THE MUSCLE NEWSPAPER
ボディビル・フィジーク

ビキニ・ウェルネス・フィギュアの違い 女性部門の体と審査、身長区分を比較

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 14分
サマースタイルアワードのビキニモデル部門のステージでポーズをとる選手たち
SUMMARY|この記事の要約

ビキニ・ウェルネス・フィギュアの違いは、求められる筋肉の量と付き方にある。JBBFの競技ルールマニュアル、NPC WorldwideとIFBBの規則、SSAとベストボディ・ジャパンの公式資料から、女性カテゴリーの審査基準、衣装、身長区分を表で比較した。

ビキニ・ウェルネス・フィギュアの違いは、求められる筋肉の量と付き方にある。ビキニは最も筋量が控えめで曲線とくびれを、ウェルネスは下半身の量感を、フィギュア(JBBFではボディフィットネス)は筋肉の分かれ目が見える締まった体を評価する。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

女性のボディコンテストは、団体ごとにカテゴリー名が違い、同じ「ビキニ」でも求める体が異なる。本記事は、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の「2026年度版 競技ルールマニュアル」と大会出場資格一覧、NPC Worldwide(IFBBプロリーグ系のアマチュア組織)の競技規則、国際ボディビル・フィットネス連盟(IFBB)のビキニ規則、サマースタイルアワード(SSA)とベストボディ・ジャパンの公式資料を10月21日時点で確認し、女性カテゴリーを横並びで比較した。審査の境界線は最終的に当日の審査員が判断するため、本記事は各団体が文書で示している基準の整理である。

JBBFの競技ルールのページを見る

ビキニ・ウェルネス・フィギュアの違いは何か(早見表)

女性カテゴリーは、筋肉の量で並べると分かりやすい。JBBFの競技ルールマニュアルは女子カテゴリーの体型の違いを、ビギナーズフィットネス、ウィメンズフィットモデル、ビキニフィットネス、ボディフィットネス、ウェルネス、ウィメンズフィジークの順で写真付きで並べている。NPC Worldwideの規則も、フィットモデルは「ビキニより筋量が少ない」、フィギュアは「わずかな筋量とセパレーション(筋肉の分かれ目)があり、ストリエーション(筋線維の筋)は見えない」と書き分けている。

カテゴリー 筋肉の量 評価の中心(公式の記載から) 主な団体
フィットモデル 最も控えめ プロポーション、姿勢、ウォーキング、ワンピース水着とドレスの着こなし JBBF、NPC Worldwide
ビキニ(JBBFはビキニフィットネス) 控えめ くびれたウエスト、丸みのあるヒップ、ほどよい三角筋。過度な筋量や絞りすぎは減点 JBBF、NPC Worldwide、FWJ、SSA
ウェルネス 中程度(下半身が多め) 上半身40%・下半身60%の割合、臀部と大腿部がやや大きい。セパレーションやストリエーションがないこと JBBF、NPC Worldwide、FWJ
フィギュア(JBBFはボディフィットネス) 中程度 無駄な脂肪を落とし、各筋肉のセパレーションが見える丸みのある体 JBBF、NPC Worldwide、FWJ
ウィメンズフィジーク(女子フィジーク) 最も多い 筋肉の発達度とバランス、脂肪の薄さ。規定4ポーズとフリーポーズ。筋量が多すぎ男性的な印象は減点 JBBF、NPC Worldwide

この表のうち、筋量の並び順はJBBFのマニュアルの体型比較とNPC Worldwideの規則の記述に基づく。ベストボディ・ジャパンやSSAのカテゴリーは評価の考え方が別の体系なので、次の章以降で団体ごとに説明する。

