きく違うためです。段階を一つずつ進めることを目標にしましょう。
ロールアップは腹筋が弱いとできませんか?
腹筋が弱いことだけが理由ではありません。腹筋の力も関係しますが、背骨を丸める感覚や太ももの裏の柔らかさ、反動を使わないコントロールも大切です。腹筋運動ができても、ロールアップがむずかしい人は少なくありません。
ロールアップで首が痛くなるのはなぜですか?
首から引っぱって起きていることが多いです。首が疲れる原因と直し方はピラティスで首が疲れるのはなぜ?で解説しています。痛みが続く場合は中止し、医師に相談してください。
ロールアップの代わりになる種目はありますか?
はい、あります。段階1〜3の練習そのものが、代わりの種目になります。ハンドレッドの簡単な形も、背骨の上の方を丸める練習になります。やり方はハンドレッドのやり方を参考にしてください。
まとめ
- ロールアップは、腹筋だけでなく背骨を丸める感覚が必要な種目です
- できない原因は、背骨・反動・脚の浮き・かたさ・首の力みの5つです
- 起き上がるより先に、下ろす練習から始めます
- 形をくずさずに決めた回数ができたら、次の段階に進みます
- 腰や首の痛み、骨が弱いと言われている人、妊娠中は、始める前に医師に相談してください
スタジオで形を見てもらいたい人は、マシンピラティスのおすすめで料金とサポート内容を比べられます。
出典
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012
- Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015
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