THE MUSCLE NEWSPAPER
ボディビル・フィジーク

ビキニのポージング、フロント・バックの立ち方とIウォークを団体別に解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 11分
ロシア・カリーニングラードのビキニ大会で、ステージに並んでバックポーズをとる選手たち
SUMMARY|この記事の要約

ビキニのポージングを、IFBB規則、JBBFの競技ルールマニュアル、FWJとSSAの公式ページから解説する。フロント・サイド・バックの立ち方、Iウォークとスリーステップ、審査基準、よくある失敗、ベストボディのウォーキングとの違いをまとめた。

ビキニのポージングは、片手を腰に当てて片脚を少し横に出すフロントと、上体を反らさずに立つバックが基本だ。IFBBとJBBFはこれを4方向のクォーターターンで見せ、決勝では歩き方と見せ方を審査するIウォークも行う。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

ビキニは筋肉の大きさではなく、全身の形と見せ方を競う部門である。そのため、立ち方、歩き方、手先の表情までが審査の対象になる。本記事は、国際団体IFBBのビキニ規則(2024年版)、公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の2026年度版競技ルールマニュアル、FWJとサマースタイルアワード(SSA)の公式ページ、ベストボディ・ジャパンの大会概要を10月21日時点で確認し、ルールに書かれているポーズと審査基準を整理した。

JBBFの競技ルールマニュアルを見る

ビキニのポージングは団体でどう違うのか

審査の流れと規定のポーズを団体別に並べる。IFBBとJBBFは4方向のクォーターターンとIウォーク、FWJはフロントとバックの2ポーズ、SSAは部門ごとに独自の規定ポーズを持つ。

団体・部門 規定のポーズ ウォーキング 審査の流れ
IFBB ビキニ クォーターターン(フロント→右→バック→右→フロント) 決勝でIウォーク(中央で自由な4ポーズ) 予選(15人超で選抜ラウンド)→ラウンド1で比較審査→上位6人の決勝ラウンド2(Iウォーク、クォーターターン2回、スリーステップ)
JBBF ビキニフィットネス クォーターターン(フロント・左サイド・バック・右サイド) 予選・決勝ともIウォーク(予選は進行によりクォーターターンのみの場合あり) ピックアップ(12人以下は行わない)→予選→決勝はIウォーク・クォーターターン・3ステップフォワード
FWJ ビキニ フロントとバックの2ポーズ ウォーキングをする場合あり。入場時にセンターラインでフロント・バック・フロント フロントからバックへの一連の流れの美しさが審査のポイント
SSA ビキニ(ベティ)/ビキニモデル ベティはフロント・バック、ビキニモデルはフロント・サイド・バック(右回り) 部門ページに記載なし 規定ポーズを取った後、次のアナウンスまでその向きで自由に動いてよい

フロントとバックの立ち方のポイント

フロント:片手を腰に、片脚を少し横へ

IFBBの規則の付録1は、フロントを「体と同じ方向に頭と目を向けて直立し、片手を腰に当て、片脚を少し横へ動かす」と説明する。もう一方の手は体の横に下ろして少し外へ離し、手のひらを開いて指をそろえる。膝は伸ばし、おなかを引き、胸を張り、肩を後ろに引く。両脚を左右対称に開いて立つのは誤りとされ、そう立った選手は順位を下げられたり、ステージから退場させられたりすることもある。

ピンクのビキニ姿で片手を腰に当て、もう一方の手を下に流すフロントポーズをとるサマースタイルアワードの選手
画像:サマースタイルアワード公式サイト「ビキニモデル部門」より

JBBFのマニュアルは、腰に当てる手は「綺麗な形で表現されたしなやかな手先で添える」、伸ばしている腕は自然に体の横に下ろし、重心は片方の足に乗せるとしている。下ろす手の指先はまっすぐ開いた状態にし、腕は体から少し外側に離す。写真付きの悪い例として、腰より上に手を流すポーズはNGと示されている。