ビキニ部門で求められる体と審査

JBBFのビキニフィットネス

JBBFのマニュアルは、ビキニフィットネスの審査ポイントとして「トレーニングにより作り上げられた曲線的な美しい筋肉」「うすく細くくびれたウエスト、丸みのあるヒップ、しっかり作られた脚、ほどよく鍛えられた三角筋」を挙げる。一方で「過度な筋量や絞りすぎにより直線的に見えるカラダはマイナス要因」と明記しており、筋肉を大きくするほど有利になる部門ではない。審査はIウォーキングとクォーターターン(正面・横・後ろ・横の4方向)で、決勝ではさらに3ステップフォワードが加わる。

コスチュームは色・柄が自由だが、ボトムの後ろは臀部の3分の1以上を布で覆い、前面のサイドラインは直線であることなどの規定がある。サンダルはJBBF公認のものを使う。水着の規定はカテゴリーごとに細かく違うため、詳しくはビキニ大会の水着規定の解説にまとめる。

NPC Worldwide・FWJのビキニ

NPC Worldwideの規則では、ビキニはフロントとバックのポーズを中心に審査し、ステージの奥へ歩いて振り返る「モデルウォーク」がある。予選(Judging)の採点が100%で、決勝の採点は確認ラウンドが必要な場合に限られる。国内でビキニ・ウェルネス・フィギュアという同じ名称の部門を持つFWJは、11月7日の大阪大会(予定)でビキニにジュニア、ビギナー、マスターズ(40・45・50・60歳以上)、オープンなど多くのクラスを用意している。

サマースタイルアワードのビキニ部門のステージに、ビキニ水着とヒールの選手が横一列に並んでいる
画像:サマースタイルアワード公式サイト「ビキニ(ベティ)部門」より

ウェルネスとフィギュアは何が違うのか

どちらもビキニより筋肉がある部門だが、筋肉の「付け方」の基準が違う。

ウェルネス: 下半身の量感を評価

JBBFのマニュアルは、ウェルネスについて「上半身に比べ臀部、大腿部がやや大きいこと」「上半身40%、下半身60%の割合」と具体的な比率を示す。そのうえで「筋肉のセパレーションやストリエーションがないこと」とし、筋肉の分かれ目をはっきり見せる体は求めていない。審査はIウォーキングとクォーターターンで、決勝では3ステップフォワードが入る。コスチュームのボトムは臀部の2分の1以上を覆う規定で、ビキニフィットネス(3分の1以上)より布の面積が大きい。

フィギュア(ボディフィットネス): 筋肉の分かれ目まで見せる

JBBFのボディフィットネスは「女子フィジークほどの筋肉量や密度は必要ないが、丸みのある立体感を感じる体型」で、「無駄な脂肪を落とした仕上がりで、各筋肉の鮮明なセパレーション」が求められる。審査はTウォーキングとクォーターターンだ。NPC Worldwideのフィギュアの基準も「わずかな筋量とセパレーション、ただし目に見えるストリエーションはない」「引き締まった形の良いラインだが、過度に絞りすぎない」としており、方向性は近い。名称はIFBB(アマチュア)とJBBFが「ボディフィットネス」、NPC系が「フィギュア」である。

比較項目 ビキニフィットネス ウェルネス ボディフィットネス
ウォーキング Iウォーク Iウォーク Tウォーク
決勝の追加審査 3ステップフォワード 3ステップフォワード (Tウォーク〜クォーターターン)
ボトムの後ろの布 臀部の1/3以上 臀部の1/2以上 臀部の1/2以上
筋肉の分かれ目 見せない(直線的な体は減点) ないこと 鮮明であること

