【意味と種目で解説】ピラティスの6原則とは?集中・呼吸など6つの考え方
ピラティスの6原則とは、ピラティスの動きを行うときの考え方として伝えられてきた「センタリング(中心)」「コンセントレーション(集中)」「コントロール(制御)」「プレシジョン(正確さ)」「フロー(流れ)」「ブレス(呼吸)」の6つです。ピラティスの研究をまとめた系統的レビューでも「伝統的な原則」としてこの6つが挙げられています。数や呼び方は団体や指導者によって違うことがあるため、レッスンでの意識のしかたの目安として使いましょう。
ピラティスの6原則
- センタリング:体の中心から動く
- コントロール:勢いに頼らず動きを制御する
- プレシジョン:一つひとつの形を正確に
- コンセントレーション:動きに集中する
- フロー:動きを途切れさせずにつなぐ
- ブレス:動きと呼吸を合わせる
ピラティスの6原則とは?研究での位置づけ
ピラティスを扱った論文119本を調べたWellsらの系統的レビューでは、ピラティスを「筋力、体幹の安定、柔軟性、筋肉のコントロール、姿勢、呼吸に焦点を当てた、心と体の運動」と整理しています。そのうえで、伝統的なピラティスの原則としてセンタリング・コンセントレーション・コントロール・プレシジョン・フロー・ブレスの6つを挙げ、論文の中で平均23%で取り上げられていたと報告しています(Wellsら, 2012)。
| 原則 | 意味 | レッスンでの意識のしかた(例) |
|---|---|---|
| センタリング(Centering) | 体の中心を意識し、そこから動く | おなかを軽く引き込み、骨盤と肋骨の位置を整えてから手足を動かす |
| コンセントレーション(Concentration) | 動きに注意を向ける | 今どこを動かしているか、どこを止めているかに意識を向ける |
| コントロール(Control) | 動きを制御する | 反動や勢いを使わず、戻す動きもゆっくり行う |
| プレシジョン(Precision) | 正確に動く | 回数より形を優先し、角度や位置を丁寧に合わせる |
| フロー(Flow) | 動きを流れるようにつなぐ | 止めるところと動くところをなめらかにつなぎ、ぎくしゃくさせない |
| ブレス(Breathing) | 呼吸と動きを合わせる | 息を止めず、動きの区切りで吸う・吐くを決めて行う |
なお同じレビューでは、腰痛のある人を対象にした論文では、呼吸以外の原則はほとんど取り上げられていなかったとも報告されています。研究の場では、原則そのものより、体幹の安定や姿勢などが重視される傾向があると読み取れます。
6原則を種目でどう意識する?
原則は、1つずつ切り離して考えるより、種目の中で組み合わせて意識すると理解しやすくなります。代表的な種目での例です。
| 種目 | 特に意識したい原則 | ポイント |
|---|---|---|
| ハンドレッド | ブレス、センタリング | 5カウントで吸って5カウントで吐く呼吸を途切れさせず、おなかで頭と肩を支える |
| ロールアップ・ロールダウン | コントロール、プレシジョン | 背骨を一つずつ動かし、反動を使わない |
| シングルレッグストレッチ | センタリング、フロー | 骨盤をゆらさず、左右の入れかえをなめらかにつなぐ |
| リフォーマーのフットワーク | コンセントレーション、コントロール | 足の位置と押す・戻す速さに集中し、ばねに引かれないように戻す |
ハンドレッドの詳しいやり方はピラティスのハンドレッドのやり方、おなかの引き込み方はピラティスのスクープとは?で解説しています。
初心者が6原則を身につけるコツ
- まずは呼吸から:6つを同時に意識するのは難しいため、最初は「息を止めない」ことだけを目標にします。
- 回数を減らして形を優先する:プレシジョンとコントロールは、回数を少なくすると意識しやすくなります。
- 1レッスンで1つのテーマ:「今日はセンタリング」のように、意識する原則を1つ決めて参加するのも方法です。
- インストラクターに聞く:同じ原則でも、言葉の使い方や教え方は指導者によって違います。わからない言葉はその場で質問しましょう。
マシンを使うレッスンでは、ばねの抵抗や支えがあることで、コントロールやセンタリングを感じ取りやすくなることがあります。マシンピラティスのスタジオ選びはマシンピラティスのおすすめで比べています。
6原則と効果の関係をどう考える?
6原則は「どう動くか」の考え方で、それ自体が特定の効果を約束するものではありません。ピラティス全体の効果については研究が進められていますが、たとえば腰痛については、運動をほとんどしない場合と比べて痛みが軽くなったという結果がある一方、ほかの運動より優れるとは言えないとされています(Yamatoら, 2015)。研究でわかっていることはピラティスの効果にまとめています。
- 腰や首、肩に痛みがある人、持病がある人、妊娠中・産後の人は、レッスンを始める前に医師に相談してください。
- レッスン中に痛みやしびれが出たら、原則にこだわらず中止しましょう。
よくある質問
6原則はジョセフ・ピラティスが決めたものですか?
研究では「伝統的なピラティスの原則」として扱われていますが、数や名前は団体や指導者によって違うことがあります。原則の数を増やして教えるところもあるため、通うスタジオの説明に合わせて理解しましょう。
呼吸は鼻から吸って口から吐くのですか?
そのように教えられることがありますが、呼吸の方法やカウントは種目や指導者によって違います。息を止めないことを優先しましょう。
6原則を知らなくてもピラティスはできますか?
できます。レッスンではインストラクターが動き方を説明してくれるので、原則は「なぜそう動くのか」を理解する手がかりとして知っておくと役立ちます。
ヨガの考え方とはどう違いますか?
どちらも呼吸を大切にしますが、目的や動きの組み立てが違います。比較はピラティスとヨガの違いで解説しています。
出典
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012
- Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015
- Pilates Method Alliance「The History of Pilates」
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