バック:上体を前に倒さず、反らしすぎない

IFBBは、バックでは上体を前に傾けずにまっすぐ立ち、片手を腰に当てて片脚を少し横に出すと定める。腰の反りは自然か軽い程度、背中の上部はまっすぐで頭を上げる。比較審査の間は上半身を審査員の方へひねってはならず、常にステージの奥を向いていなければならない。ここでも左右対称に脚を開く立ち方は誤りとされる。JBBFのマニュアルも、広背筋や僧帽筋を極端に緊張させず、上体の反りすぎと両肩の上げすぎに注意するよう書いている。

サイド:骨盤は横、上半身は審査員へ

IFBBのサイドは、上半身を少し審査員側に向けて顔は審査員を見る。審査員に近い側の腰を少し上げ、近い脚の膝を軽く曲げて体の中心線近くでつま先立ちにし、遠い脚はまっすぐ伸ばす。JBBFは、骨盤を横に向けたまま上半身をひねり、顔は正面、下ろす手はヒップにかからないようにするとしている。腕の位置はウエストラインより上にならないのが目安だ。

Iウォークとスリーステップは何を見ているのか

IFBBのビキニ決勝(ラウンド2)では、上位6人が番号順に1人ずつ登場し、ステージ中央まで歩いて止まり、自分で選んだ4つの異なるポーズを取ってから、後方のラインナップまで歩く。これがIウォークである。規則の付録3によると、審査員は動きの中で体をどれだけうまく見せられるかを評価し、歩くペース、動きの優雅さ、ジェスチャー、ショーマンシップ、個性、カリスマ性、ステージでの存在感、自然なリズムが最終順位に関わる。

赤いビキニとハイヒール姿でステージに立つFWJビキニモデル部門の選手
画像:FWJ(Fitness World Japan)「Bikini Model」より

決勝のクォーターターンでは、バックの後に号令でステージ奥へ3歩進んでバックの姿勢を取り、最後のフロントの後にはステージ前方へ3歩進んでフロントの姿勢を取る。JBBFも決勝にこの「3ステップフォワード」を入れている。JBBFのマニュアルはIウォークについてIFBBルールから抜粋し、早すぎず遅すぎないペースで、優美で上品な動きと自然なリズムでラインナップの位置まで自己表現するよう求めている。

Tウォークはボディフィットネスの歩き方

JBBFでは、歩き方が部門によって異なる。ビキニフィットネスとウェルネスはIウォーク、ボディフィットネスはTウォーク、ウィメンズフィットモデルはVウォークと、2026年度版マニュアルで使い分けられている。ビキニに出るならIウォークを練習するのが正しい。

FWJ・SSA・ベストボディのポーズと歩き方

FWJのビキニ部門は、フロントとバックの規定2ポーズで審査し、ウォーキングをする場合がある。フロントからバックまでの一連の動きを、いかに流れるように美しく見せるかが審査のポイントだという。過度な動きや規定ポーズ以外の動きは減点で、肘を曲げて横にするポーズと手首を上に曲げるポーズも減点の対象と明記されている。入場時はセンターラインでフロント、バック、フロントの順にポーズを取る。

SSAのビキニ(ベティ)部門は、2025年に規定ポーズを改訂した。フロントは軸足のつま先を斜め45度に向け、もう一方の脚の膝を曲げ、その側の手は肘を曲げて腰に置く。バックは2026年に改正され、両足を肩幅を目安に開き、膝を緩めて「ダイヤモンドカット」を見せる形になった。腕は指先まで平行に伸ばすか、上に向けるかを選べるが、肘先が肘より上に上がってはならない。ビキニモデル部門は、ベティより柔らかいポージングを求め、バックで手を頭に上げるようなハードな見せ方は不要としている。ビキニモデル部門は規定ポーズを右回りで行うと定め、左回りは減点対象としている。

ベストボディのウォーキングとの違い

ベストボディ・ジャパンの大会概要は、審査基準の一つに「ウォーキングを含む身のこなし、見せ方」を挙げ、女性はウォーキングのレベル、姿勢の良さ、スムーズな動き方に加えて「ヒールの履きこなし」を見るとしている。協会が公開している大会概要には、IFBBのIウォークのような決まった歩き方やポーズの数は書かれていない。ビキニ系の競技が規定のポーズと決められた歩き方で体の形を比べるのに対し、ベストボディは健康美や表現力、知性や品格まで含めた総合的な見せ方を評価する点が違いといえる。