出典:JBBF「2026年度版 JBBF競技ルールマニュアル」

身長区分はどう分かれているのか

女性カテゴリーの多くは体重ではなく身長でクラスを分ける。区分の線は団体と大会によって違う。

団体・大会 カテゴリー 身長・年齢の区分
JBBF オールジャパンフィットネス2026 ビキニフィットネス/ボディフィットネス 158cm以下級・163cm以下級・163cm超級
JBBF オールジャパンフィットモデル2026 フィットモデル 158cm以下級・163cm以下級・163cm超級、マスターズ40〜49歳・50歳以上
JBBF 日本クラス別選手権2026 女子フィジーク 158cm以下級・163cm以下級・163cm超級
JBBF オールジャパンマスターズ2026 ビキニフィットネス 35〜39歳・40〜44歳・45〜49歳・50歳以上の各年齢で160cm以下級・160cm超級
NPC Worldwide ビキニ・フィギュア・ウェルネス 2クラスなら163cm以下/163cm超。4クラスなら157cm・163cm・168cmで区切る(ビキニは最大8クラス)
IFBB 世界レベルの大会 シニア女子ビキニ 158cm以下から172cm超まで8クラス
SSA 地区予選 ビキニモデル/ビューティーフィットネスモデル ショート(161cm未満)・トール(161cm以上)・マスターズ(39歳〜)

JBBFのオールジャパンウェルネスは「クラスについてはエントリー締切後に発表」とされており、身長区分が事前に固定されていない。NPC Worldwideでは女子フィジークだけ2クラスの境目が168cmで、ほかの部門(163cm)と違う。区分は大会ごとの要項が優先されるため、出場前に必ず要項で確認したい。

ベストボディ・ジャパンとSSAの女性部門の違い

ベストボディ・ジャパン: 年齢別、ウエアは協会指定

ベストボディ・ジャパンは身長ではなく年齢でクラスを分ける。2026年日本大会の大会概要によると、ベストボディ部門とモデルジャパン部門の女性はガールズ(18〜29歳)からプラチナ(60歳〜)まで5クラス、ベストフィジーク&フィットネスモデル部門は3クラスだ。審査基準はベストボディ部門が「引き締まったバランスの取れた身体に加えて、女性らしい美しさのあるスタイル」、モデルジャパン部門が「ウエストがくびれている細い身体」、ベストフィジーク&フィットネスモデル部門が「極度に発達し過ぎた筋肉ではなく、バランス良く発達している筋肉」を挙げる。3部門とも、ウォーキングやヒールの履きこなし、知性や品格も審査対象としている。服装は予選が競技用トップスとアンダーウエア、決勝が公式ビキニで、すべて協会指定のウエアと公式ヒールを使う。

SSA: ビキニモデル、ビューティーフィットネスモデル、ビキニ(ベティ)

SSAの女性の主な3部門は、筋量の求め方がはっきり段階づけられている。ビキニモデル部門は「お腹はうっすら縦線が浮き出る程度で6パックはNG」とし、トレーニングを始めたばかりの人も挑戦しやすいクラスと説明する。ビューティーフィットネスモデル部門は代表の金子賢氏が考案したモノキニ(ワンピース型)の部門で、ポージングを競技種目の中で最も重視する。ビキニ(ベティ)部門は最も筋量を求め、腹筋に縦の線が3本入る「アブクラックス」やフロント・バックのVシェイプを評価するが、女性の6パックは絞りすぎとして減点対象とする。年齢は3部門とも18歳以上(高校生不可)だ。

サマースタイルアワードのビューティーフィットネスモデル部門で、黒いモノキニの選手がステージに並ぶ
画像:サマースタイルアワード公式サイト「ビューティーフィットネスモデル部門」より
団体 部門 衣装 筋量の目安(公式の記載)
ベストボディ・ジャパン モデルジャパン 協会指定ウエア・公式ヒール ウエストがくびれた細い身体
ベストボディ・ジャパン ベストボディ 協会指定ウエア・公式ヒール 引き締まったバランスの取れた身体
ベストボディ・ジャパン ベストフィジーク&フィットネスモデル 協会指定ウエア・公式ヒール バランス良く発達した筋肉(極度の発達は求めない)
SSA ビキニモデル 三角ビキニ・規定ヒール 腹筋はうっすら縦線まで、6パックはNG
SSA ビューティーフィットネスモデル 規定モノキニ・規定ヒール ベティ部門ほどの筋量は不要
SSA ビキニ(ベティ) 競技用ビキニ推奨・規定ヒール アブクラックス、Vシェイプ。6パックは減点

