【座位の体幹種目】リフォーマーのショートボックスのやり方と注意点
リフォーマーのショートボックスは、キャリッジ(動く台)の上に箱(ボックス)を置いて座り、足をフットストラップに引っかけて固定したまま、上半身を丸める・まっすぐ倒す・横に曲げる・ねじるなどの動きを行う座位の体幹種目です。脚が固定されている分、上半身を後ろへ倒す動きが大きくなりやすいので、倒す深さは小さく始めるのが基本です。腰や首に痛みがある人、腰の病気で治療中の人は、先に医師に相談してください。
ショートボックスでよく行われる動き
- 背中を丸めたまま後ろへ倒れて戻る
- おなかの前側を使う
- 背すじをまっすぐ保ったまま後ろへ傾く
- 体幹で背骨の形を保つ
- 腕を上げて体を横へ曲げる
- わき腹を伸ばし、使う
- 上半身をねじってから傾ける
- ねじりと体幹の安定を組み合わせる
ショートボックスとは?どんな種目か
ショートボックス(short box)は、リフォーマーで行われる座位の種目群です。キャリッジの上に箱を横向きに置き、その上に座って、フットストラップに足の甲を引っかけて下半身を固定します。下半身が安定した状態で、上半身を前後・左右・ねじりの方向に動かすのが特徴です。
リフォーマーは、ジョセフ・ピラティスが考案した器具がもとになっており、重りの代わりにばね(スプリング)を使う形に改良されたとされています(Pilates Method Alliance)。ショートボックスでは、キャリッジが動かないようにばねをかけて行うことが多く、ばねは負荷というより台を安定させる役割で使われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 姿勢 | キャリッジに置いた箱の上に座り、足をフットストラップに引っかける |
| 動き | 上半身を丸めて後ろへ倒す、まっすぐ傾ける、横に曲げる、ねじる |
| 主に使う場所 | おなかの前側・横、背中、座った姿勢を保つ体幹 |
| 使う道具 | ボックス(箱)、フットストラップ。動きによっては棒(ポール)を持つ |
| ばね | キャリッジを安定させるためにかけることが多い。機種やスタジオによって違う |
ピラティスは、体幹の安定・筋力・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸を意識する運動と整理されています(Wellsら, 2012)。ショートボックスは、このうち体幹の安定とコントロールを、座った姿勢でいくつもの方向から練習する種目といえます。
基本のやり方(ラウンドバック)と意識すること
ショートボックスの最初に行われることが多いラウンドバックを例に、流れを紹介します。
- 座る位置を決める:ボックスの前寄りに座り、フットストラップに足の甲を引っかけます。足はストラップを軽く押し上げるようにして安定させます。
- 背骨を丸める:腕を胸の前で組むか前に伸ばし、骨盤を後ろに傾けて、背中をCの字に丸めます。
- 後ろへ倒れる:息を吐きながら、丸めた形を保ったまま、少しだけ後ろへ倒れます。最初は小さな幅で十分です。
- 戻る:おなかの前側を使って、丸めた背中のまま元の位置へ戻り、最後に背すじを伸ばします。
| よくある間違い | 起こりやすいこと | 直し方 |
|---|---|---|
| 倒れる幅が大きすぎる | 戻れなくなる、腰が反る | おなかの力で戻れる範囲まで小さくする |
| 脚の力で戻る | もも前ばかり疲れ、体幹を使いにくい | 足はストラップに軽く添え、おなかから戻る |
| 首だけ前に出る | 首や肩が張る | あごを軽く引き、頭は背骨の延長に置く |
| 息を止める | 力みやすい | 倒れるときに吐く、など呼吸と合わせる |
| 座る位置が後ろすぎる | 倒れたときに箱から落ちそうになる | 箱の前寄りに座り、動く前に位置を確かめる |
脚が固定されていると、上半身を後ろへ倒す動きが思ったより大きくなりがちです。座る位置やストラップの長さ、ばねの設定は自分では判断しにくいので、最初は指導者に見てもらいましょう。マシンでの個別指導があるスタジオはマシンピラティスのおすすめスタジオで比べています。
ほかの動き(フラットバック・サイド・ツイスト)
| 動き | やり方の要点 | 注意したいこと |
|---|---|---|
| フラットバック | 腕を上げ、背すじをまっすぐ保ったまま股関節から後ろへ傾いて戻る | 腰が反らない範囲で、傾ける角度を小さくする |
| サイド(横) | 背すじを伸ばして座り、腕を上げて体を真横へ曲げる | 体が前後に倒れない。反対側のお尻が浮かないようにする |
| ツイスト | 上半身をねじってから、その向きのまま傾けたり戻したりする | ねじる幅は痛くない範囲で。骨盤は正面に向けたまま |
| ツリー | 片脚を持ち上げ、脚に沿って手を歩かせるように上半身を倒して戻る | 難しい動き。もも裏が硬い人や初心者は省略されることが多い |
動きの名前や行う順番は、スタジオや指導者によって違います。どの動きも、深く倒すことより、形を保ったまま戻れることを優先しましょう。横に曲げる動きは、体の横を伸ばす種目とも共通点があります。器具を使った横の動きはピラティスのバレルとは?でも紹介しています。
注意点(医師に相談したほうがよい人)
- 腰痛や首の痛みがある人、腰の病気で治療中の人は、背骨を丸めたり反らしたり、ねじったりする動きをしてよいか、先に医師に相談してください。
- ピラティスの腰痛への効果を調べた研究では、ほとんど運動をしない場合と比べて痛みが軽くなったという結果がある一方、ほかの運動より優れるとは言えないとされています(Yamatoら, 2015)。ショートボックス1種目の効果を調べた研究ではありません。
- 動いている途中でしびれや強い痛み、めまいが出たら、すぐにやめましょう。
- 妊娠中の人は、運動を始める前に医師に相談してください。
よくある質問
ショートボックスは初心者でもできますか?
ラウンドバックなど基本の動きは、倒す幅を小さくすれば初心者向けのレッスンでも行われることがあります。ただし脚が固定されるぶん後ろへ倒れすぎやすいので、最初は指導者の補助のもとで行いましょう。初めてのレッスンの流れはマシンピラティス初心者ガイドで紹介しています。
マットのピラティスでも似た動きはできますか?
マットでも、座って背骨を丸める動きは練習できます。たとえばスパインストレッチフォワードは、座位で背骨を順に丸めて起こす種目です。ただし、足を固定して後ろへ倒れる動きは、リフォーマーのフットストラップがあるからこそ行いやすい形です。
おなかを引き締めたいのですが、効果はありますか?
ショートボックスはおなかまわりを使う種目ですが、おなかの運動だけでおなかの脂肪が減るとはいえません。腹筋の運動を6週間続けた研究では、腹筋の持久力は上がった一方、おなかの脂肪には差が見られなかったと報告されています(Visputeら, 2011)。
ばねの強さはどうすればいいですか?
ショートボックスでは、キャリッジが動かないようにばねをかけることが多いですが、機種によってばねの数や強さの表し方が違います。自分で決めず、スタジオの指導者に確認しましょう。リフォーマーのしくみはリフォーマーピラティスとは?で解説しています。
出典
- Pilates Method Alliance「The History of Pilates」
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012
- Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015
- Vispute SS, et al. The effect of abdominal exercise on abdominal fat. J Strength Cond Res. 2011
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