審査員はビキニのどこを見るのか

IFBBの規則は、髪とメイク、全体の発達と形、バランスと左右対称性、肌の状態とトーン、自信と気品と優雅さをもって自分を見せる力を挙げる。筋肉の発達や質は評価の対象ではなく、調和のとれた古典的な女性の体型、良い姿勢、縦と横のプロポーションが重視される。筋肉が多すぎる、硬すぎる、乾きすぎ、絞りすぎの体は減点すべきとされ、「これはボディフィットネスの大会ではない」と明記されている。

JBBFのマニュアルは、トレーニングで作られた曲線的な美しい筋肉、細くくびれたウエスト、丸みのあるヒップ、しっかり作られた脚、ほどよく鍛えられた三角筋を挙げ、ステージ上のぎこちない仕草や暗い表情はマイナス要因になるとする。具体的には、肩をいからせず三角筋が目立ちすぎない、ウエストが細く薄い、腰幅が狭く引き締まっている、腕が細い、背中に力を入れない自然なVシェイプ、関節周りが締まっている、の6点を示している。

よくある失敗 根拠
両脚を左右対称に開いて立つ IFBB:誤りで、順位を下げられるか退場もありうる
バックで上半身を審査員の方へひねる IFBB:比較中は常にステージの奥を向く
流す手を腰より上に上げる JBBF:NG例として図示
肘を曲げて横に張る、手首を上に曲げる FWJ:減点対象
背中や肩に力を入れすぎる JBBF:広背筋・僧帽筋を極端に緊張させない

FWJのビキニ部門の規定を見る

よくある質問

Iウォークのポーズは決まっていますか

IFBBの規則では、ステージ中央で「自分で選んだ4つの異なるポーズ」を取る。決まった型はなく、歩くペースや優雅さ、自然なリズム、存在感が評価される。

フロントで両手を腰に当ててもいいですか

IFBBとJBBFの記述は、片手を腰に当ててもう一方の手を体の横に下ろす形である。FWJは肘を曲げて横にするポーズを減点としている。出場する団体の規定に合わせたい。

ヒールで歩く練習は必要ですか

IFBBとFWJはハイヒール、JBBFは公認サンダル・ミュールで登壇する。ベストボディはヒールの履きこなしを審査基準に挙げている。大会と同じ靴で歩き、止まり、回る練習をしておくと本番で慌てない。

筋肉をつけすぎると不利になりますか

IFBBは筋肉が多すぎる体や硬すぎる体を減点するよう定め、JBBFも過度な筋量や絞りすぎで直線的に見える体をマイナス要因としている。筋肉量が多い人には、ウェルネスやボディフィットネスなど別の部門もある。

KINNIKU TIMESの視点

ビキニのルールを読み比べると、どの団体も「力強さ」より「流れと品のよさ」を求めていることが分かる。IFBBは筋肉の質を審査しないと書き、FWJはフロントからバックへの流れを、JBBFはしなやかな手先を重視する。体を作るトレーニングと同じくらい、立ち方と歩き方の練習が順位を左右しうる部門である。

初めて出る人への助言は、出場する団体の歩き方とポーズの数を最初に確かめることだ。JBBFやIFBB系の大会なら4方向のクォーターターンとIウォーク、FWJならフロントとバックの2ポーズと入場時のプレゼンテーション、SSAなら部門ごとに改訂された規定ポーズを覚える必要がある。練習では大会で履くヒールやサンダルを使い、審査員の位置から動画を撮って、脚の開き方や手の高さがルールの記述に合っているかを確かめたい。水着の規定はビキニ大会の水着規定の記事、部門の違いはビキニ・ウェルネス・フィギュアの違い、世界の頂点の戦いはビキニ・オリンピア歴代優勝者の記事で読める。

出典

筋トレに使える無料ツール

MY FITPEAK 無料会員 最新の情報を、素早くお届け。 新しい記事、筋トレ最安ナビの価格更新、FITPEAKの新商品の案内を、いちばんはやく受け取れます。 My FITPEAK に登録する

コメント

この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。