どのカテゴリーから始めるべきか

選び方の軸は、今の体と、これからどれだけ筋肉を増やすつもりかの2つだ。トレーニング歴が短く、細身のスタイルを生かしたい人は、フィットモデル、SSAのビキニモデル、ベストボディ・ジャパンのモデルジャパン部門のように筋量を強く求めない部門が合う。お尻と脚が発達しやすく、上半身は細めという体型ならウェルネスが候補になる。肩や背中まで筋肉をつけ、分かれ目を見せたい人はボディフィットネス(フィギュア)、さらに大きな筋量を目指すなら女子フィジークだ。

SSAは公式の早見表のページで、自分に合う部門が分からない場合は複数部門へのエントリー(Wエントリー)を勧めている。ベストボディ・ジャパンも3部門のトリプルエントリーを認めている。団体ごとの違いの全体像はボディビル大会の団体の違い、ベストボディ・ジャパンについてはベストボディジャパンとは、SSAについてはサマースタイルアワードとはで詳しく扱う。

SSAの男女別カテゴリー早見表を見る

よくある質問

ビキニとウェルネスはどちらが筋肉を必要としますか

ウェルネスのほうが筋量は多い。JBBFの規定では、ビキニフィットネスは過度な筋量や絞りすぎを減点とする一方、ウェルネスは臀部と大腿部がやや大きく、上半身40%・下半身60%の割合の体を求める。

フィギュアとボディフィットネスは同じ部門ですか

団体によって名称が違う、近い位置づけの部門である。NPC系はフィギュア、JBBFとIFBB(アマチュア)はボディフィットネスと呼ぶ。どちらもビキニより筋量があり、女子フィジークほどは求めない中間の部門として規定されている。

身長が低いと不利になりますか

多くの大会は身長でクラスを分けるため、同じくらいの身長の選手どうしで比べられる。JBBFのオールジャパンでは158cm以下級、SSAの地区予選では161cm未満のショートクラスがある。区分は大会ごとに違うので要項を確認したい。

腹筋は割れていたほうがいいですか

部門による。SSAのビキニモデル部門は6パックをNGとし、ビキニ(ベティ)部門も女性の6パックは絞りすぎとして減点対象とする。JBBFのウェルネスは筋肉のセパレーションがないことを求める。一方、ボディフィットネスや女子フィジークは筋肉の分かれ目を評価する。

KINNIKU TIMESの視点

女性カテゴリーの比較で見落とされやすいのは、「絞れば絞るほど評価が上がる」わけではない点だ。JBBFのビキニフィットネスは直線的に見える体を、SSAの各部門は6パックや極度の減量による細さを、はっきり減点要因として文書に書いている。初めての大会では、筋肉を見せることより、部門の基準に合った体の「ゴール」を先に決めることが大切だ。

もう一つは、ウェルネスの「下半身60%」という数字である。日本の女性は脚とお尻から変化を実感しやすい人も多く、ヒップスラストやスクワットを中心に鍛えてきた人にとって、ウェルネスは自分の体に合った舞台になり得る。お尻のトレーニングについてはヒップスラストとスクワットの比較研究が参考になる。減量中の食事の配分はPFC計算で確かめられる。

海外の最高峰との比較も役に立つ。オリンピアの各部門の成り立ちはビキニ、ウェルネス、フィギュア、ウーマンズフィジークの記事に、2026年に新設されたフィットモデルはオリンピアの新部門フィットモデルにまとめた。国内のウェルネスの最新結果はウェルネス全日本の結果で読める。モデル系の部門をさらに詳しく知りたい人はフィットネスモデル大会の解説も参照してほしい。

出典

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